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#リゼロ
すず
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第21話『蕞前夜』
夕暮れ。
蕞の城壁が赤く染まる。
小さな城。
兵も少ない。
函谷関と比べれば、防衛力は決して高くない。
しかし今、この城こそが秦の命運を握っていた。
城壁の上では秦兵たちが慌ただしく準備を進めている。
「急げ!」
「矢を運べ!」
「城門を補強しろ!」
誰もが李牧軍の接近を知っていた。
その頃。
李牧軍本陣。
李牧は蕞を見つめていた。
「小さいですね。」
副官が頷く。
「ですが落とせば秦は終わります。」
李牧も同意した。
函谷関はまだ落ちていない。
しかし蕞が落ちれば秦王都への道が開く。
だからこそ。
この城は絶対に守らねばならない。
そして絶対に落とさねばならない。
夜。
虹桃軍団と飛信隊は蕞へ到着した。
城門前。
信が大声を上げる。
「開けろー!」
城兵たちが騒然となる。
「飛信隊だ!」
「援軍が来たぞ!」
やがて城門が開く。
じゃぱぱたちは城内へ入った。
しかし。
誰の顔にも余裕はない。
敵は李牧。
しかも精鋭数万。
対する蕞は兵力不足。
状況は圧倒的に不利だった。
城内の会議室。
のあが地図を広げる。
「正面攻撃だけじゃない。」
「李牧は必ず複数の手を使う。」
もふも頷く。
「問題はどこから来るか。」
その時。
外が騒がしくなる。
「秦王だ!」
「秦王陛下がお見えになった!」
全員が驚く。
城門へ向かう。
そこには一団の騎馬隊。
そして先頭には。
嬴政。
若き秦王自らが蕞へ来たのだ。
城内の兵士たちは息を呑む。
王が最前線へ来る。
それは異例中の異例だった。
嬴政は周囲を見渡す。
信。
虹桃軍団。
秦兵たち。
そして静かに言った。
「共に戦おう。」
その一言だけだった。
しかし兵士たちの表情が変わる。
恐怖が少しだけ消えた。
同じ頃。
李牧軍本陣。
一人の斥候が駆け込んでくる。
「報告!」
「秦王が蕞へ入りました!」
副官たちが驚く。
しかし李牧は微笑んだ。
「来ましたか。」
むしろ予想通りだった。
李牧は立ち上がる。
「明日。」
「蕞を攻めます。」
月明かりが本陣を照らす。
そして遠く離れた函谷関では。
蒙武と汗明。
張唐と成恢。
王翦とオルド。
それぞれの戦いがなお続いていた。
中華全土を巻き込む合従軍の戦い。
その勝敗を決める新たな戦場が、ついに幕を開けようとしていた…。
コメント
1件
第21話「蕞前夜」、じっくり読ませてもらいました。 こういう前夜の静けさと緊張感が滲む話、すごく好きです。特に秦王自らが最前線に現れる瞬間、一気に空気が変わったのが伝わってきました。「共に戦おう」の一言だけで兵たちの顔色が変わる——そのシンプルさが逆に効いてますね。 李牧の「来ましたか」も、すべて見越した上での微笑みで、あの人の底知れなさが怖いけどかっこいい。函谷関の戦線もまだ動いている中で、ここが合従軍編の分水嶺になりそうな予感がして、胃がキリキリします。続きがすごく気になります!🍙さん、今回も熱かったです。