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#ライトノベル
umaimon
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ライラック💜💫【🎨🫧】
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あっとくん推しさん、読ませていただきました!第8話、楽しく読ませてもらいましたよ〜😊 いやもう、あや・りょうた・はるの三人の距離感が絶妙で、見ていてほっこりしました。特に、はるが「恋のキューピッド」として二人をくっつけた秘密を抱えつつ、ついニヤニヤしちゃう様子が微笑ましいです。部長会議の場面も、ごちゃごちゃした中にあやとはるの軽妙な掛け合いがいいアクセントになってますね。 それと、コンビニでの「好きな食べ物覚えてた」「ありがとう」の自然なやり取りが特に印象に残りました。砂糖じゃなくて、そういうさりげない優しさがじんわり来る、いいシーンでした。続きも楽しみにしてますね!
体育館、部長会議。
「だから! 卓球部の練習時間は削らせねぇって言ってんだろ!」
あやがまさたかに食ってかかる。
「こっちだって削られたくねぇんだよ!」
「じゃあ先生に直談判しろ!」
「お前もだろうが!」
「俺はするけど?」
「だったら最初からそう言え!」
「お前が話聞かねぇからだろ!」
「お前が余計なことばっか言うからだろうが!!」
二人の言い合いは、もはや体育館の名物になりつつあった。
その隣では、はるが頬杖をつき、りょうたは配布された資料を読んでいる。
「……あや、あとで購買寄る?」
りょうたが小声で尋ねた。
「ん。行く」
「何食べる?」
「りょうたの奢りなら何でも」
「なんで俺が奢る前提なんだよ」
「彼女に優しくしろよー?」
「……っ、お前、ここでその話すんな!」
りょうたは慌ててあやの口を手で塞ごうとした。
「んぐっ!?」
あやはその手を払いのける。
「何すんだよ!」
「お前が変なこと言うからだろ!」
「変なことって何だよ。俺、何も言ってねぇじゃん」
「言いかけただろ!」
「は? 意味分かんねぇ」
二人は周りに聞こえないくらいの小声で言い合っていた。
その様子を見ていたはるは、口元を押さえて笑いを堪えている。
――この二人、ほんとに分かりやすい。
もちろん、あやとりょうたが付き合っていることを知っているのは、本人たちと、二人をくっつけたはるだけ。
ほかの部長たちはもちろん、卓球部の2年生も1年生も知らない。
なぜ、はるだけが知っているのか。
それは少し前のことだった。
*少し前・三人だけの秘密
「はる、ちょっと相談がある」
ある日の放課後。
あやに呼び出されたはるは、誰もいない音楽室の前に連れてこられていた。
「何? 金貸してとか?」
「違ぇよ!」
「じゃあ、購買のパン買ってきて?」
「お前、俺を何だと思ってんだよ!」
「便利な友達?」
「ひどくね!?」
いつものようにふざけ合っていた二人だったが、あやはふと真顔になった。
「……俺さ。りょうたのこと、好きかもしれない」
「…………は?」
はるが固まった。
「え、待って。今なんて?」
「だから、りょうたが好きかもしれねぇって」
「……マジ?」
「マジ」
「いつから?」
「知らねぇよ。気づいたら目で追ってた」
あやは珍しく、少しだけ視線を逸らした。
「りょうたがほかの奴と楽しそうにしてると、なんかムカつくし。話せると嬉しいし。……これって、そういうことだろ?」
はるは数秒黙り込んだ。
そして。
「っしゃあああああ!!」
「うわっ!? うるせぇ!!」
「いや、だって! お前が恋愛相談してくるとか、明日雪降るだろ!!」
「うるせぇ! 相談するんじゃなかった!」
「待て待て待て! 俺に任せろ!」
「……は?」
はるはあやの両肩を掴んだ。
「絶対くっつけてやる!」
「は!? いや、ちょっと待て! まだりょうたが俺のこと好きか分かんねぇだろ!」
「そこは俺が調べる!」
「何をどうやってだよ!」
「恋のキューピッド、はる様に任せなさい!」
「最悪の予感しかしねぇ……」
――しかし、はるの行動力は本物だった。
数日後。
今度はりょうたを呼び出した。
「なあ、りょうた」
「何?」
「お前、あやのことどう思ってる?」
「……は?」
「いや、友達としてじゃなくて」
りょうたは黙った。
そして、しばらくしてから小さく答えた。
「……好き、だけど」
「っしゃあああああ!!」
「おい! 声でけぇよ!」
「両想いじゃねぇか!!」
「は!? あやも俺のこと好きなの!?」
「……あ」
はるは口を押さえた。
「お前、今……」
「いや、違う! 今のなし!」
「はる!!」
「ごめんって! でも安心しろ! 本人には言わねぇから!」
「もう遅ぇよ!!」
結局、はるは二人を別々に呼び出し、同じ日に告白できるように段取りを組んだ。
そして放課後。
誰もいない校舎裏。
あやは緊張した様子でりょうたの前に立っていた。
「……りょうた」
「ん?」
「俺、お前のことが好きだ」
りょうたは目を見開いた。
「……俺も、あやが好き」
「……マジ?」
「マジ」
「……そっか」
あやは顔を伏せた。
耳が赤い。
りょうたも、いつもは冷静なのに、どこか落ち着かない様子だった。
そして二人は、晴れて恋人同士になった。
少し離れた物陰ではるは、拳を握りしめていた。
「よっしゃ……! 俺、天才……!」
その瞬間。
「……おい、はる」
「ぎゃあああああ!?」
いつの間にか背後に立っていたあやに、はるは飛び上がった。
「お前、何見てんだよ!」
「いやぁ? 青春だなぁって?」
「ぶっ飛ばすぞ!」
「お幸せにー!」
「待てコラァ!!」
こうして、はるは二人の秘密を知る唯一の協力者になったのだった。
*現在・部長会議
「……おい、はる」
「ん?」
「何ニヤニヤしてんだよ」
あやが怪訝そうに睨む。
「いやぁ、別に?」
「絶対なんか考えてただろ」
「お前とりょうたの初々しい思い出とか?」
「っ!?」
あやの顔が一瞬で赤くなった。
「ばっ……! お前、声!!」
「声小さいって。誰にも聞こえてねぇよ」
「お前なぁ……!」
りょうたも顔を赤くしながら、はるの腕を引っ張った。
「おい、はる。あとで覚えとけよ」
「はいはい、怖い怖い」
「本当にぶっ飛ばすぞ」
「彼女の前でかっこつけちゃってー!」
「はる!!」
二人が同時に怒鳴った。
その声に、ほかの部長たちが振り向く。
「……お前ら、何騒いでんだよ?」
まさたかが怪訝そうに尋ねた。
はるは一瞬で真顔に戻った。
「いや、りょうたが俺のこと大好きだって話」
「は?」
りょうたが固まった。
「……はる?」
「何?」
「お前、今すぐ黙れ」
「え、照れてんの?」
「照れてねぇ!!」
あやは机に突っ伏して笑いを堪えていた。
「っ……ははっ……!」
「おい、あや! お前も笑うな!」
「いや、だって……っ!」
「お前ら三人、さっきから何なんだよ!」
まさたかが叫ぶ。
「部長会議を進めろ!!」
「お前が一番進めてねぇだろ」
あやが顔を上げて即答した。
「またお前かぁぁぁ!!」
会議は再び大混乱。
一方、ステージの下では――。
「……ねえ、さな先輩」
1年生のここあが、不思議そうに尋ねた。
「なんか、あや先輩とはる先輩とりょうた先輩って、すごく仲いいですよね?」
「そうだね」
「でも、はる先輩とりょうた先輩があや先輩をからかうとき、なんか息ぴったりじゃない?」
「確かに……」
さきも首を傾げた。
「もしかして、三人で何か秘密があるのかな?」
その言葉に、卓球部の2年生たちもステージを見上げた。
みくは少し考えたあと、肩をすくめる。
「まあ、仲いいんじゃない? あの三人」
「だね」
まゆらも特に気にしていない様子だった。
誰も、あやとりょうたが恋人同士だとは思っていない。
そして当の本人たちは、秘密がバレないように、いつも通り喧嘩したり、からかったり、何事もないように振る舞っている。
ただし。
「……あや」
会議が終わり、全員が片付けを始めた頃。
りょうたが、誰にも聞こえない声であやを呼んだ。
「今日、帰り一緒に帰れる?」
あやは一瞬だけ目を丸くし、それから小さく笑った。
「……おう。待ってる」
その様子を見ていたはるは、にやりと笑う。
「おーい、二人ともー?」
「「何?」」
「秘密の恋人生活、楽しんでますかー?」
「「はるぅぅぅぅ!!」」
体育館に、二人の怒声が響き渡った。
1年生たちはびくっと肩を震わせる。
「えっ!? また喧嘩!?」
「今度は何があったの!?」
2年生たちは、いつも通りの光景にため息をついた。
そして、はるだけが楽しそうに笑っていた。
部長会議が終わった放課後。
体育館から出たあや、りょうた、はるの三人は、昇降口へ向かっていた。
「腹減ったー。肉まん食いてぇ」
あやは鞄を肩に引っかけながら、大きく伸びをした。
「お前、さっきも腹減ったって言ってなかった?」
りょうたが呆れたように言う。
「育ち盛りなんで」
「お前、昼飯二人分食ってただろ」
「それとこれとは別」
「意味分かんねぇ……」
はるは二人のやり取りを見て、ニヤニヤしていた。
「いやぁ、仲いいねぇ、お二人さん」
「……はる」
「はい?」
「その顔やめろ」
「どの顔?」
「今すぐぶん殴りたくなる顔」
「ひっでぇ!」
りょうたが吹き出す。
「ははっ! あや、それは言いすぎだろ!」
「お前も笑ってんじゃねぇよ!」
「だって、はるの顔が面白ぇんだもん!」
「お前ら、俺に対して当たり強くね!? 俺、二人をくっつけた恩人なんだけど!?」
「頼んでねぇよ!」
あやとりょうたの声が見事に重なった。
「ひどくない!?」
はるの叫びが、夕方の昇降口に響いた。
*コンビニ到着
学校から少し歩いたところにあるコンビニ。
三人は店内に入ると、それぞれ商品を見始めた。
「肉まん、肉まん……あった!」
あやは迷わず肉まんを二つ取った。
さらに、からあげとおにぎりを三つ。
「おい、買いすぎだろ」
りょうたがカゴの中を覗き込む。
「普通だろ」
「どこがだよ」
「お前も食う?」
あやが肉まんを差し出す。
「……食う」
「だろ?」
「いや、そういう問題じゃねぇんだよ」
そう言いながらも、りょうたはあやのカゴに自分の好きなおにぎりを入れた。
あやはそれを見て、口元を緩める。
「お、鮭じゃん。好きだもんな」
「……覚えてたんだ」
「そりゃ覚えてるだろ」
二人の間に、自然な空気が流れた。
その瞬間。
「はい、尊いー!」
横からはるの声が飛んできた。
「うるせぇ!!」
あやが即座に振り返る。
「いや、今の見た!? 好きな食べ物を覚えてる彼女! それを知ってて買ってあげる彼氏! 青春だねぇ!」
「お前、声でけぇんだよ!」
りょうたが慌てて周囲を確認する。
幸い、近くにいた客は商品を選んでいて、三人の会話を気にしていなかった。
あやは、はるの襟元を掴むふりをした。
「お前、ここで秘密バラしたらどうなるか分かってるよな?」
「わー、怖い怖い! でも、俺がいなかったらお前ら、今でも片思いだったかもしれないんだぞ?」
「……それは」
あやが言葉に詰まる。
りょうたも気まずそうに視線を逸らした。
はるは、ここぞとばかりに胸を張った。
「つまり! 俺は恋の恩人!」
「……はいはい」
「感謝の言葉は?」
「ありがとーございましたー」
あやが棒読みで言った。
「心がこもってねぇ!!」
「じゃあ、肉まん奢ってやるよ」
「マジ!?」
はるの目が輝いた。
「一個だけな」
「やったー!」
「……単純だな、こいつ」
りょうたが呆れた。
「お前も何か買ってもらえば?」
あやがりょうたを見る。
「いや、俺はいいよ」
「遠慮すんなって」
「じゃあ……飲み物」
「おう」
あやはりょうたの好きな飲み物を手に取った。
「はい」
「……ありがと」
りょうたが小さく笑う。
またしても、はるの口元が緩んだ。
「おい、はる」
「まだ何も言ってない!」
「顔がうるせぇんだよ!!」
*誰も知らない、三人の関係
会計を済ませた三人は、コンビニの外にあるベンチに腰掛けた。
あやは肉まんを頬張り、りょうたはおにぎりを開ける。
はるは、奢ってもらった肉まんを両手で持っていた。
「……うまっ!」
「よかったな」
「いやー、二人のおかげで今日も幸せだわ」
「肉まん一個で幸せになれるって、人生楽しそうだな」
あやが笑う。
「お前だって、りょうたと付き合えて幸せだろ?」
「ぶっ!?」
あやが肉まんを喉に詰まらせかけた。
「おい、大丈夫か!?」
りょうたが慌てて飲み物を差し出す。
あやは受け取って一口飲み、はるを睨んだ。
「……お前、ほんっと余計なことしか言わねぇな!」
「事実じゃん?」
「そうだけど!」
「認めたー!」
「うるせぇ!!」
りょうたは笑いながら、あやの背中を軽く叩いた。
「ほら、落ち着けって」
「……ん」
あやは少しだけ大人しくなった。
その様子を見ていたはるは、ふと真面目な顔になった。
「……でもさ」
「ん?」
あやが顔を上げる。
「俺、二人が付き合えてよかったと思ってるよ」
いつものふざけた口調ではなかった。
「二人とも、普段は強がるし、言いたいことを素直に言わないだろ。だから、どっちかが一歩踏み出さなかったら、ずっとこのままだったかもしれないし」
りょうたは、少し驚いたようにはるを見た。
あやも黙っていた。
「だから、まあ……幸せになれよ」
はるは照れくさそうに笑った。
「俺がくっつけたんだから、絶対別れるなよー?」
「最後の一言が余計なんだよ!」
あやがはるの肩を叩く。
りょうたも笑った。
「……ありがとな、はる」
「おう!」
はるは嬉しそうに頷いた。
すると、あやがぽつりと呟いた。
「……はるがいなかったら、俺、たぶん告白できてなかった」
「……あや?」
「だから、ありがとな」
今度は、ちゃんと心のこもった声だった。
はるは一瞬固まり、次の瞬間には顔を背けた。
「……っ、やめろよ! そういうの、恥ずいだろ!」
「お前が言わせたんだろ!」
「いや、そうだけど!」
りょうたは笑いながら、あやの隣に座り直した。
そして、二人にだけ聞こえるくらいの声で言った。
「……俺からも、ありがとな。あやと付き合えて、嬉しいから」
あやの耳が、じわじわと赤くなる。
「……お前、そういうの急に言うなよ」
「本当のことだろ?」
「……うるせぇ」
あやは顔を逸らした。
けれど、その口元は笑っていた。
はるは二人を見て、満足そうに頷いた。
「うんうん。俺、いい仕事したわ」
「自画自賛すんな!」
三人の笑い声が、夕暮れの街に響いた。
*翌日、学校にて
翌朝。
卓球部の練習前。
「おはようございます、あや先輩!」
一年生たちが元気よく挨拶する。
「おー、おはよ」
あやはいつも通り返事をした。
そこへ、りょうたとはるもやってきた。
「おはよう、あや」
りょうたが声をかける。
「おう」
「昨日、肉まんうまかったな」
「だろ?」
「また行こうぜ」
「いいぞ」
三人は、ごく自然に会話を交わした。
しかし、それを見ていた一年生たちは、昨日の部長会議を思い出していた。
「……ねえ」
「何?」
「やっぱり、あや先輩とはる先輩とりょうた先輩って、特別仲いいよね?」
「うん。なんか、三人だけ空気が違う気がする……」
「もしかして、幼馴染とか?」
「それなら納得かも!」
一年生たちがひそひそ話していると、みくが近づいてきた。
「何話してんの?」
「えっ!? いや、その……あや先輩たちって、すごく仲いいなって!」
みくは三人を見た。
あやがりょうたの飲み物を勝手に一口飲み、りょうたが「おい、それ俺の!」と文句を言う。
はるはそれを見て笑っている。
みくは、特に不思議そうな顔もせずに言った。
「まあ、あの三人は仲いいよね」
「ですよね!」
「でも、あやとりょうたはよく喧嘩してるよ?」
「えっ!?」
一年生たちが驚く。
みくは首を傾げた。
「昨日も言い合ってたじゃん」
「……確かに」
「まあ、あやは誰とでもあんな感じだから」
みくはそれ以上気にせず、練習の準備へ戻っていった。
一年生たちは、まだ知らない。
あやとりょうたが恋人同士であることも。
はるが二人の恋を取り持った張本人であることも。
そして何より――。
「なあ、りょうた。今日も帰り、コンビニ寄る?」
「いいけど。今度はお前が奢れよ」
「えー、はるに奢ったの俺なのに?」
「俺は昨日、飲み物もらったからいいだろ」
「……じゃあ、今日は俺が奢る!」
はるが勢いよく手を挙げた。
「お前は肉まん食いたいだけだろ!」
「バレた!?」
三人はまた笑い合った。
秘密の恋人と、二人を結びつけたキューピッド。
今日も源中学校では、誰にも知られない三人だけの秘密が続いていく。