テラーノベル
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昨日のみんなとのやりとりは
確かに楽しかった。
だけど、朝、目が覚めた時から、
何も変わっていない気がした。
カーテンの隙間から差し込む光は、
ただまぶしいだけだった。
スマホには
未読のメッセージだけが溜まっていく。
tr「今日は何する?」
sn「誰かゲームしませんか?」
pn「昼から暇なんだよな~」
みんなは毎日を楽しそうに繋いでいる。
その輪の中に自分もいるはずなのに、
なぜか心のどこかに、
黒い塊だけが残っている。
「クロノア、今日も家で課題やるの?」
母親の声が、リビングの奥から響く。
kr「…うん」
気のない声で返事をしながら、
俺は自分の部屋に戻る。
ドアを閉めると、
急に世界との境界線が濃くなって
ぼんやりと自分の存在が薄れていく。
机の上には
終わったはずの宿題や、
まとめようと思って広げたノート。
でも、手は動かないまま、
ただ天井を見上げる時間だけが過ぎていく。
LINEに
「クロノアもゲーセン来いよ!」
「たまには顔出せよ」
そんな通知が光る。
——行ったほうがいいのかもしれない。
けど、今はどうしても体が動かなかった。
誰かといるときの自分は、
「普通の友達」
でいようと無理している気がしてならない。
自分の本当の顔なんて、
誰にも見せたことがない。
「明るくしてないと、消えてしまう」
そんな焦りばかりが強くて、楽しささえ全部ウソみたいに感じる。
みんなの輪の中にいる自分と、
家で一人ぼんやりしている自分。
どっちが本物なんだろう。
夜、ベッドの中で考えが止まらず、
「クロノアって今日も元気そうだったな」
とか、
「またみんなで遊ぼう」
とか、
みんなが何気なく言った言葉が、
逆にどこか痛かった。
——自分だけ、何も感じていない気がする。
誰と話しても、何をしても、
「楽しそうな自分」を演じているだけ。
本当はみんなといるときも、
家にいるときも、
ずっと無色透明なまま。
ふと、無意識にスマホの通知を切る。
メッセージが来ても、
返す気すら起きない夜が、
ゆっくりと広がっていった。
コメント
4件
続き楽しみ(((o(*゚▽゚*)o)))
めっちゃおもろい!!(これしか言ってない気がする) クロノアさんの気持ちがめちゃくちゃ分かるなぁ、あと🥀ちゃん天才!