こんにちは〜!
今日テストで疲れたー!
ちょいっとっていうか、めっちゃサボってたけどまぁまぁ埋められた!
【第九話 苦しいほどの温かさ】が終わった後にHappy EndとBad Endを書くので、好きな方を見てください!
それでは第九話どうぞ〜
↓↓↓
深夜。月の光のみが辺りを照らす時間。
私はヨコハマの街を歩いていた。
「っ、ゔ……ぁ………うっ…く、っ」
堪らえようとしても、如何しても声がもれる。溢れ出る涙を拭いながら、私は街を歩いた。
孤独を彷徨いながら、子供は涙を流していた。
此れで良かったのだろうか?
あの地獄のような空間から出るのが、最適解だったのだろうか?
最適解………?
そんなもの、もう如何だって佳い。
何故なら私には────何も無いからだ。
***
草原の丘の上に、私は大きな木に背中をもたれながら涙を拭っていた。
『調子は如何ですか?太宰さん』
『元気なら疾く戻って来い。皆心配している』
『太宰さん大丈夫ですか?/皆さん太宰さんの事心配してますわ。ねーお兄様♡/う、ナオミ苦しい……。疾く戻って来て下さいね、皆待ってますよ』
『太宰、何か不具合な処は無いか?/社長ー、喉渇いたから帰りに/後でラムネを買ってやるから今は少し静かにしていろ。他の患者も居る/…………はぁい/疾く戻って来い。皆お前を心配している』
『今日自宅前の畑でこれくらいの大根を収穫したんです!太宰さんが戻って来たらお裾分けしに行きますね!』
『皆、貴方の事心配してる。………敦、何時も貴方の席見てる。疾く戻って来て、私もその方が何時も通りで楽しい…』
『調子は如何だい、太宰?少しでも体調に異変を感じたら云うんだよ?溜め込んでたら意味が無い。皆アンタが戻って来るのを待ってるんだからねェ』
「………………嘘ばっかり」
皆の言葉を聞いて、顔を見て、話して、其の日の夜。私は何度も発狂しかけた。
一緒にしないでよ。
私はもう人間じゃないんだから。
そんな事を云っておきながら、皆から「お前は人間じゃない」と云われ遠ざけられるのに、酷く私は恐怖している。
何があっても、自虐的な考えしか浮かばない。
あぁ………死にたい。
そんな事を思っても、死ぬ事ができない。
殺してよ。
この苦しみから開放させてよ。
ねぇ、誰か。誰か………。
『何時か噛み殺してやる』
ははっ……結局君も、私から離れて行ったじゃないか。
私を置いてきぼりにして、独りぼっちに、したじゃあないか。
酷いよ。
嘘付き。
大嫌い。
だのに─────
襯衣の胸元を握り締める。
そんな君しか、私のこの空っぽの穴を埋められないんだ。
ほんと、大っ嫌い。
大嫌いだから………………………疾く来てよ。
何時もみたいにさ。
犬みたいにきゃんきゃん吠えて、死なすって云って来てよ。
何時もみたいに、何時も通りに。
「っ………」
あの温もりを「信頼」と呼んでも佳いのなら。
私の傍に居て。
中也。
たとえどんな事があっても、信頼されたい信頼したいと思ってしまっている。
赤の他人でもない。友人でもない。かと云ってそれ以上の存在でもない。
「信頼」できる相棒だ。
その関係が、何処か心地良かった。過ごしやすかった。
気が付いたら、もう何年も時が過ぎてしまっているもの。
あの「信頼」に起こる楽しさと温もりと清らかさが、私を道化以外で人間に近付けてくれる。
「う、あ……ぁ………く、ぅ……っ…」
腕で目を擦り、離した瞬間。
「─────太宰?」
中也が、目を丸くして私の名を呼んだ。
その深く記憶された声は、私の耳に酷く響いた。
「っ……」
背中を曲げ、腕で顔を隠す。
「…見ない、でよ……」
嗚呼、本当に最悪だ。
「見ないで……」
もう何もかもに疲れた。
「ぅ、っ……見ない、でっ………」
いっその事、君に「殺して」と頼んでみようかな。
そうしたら君は──────バサッ
「____…ぇ」
何かが私を包み込んだ。
優しくて柔らかくて、温かい何か。
中也が、私に外套を羽織らせたのだ。そして、優しく帽子をかぶせる。
「見ないどいてやるから、もう、全部吐き出せ」
そう云って、彼は隣りに座った。
「っ……うぅ、ぁ………」
本当に、何で何時もこう云うタイミングで来るの?君はさぁ。
君は酷いよ。
苦しいほどの温かさを私に与えるのだから。
「ぁ、っ……」
ぼろぼろと涙が零れる。
ほんと─────大嫌いだよ。
【苦しいほどの温かさを私に。】
コメント
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最高すぎますッ 太宰さん報われてほしい... 続き、楽しみにしてます!