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#リゼロ
すず
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第20話『武の頂』
血が宙を舞った。
汗明の口元から流れた鮮血。
戦場が静まり返る。
楚兵たちは信じられなかった。
あの汗明が傷を負った。
しかも正面から。
対する蒙武も無傷ではない。
肩から血が流れている。
だが、その目はさらに鋭くなっていた。
汗明は血を拭う。
そして笑った。
「そうだ。」
「それでいい。」
「それでこそだ。」
巨大な矛を握り直す。
「余はずっと探していた。」
「余を超える武をな。」
再び両者が激突する。
ガァァァン!!
轟音。
ガァァァン!!
再び轟音。
周囲の兵士たちは近づくことすらできない。
二人の戦いだけで空間が支配されていた。
一方その頃。
函谷関を離れた虹桃軍団は西へ馬を走らせていた。
目的地は蕞。
先頭を走るのはシヴァ。
「急げ!」
「李牧軍との距離が縮まってる!」
のあは地図を見ながら計算する。
「このままだと李牧の方が早い。」
「何とか時間を稼がないと。」
すると、もふが遠くを見た。
「待って。」
「誰かいる。」
街道の先。
数騎の騎兵がこちらへ向かってくる。
秦軍の旗だった。
やがて先頭の男が姿を現す。
飛信隊。
信だった。
「お前ら!」
信が馬を止める。
「李牧を追ってるんだろ!」
じゃぱぱは驚く。
「どうしてここに?」
「河了貂が気付いた。」
信は笑った。
「面白そうだから来た。」
のあが呆れる。
「それだけ?」
「それだけだ!」
飛信隊数千。
虹桃軍団精鋭。
思いがけない共闘が実現した。
その頃。
韓軍戦線。
張唐は成恢本陣へ突入していた。
周囲には毒煙。
多くの兵が倒れている。
だが張唐は止まらない。
「成恢ぃぃぃ!!」
その咆哮が響く。
天幕の奥で、成恢が笑った。
「来たか。」
「老いぼれ。」
ついに両者の距離が数歩まで縮まる。
北方戦線。
オルドは最後の攻勢を仕掛けていた。
しかし。
王翦は全く動じない。
まるで全てが計算通りであるかのように。
オルドは歯を食いしばった。
「この野郎…。」
王翦は静かに答える。
「戦は始まる前に終わっている。」
そして。
李牧軍。
ついに山道を抜ける。
眼前に広がる平野。
その先には蕞があった。
李牧は馬を止める。
「到着しましたか。」
副官が尋ねる。
「すぐ攻めますか?」
李牧は首を振った。
「いえ。」
そして後方を見た。
「追って来ていますから。」
遠く。
土煙が上がる。
虹桃軍団。
そして飛信隊。
李牧は微笑んだ。
「まずは歓迎しましょう。」
秦の運命を左右する戦いが、蕞の目前で始まろうとしていた…。
コメント
1件
今回もすごく熱かったです…!汗明が「余を超える武をな」って笑ったところ、鳥肌立ちました。あの重厚な戦いの中で、相手を求める執着みたいなものがにじみ出てて、印象に残ってます。そして信が「面白そうだから来た」で飛信隊ごと参戦!思わず「きたー!」って声出ました。複数戦線同時進行の読み応えも◎。🍙さんの作品、毎回引き込まれます。次も楽しみにしてますね🤍