ピピピピッ
カーテン越しの朝日に照らされた部屋に響くアラーム音
鬱陶しそうに顔を顰めてそれを止める彼
半裸の彼には秋風は寒いようでアラームを止めてすぐ毛布の中で縮こまった
バサッとズレた毛布に私まで寒くなり、彼のお腹に腕を回した
少し冷たい彼のお腹
ひんやりした感触に熱を送り込むようぎゅっと抱いた
ふと目が覚めた今、回した腕はいつの間にか外れて、温もりも無くなっていた
いつもの事とは知っていても喪失感は拭えない
彼が頭を置いていた枕には律儀に私の服が畳まれている
ぼーっとしている頭でそれを掴む
少し彼の匂いがする
ただそれだけで悲しくなるのはわたしのいけないとこ
けど、あなたが出る時そっと頭を撫でていくのを知ってる
慈しむような目線を送っているのも
感情を表さないあなたが優しい顔になる瞬間も
それは私のものでは無い
それでも、それだから。
今の一瞬を大切にできるの