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出口無き鳥籠

また、お母さんに怒られる。

そんな憂鬱な気分で僕は家へ向かっていた。

足取りが重くて「行きたくない」そう言ってるようだった。

……どうせ、99点でも怒られるんだ。ならテストなんてやらなきゃ良かったのに。でも、それを辞めると言う拒否権は僕にはない。

友達は「99点だなんて、凄いよ!」と誉める。けど、お母さんには怒られるだけなんだよ。理由は確か…お母さんは昔有名大学を卒業したから、僕もそこに入りなさい…だっけ。

僕はその言葉を思い出し、悪態を呟く。

「……うるさいなぁ……」

ずっと言われてきた。どうして僕まで入らなきゃいけないんだろう?……僕が将来を決めたっていいじゃないか……。

「……お母さんは随分と自分の子供を物として扱ってるんだな」

「……うん、そうだよ。嫌になっちゃう」

僕はその声に返事をしたが、ハッとして後ろを振り向いた。

「……今晩は、少年」

そこには、黒髪の綺麗な女の人がいて、なんと言うか、変な気持ちになった。

「……君は、正直に言って不必要なゴミだ」

「……僕は、ゴミではなく人です……」

僕の言葉に女の人は少し笑った後、不気味な笑みを浮かべた。

「……ゴミではなく人…か。確かにそうだな…なら、いらない物か」

……いらない物……あながち、間違ってはいないかもしれない。けれど、何故僕がいらない物なのだろう?

その僕の思いに答えるかの様には女の人は次の言葉を口にする。

「……理由はな、人に将来を決めてもらっているだけの奴はろくな奴にならねぇからだよ。お前の場合、母親に全てを支配されている。もし、その母親の有名な大学に入れなかったら、母親はどうする?お前はどうする?……何の希望もない。お前は母親の言葉に沿って生きてきた。それには歯向かえない。もし、母親が『勉強する事』以外を教えなかったのであれば…お前は友達もおらず、勉強しか出来ないただのガリ勉野郎だ」

「……友達はいる……」

「ソイツもお前の事なんざどうでも良いだろうよ。……もしかしたら、ただ良い点数取って自慢して残念がるウザい奴とでも思われているんじゃないか?」

「……嘘だ……」

「嘘?嘘じゃないさ、事実だ」

「…………」

なんなんだ、この人は。

僕はこの女の人に先程の変な気持ちではなく、怒りを感じていた。

「ま、つまり…お前は社会にいらねぇんだよ。嫌々勉強して点数を稼いでるお前より、頭が良い奴はわんさかいる」

「……でも、お母さんは……」

「ああ、母親は求めるだろうな。思い通りに動く操り人形だもんなぁ……お前」

「…………」

……操り人形。確かにそうだ……でも、それが僕が死んでいい理由にはー

「なるんだよ。お前は十分恨まれてる。友達からも、親友からもな……ウザい奴として」

「…………」

「このまま生きてても、キモいガリ勉と評されていじめを受けるだけなんじゃないか?

だとしたら、大学なんざ行けねぇな……」

「…………」

……きっと、この人と会わなければこう考えはしなかっただろう。けど、お母さんに迷惑は掛けたくはない……。

だから、僕は、``xxxx´´ことを選ぶ。

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