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ホテルの駐車場に戻った、真一と紗栄子セルシオのトランクの中を確認したところ中にいたはずの真希の遺体が無くなっていた。
中に乗り込み、バケトンの近くの祠に向かう途中にセルシオの違和感を感じナンバーを確認したところ。
真一のセルシオはナンバー888今運転してるセルシオは8888であった。
「俺のセルシオじゃねぇ。。。」
でも鍵は入れ替わってないのに何故エンジンがかかる。
真一は車をUターンし、岬の方へ向かう。
「真ちゃんどうしたの?」
「確認したい事がある、岬に戻るぞ」
額の汗を拭いながらハンドルを握り、海岸線沿いをつっぱしる。真一は何かを悟っていた。
まだ報道陣や野次馬は現場に集っていた。祭りのような騒がしさはさっきのままだ。
真一は店長のセルシオの脇に車を止めた。
「あれ、真一どうしたんだ?」
ちょうど店長が野次馬の中から戻って来ていた。
「ちょっといいすか」
真一は店長の車に乗り込み、持っていた車の鍵をシリンダーに差し込み勢いよく回した。
ブルルン ブルルン
店長のセルシオのエンジンがかかった。
「あら?」店長はキョトンと立ち尽くす。
「やっぱり、そうか、噂は聞いた事はあったけど、マジのようですね」
真一は紗栄子のいるセルシオに戻り、グローブボックスを開け、中から車検証を取り出す。
車検証の名義は「上杉モータース」だ。
「真一どう言うことだ?」店長が真一に問う。
真一は上杉モータースの噂話を始めた。
上杉モータースは現金一括払いできない人やローン組めない人に会社の名義を貸して、毎月、自社で返済金を高金利で回収しているようだ。
そういった客が乗る車もある事から、鍵とシリンダーを全車両統一して、何時でも車を回収出来る様にしたり、盗難を装って保険金を騙し取ったりと、良からぬ事をしているようだ。いわゆる、あそこの店に並んでいる車は、全て同じ鍵で開けたり、動かせると言う事なのだと真一は説明した。
「俺は現金で払ったから、名義も俺のだし、ナンバーも自分で選んだ。だけど鍵とシリンダーはそのままって事か。。」
「真ちゃんの車を探さないと。。。」
「あぁ、これに乗っていた持ち主と入れ替わっちまった可能性が高い。」
「上杉のところに行けば持ち主わかるんじゃない」店長は他人事のようにそういった。
確かにそれも選択のうちだが、真希さん遺体の件や店長には言えない理由がある。
「紗栄子、いくぞ」
俺はセルシオに乗り込みエンジンをかけた。
ルームミラーに映る店長は段々小さくなり、俺たちは岬から離れていった。