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一方、マサはナミが1人で空を見上げている所に近づいていた。
「なにか見えるのか?」
話しかけてみると・・・・
「・・・・・・・」
無言のままのナミ。
「無視かよ」
「・・・・私、決めたから」
「何をだよ」
「あなたが帰ってくる頃にはきっと、子供がいるわね」
将来のことを急に話し始めるナミ。
「お前はそれで幸せのか?」
「な、なによ!幸せよ!幸せに決まってるじゃない」
「・・・俺の事を待っててくれないのかよ」「待たないわよ」「俺が、待っててくれと言ってもか?」正直に言った。「もう、練習台には・・・」
「頼むから、待っていてくれよ・・・」マサは、ナミを優しく抱きしめた。「どういうこと?」「そろそろ気付けよな・・・」「えっ?」「俺がナミに、プロポーズしてるってこと、気付けよな!」「マサ・・・・?」これが、プロポーズ?
「何回も言わせるなよ。恥ずかしいだろ?」「本当なの?本気なの?」
ナミはまだ信じられないみたいだ。「だからー、本気だって言ってるだろ?」ナミを抱きしめたまま言う。「絶対、生きて帰ってきてくれる?」「当たり前だろ?」「約束よ?」「あぁ、約束する」ふたりは、静かに抱き合っていた。2人の心はやっとひとつになっていた。
そして、ヒロの家にやってきたゴウと、ジュンは「さぁ、今日の出会いは何かの縁だ。ここへ、泊まっていくといい」ヒロは、快く2人を迎い入れた。「あの、早速ですがヒロ様・・・」「わかっていますよ。僕も君たちのことを探していましたから」ヒロは、さっきのゴウの力のことも知っていた。「ゴウ、先程の【大地の力】は、むやみに使うものではありませんよ?」「魔物がいたんだ。使うのは当たり前だろ?」「それはそうかもしれませんが・・・使いすぎると命に関わりますよ?」「そんなの平気だよ」「兄さんは意地っ張りだからなぁ・・・・」ジュンがボソッと呟いた。「さっきの魔物ですが、私たちの国でもどんどん出てきています。封印してあったはずの魔物が何らかの力で甦り、人々を苦しめているようです」「聞いたことあります。6人の戦士が封印したと。今、まさに新たに6人の戦士が集まろうとしてるって・・・」「それが、私たちですよ、ゴウ、ジュン」「俺たちが戦士?」「そうです。ここへ来る前に、授かったものはありませんか?」「はい、街の長からこれを・・・・」ふたりは、それぞれ剣を取りだした。「君たちの力は、この剣から発します。そのうちきっとわかります」「ですが、ヒロ様。今も尚、戦い続けている人がいると聞きました」「そうですね。たった1人で・・・・。まだ、魔物が少ないのもその生き残りの戦士がいるおかげかもしれません」「・・・・もしかして・・・」「・・・そうです。他の仲間と別れ、今も1人で戦い続けている」ヒロは、遠くを眺めため息をついた。その視線のはるか先で、その戦士は戦っていた。
「まさか生き残りがいたとはね・・・」「仲間をあんな形で殺すなんて・・・・許さない・・・」「フフフ。人間はいつになっても弱い生き物だな。自分が生き続けるために・・・バカな人間たちだ。お前もその1人だろ?」「ちがう!」「フフフ・・・今集まりし戦士たちにも同じ苦しみを味あわせてやろう。まだ、未熟なうちに・・・・フフフ」「やめろ!」魔物は姿を消してしまった。「そんなことはさせない!させてはいけない!私たちの意志を伝えなければ・・・・」
その戦士は、傷つきながらも歩き始めた。