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side??? 私は小さい頃からほとんどなんでも出来た。
勉強にスポーツに、ピアノのような楽器も演奏できる。
ただひとつ出来ないのは料理だけ。
私はほとんどのことがすぐ習得するのは誇らしかった。
「冬子ちゃんすごいねぇ」
「将来が楽しみだねぇ」
両親も私の才能に期待していた。
私が様々な分野に長けている反面、妹のあいつは何も出来なかった。
「お姉ちゃんならできる」
「お姉ちゃんに比べてあんたは何も出来ない」
あいつは私を兼ね合いにされていた。
勉強でもスポーツでも出来ることが多いと、ちやほやされるのが気持ちよかった。
そしてあいつは出来ないことを必死に頑張っていた。
しかし、どこかでつまずく。
「なんでこれくらいのことも出来ないの!?」
ビターン!
別室で母が付きっきりでピアノの練習をしていた。あいつが失敗すると頬をビンタされていた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
泣きじゃくりながら、必死に謝罪する。
何に?才能のない自分にだ。
私はそれが愉快であり、恐怖でもあった。
私もなにかできなかったらあんな風に虐待されるのだろうか?
怖さで震え上がった。
それからも、様々な分野に挑戦した。
しかし、料理だけは上達しなかった。
否、料理はさせて貰えなかったのだ。
1度母とカレーを作ることになった。
その時に、私は誤って自分の指を切ってしまったのだ。
指から血が滲むが、その小さな失敗より母の視線が怖かった。
私もあいつのように暴力を振られる……!
その怖さで私の感情は支配されていた。
母は、その指先から流れる血を見て笑顔だった。
「大変、冬子ちゃんにはまだ早かったね」
そう告げられてから、料理はさせて貰えなくなった。
「冬子ちゃん、もう少しで誕生日だけど、欲しいものある?」
「3○S!」
「いいわよ」
これが私に対する対応。一方あいつには
「誕生日?何も出来ないお荷物に割くお金はないわよ」
と一蹴されていた。
両親はおかしい。
子どもながらに感じていた。
しかし、小学生に上がったばかりの私には、この人たちから逃れられる策は浮かばなかった。
私がこれまで通りに出来ていれば、私に危害が及ぶことは無い。
何も取り柄にないあいつが生贄になってくれれば私は助かる。
姉として最低な判断だと薄々感じていた。
それでも、あいつが怒られて私が褒められる。
これが愉快で助けたいとは思わなかった。
あいつにも唯一の救いがあった。
祖母だ。
親から殴られても蹴られても、祖母だけはあいつに優しかった。
「凜々ちゃん、児童相談所に行こう」
祖母がこの家からあいつを助け出そうとした。
「行く前に友達に挨拶したい」
その日の夕方、あいつの後を追った。
「私ね、施設に入ることになったの。だからお別れ」
「例え今離れても大人になったら迎えに行く」
相手はそう宣言した。
「だから」
「大きくなったら結婚しよう」
#オフィスラブ
ひより
6,020
ゆあんくん推し🌈🍑🍗
288
あいつがプロポーズされたのだ。
なんで?
虐げられていたあいつに恋人?
許せない、私を差し置いて幸せになろうだなんて……!
怒りに狂った私は母に連絡。
そいつを亡き者にしようと結託。
あいつだけは許さない……!静かな怒りが私を包む。
母が交通ルール無視であいつを車で跳ねた。
宙を舞う男の子。
時間にして一瞬、道路に打ち付けられた男の子は頭から血が流れた。
コンクリートが紅く塗られていく。
すぐさま救急車が呼ばれた。
その男の子は奇跡的に一命を取り留めた。
しかし
「事故に遭う前に記憶がありません」
キュピーン。
私の頭に電流が走った。
「健人、忘れたの?私と結婚するって約束したよね?」
「そう、だったっけ?」
「そう。それで嫉妬したのがあいつ」
「あの子がどうしたんだ?」
「おばあちゃんに頼んであんたを轢き殺そうとしたのよ」
「違う、私は……!」
「そうです。私の静止を振り切ってお義母さんが彼を殺そうとしました」
「あんた……!」
「2人とも、署まで来てもらいます。」
雑な擦り付けだったが、幸いにも父が刑事だ。
上手く事件を歪めてくれた。
そうして私、天野冬子と叢雲健人は婚約したのだ。