テラーノベル
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次の日。
俺も言ってみようかな……
そんな気持ちが、
不意に胸の奥から湧き上がった。
前の日、みんなからの誘いに
「また今度」と返してしまった自分。
だけど、課題ももう終わった。
どこか心がぽっかりと空いて、
急に誰かと会いたくなった。
グループLINEを何度も開いては閉じて、
ついに
kr『明日、もし集まるなら俺も行っていい?』
と送ってしまう。
一瞬で返事がきた。
pn「まじ? くる?」
sn「やった!」
tr「ok!」
どこかホッとしたような
照れくさいような、そんな返信だった。
当日。
待ち合わせの駅に行くと
トラゾーもぺいんともしにがみも、
みんなこっちを見ていた。
sn「クロノアさん、よく来ましたねぇ!」
tr「今日いい天気でラッキーだな」
pn「じゃあ、行きますか」
kr「…うん!」
そこからは
ただ歩くだけでも
笑いが生まれて、とても不思議だった。
行き先はいつもの繁華街。
映画を観ようと並んで、
くだらない話をして、
何の気なしに適当なコンビニで
アイスを買う。
しにがみが一口ちょうだいと言えば、
ぺいんとが「図々しっ!」とツッコんだり、
みんな交代でふざけて写真を撮り合う。
誰かの評価も、
家のルールも、
将来の不安も、
このときだけは全部
どこか遠くへ行ってしまう。
夕焼けになって
公園でみんなで缶ジュースを買う。
誰もが無理していなくて
ただ隣にいるだけで十分だと思えた。
tr「またこうやって集まろうな」
sn「絶対!ニコッ」
約束みたいなことを言い合いながら
そんな日が何度も続いたらいいのに、
と心の奥で願った。
でも、家に帰れば現実が静かに待っている。
母親は何か言いたそうにしていた。
その親の姿を見て
俺はさっきまで笑っていた
自分をどこかに隠したくなる。
今日の写真を眺めながら、
楽しかったけど
やっぱり“現実”は強い。
だけど、勇気を出して一歩踏み出した
自分のことを
少しだけ好きになれた気もした。
そしていつの間にか
夏の空気が
静かに夜に染まりはじめていた。
コメント
4件
続きが楽しみ!
うん!クロノアさんはみんなとずっと一緒に居て欲しい!!あと日常組が尊い!!