「戦争は、終わらない。必ず繰り返す。」
2098年、第三次世界大戦から30年が経ち、世界は、これまでとは比較にならない速度で発展していた。新エネルギー源【クラウン】、太平洋を0.13 秒で横断する弾道ミサイル、2000ミリはある超複合装甲を持つミサイル巡洋戦艦、、
数えきれないほどの新兵器。これによって、先進国は発展途上国に対しての、圧倒的なまでの権力を有することになったことも、第三次世界大戦以前の世界との違いだな。
ちなみに、自衛隊は健在だ。第三次世界大戦時には、長崎を攻めたイギリス軍に対し、護衛艦四隻が奮戦し、見事撃退した。ドイツに派遣された時は、迫撃砲での間接支援や自走砲での後方支援も行ったな。
自己紹介が遅れた。
俺は陸上自衛隊、第四十六機甲師団所属の、分隊【スズメバチ】分隊長、鈴矢藤郎二等陸尉だ。隊員は5人しかいないが、特別分隊として認められている。だから、班じゃ出来ない作戦はこっちに回されることが多いんだ。人数が少ないから、隊員との仲も悪くない。だけどよ、一応分隊長なんだぜ?それなのに、うちの隊員ときたら「あんたおじさん臭い」とか、「先輩って、ちょっと古臭いですよね」とか、ひどいと思わないか!?
、、まあいいんだけどな。いつもの事だし、きっと本気で言ってるわけじゃ無い。あいつらも、根はいい奴らなんだ。
大「先輩、どうかしましたか?」
鈴「いや、なんでも無い」
こいつは大峯蓮(オオミネ レン)、階級は二等陸曹。24歳っつー俺の分隊で一番若いやつなんだが、この年で陸曹なんだから、すげえやつだけどな。
大「そういえば、先輩は聞きました?今回の召集理由」
鈴「確かに、なんでだろうな。スズメバチだけ召集喰らうなんて、、なんかしたか?」
大「いや、してないですよ、、」
そうこうしているうちに、呼び出した佐官、楽(ガク)一等陸佐の部屋に着いた。部屋と言っても、事務室だが。
コンコンコン
鈴「第四十六機甲師団分隊雀蜂、分隊長鈴矢、隊員大峯、入室しまーす」
カチャ、
袖「遅えええ!!!」
鈴「あだっっ!」
大「えっ!?」
コイツ殴りやがった!
鈴「袖染(ソデソメ)!!やりやがったな!」
袖「あんたが遅いんでしょうが!何分遅れだと思ってんの!?」
鈴「えっと、、15分?」
袖「遅えよ!」
楽「、、なあ」
鈴「いーだろうが15分くらい!腹下してたんだよ!」
楽「なあ」
袖「腹下してても15分はないでしょ!かかりすぎよ!」
楽「おい」
鈴「そのくらいかかるだろうが!」
楽『おいっつってんだろうが!!!!!』
袖 鈴「「すっすみません!!!」」
楽陸佐の声が、部屋中に響き渡る。いや、こりゃ廊下まで響いたな、、
楽「鈴矢!袖染!レンジャー訓練、もう一回してもいいんだぞ!」
袖「ちょっ、待ってください!悪いのは鈴
矢、、」
ええ!?そんなわけねえだろ!?
楽「ほう?」
袖「あっ、いえ、私も悪いです、、」
流石の袖染も、楽さんには敵わないようだな。焦ったー。
袖染舞歌(ソデソメ マイカ)は、うちの隊員の1人で、一等陸曹なんだが、、この通り気性が荒いんだよな。
伊「まあ、2人とも悪気は無いみたいですし、許してやってください」
楽「だがな、、」
伊「どうせコイツら反省しないですし、ね?」
楽「、、仕方あるまい、伊田に免じて許してやるが、次は無いと思え!」
袖 鈴「「了解しました!!」」
伊田のおかげで助かった。伊田道隆(イダ ミチチカ)も、スズメバチの隊員で、特別三等陸尉の褐色男。特別って言うのは、三等陸尉相当の戦果を上げたんだが、あくまでまぐれだったから、三等陸尉では無いがそれに近い階級を貰ったってことらしい。だが、皆と変わらない実力は持っているから、コネとかそう言うのでは無い。
上「陸佐、早く召集の理由を教えてください。あいつらはほっといていいので」
彼女は上根静(カミネ シズカ)。彼女もうちの隊員で一等陸曹。しかも2年前まで特殊作戦群にいたらしいトンデモ女子なんだが、流石に詳細は話してくれなかった。
楽「そうだな、こんな奴らはほっといて、本題に入ろう。今回は分隊スズメバチのみの戦地派遣であり、最高機密作戦でもある。諸君らには、160年前の日本、つまり、第二次世界大戦直前の大日本帝国に行ってもらう」
鈴「、、は?」
160年前に、、行くだって?
袖「すみません、言ってる意味がわからないんですが」
楽「防衛装備庁特別科学研究班が、以前より研究されていたクラウンを用いた実験によって、超圧力空間湾曲磁気物体転送装置、広く言えば、タイムマシンを完成させたのだ。」
伊「冗談では無いんですね?」
楽「ああ冗談ではない。作戦目的は、第二次世界大戦における大日本帝国の敗北阻止、また、戦艦大和の主砲である四十五口径九四式四十センチ三連装砲の技術データ収集である。」
大「あの、、大和って確か、1937年起工でしたよね?160年前は1938年のはずです。完成してないと思うのですが、、」
楽「確かにそうだ。故に、今回の作戦では大戦敗北を阻止しつつ、大和建造を成し遂げなければならない」
鈴「こりゃまた難しいことを、、」
楽「現地での行動には基本的に制限は設けられていない。だが、非人道的行為は禁止する」
袖「質問宜しいですか?」
楽「いいだろう」
袖「現代兵器は持ち込んでいいんですよね?あと、どこまでなら持っていけますか?」
確かに、そこは気になるところ
楽「もちろん持ち込んでいいぞ。分隊全体で、クラウン関係の兵器は大型は一つ、小型から中型は10個までだ。クラウンを使用しない現代兵器は、戦車、装輪戦車、自走砲含め一車両、迫撃砲2機まで、対戦車兵器は、HEAT-Rのみ、小銃や機関銃に関しては、詳細資料を見てくれ」
上「かなり制限されていますね。これでは作戦遂行に支障があるように思えるのですが、、」
楽「大丈夫だ。何も、帰ってこれないわけでは無い。定期的にそちら側に門を繋げるから、そこで補給もできる」
鈴「、、何故俺たちだけなんですか?」
楽「それは、お前たちがあの【奇跡の生還者】だからだ」
、、、
楽「もう質問はないな。各自戻って休め。作戦は明日の午前6時からだ。遅れないように」
大「先輩、なんだか凄いことになりましたね、、」
鈴「ああ、そうだな、、タイムマシンだなんて、いまだに信じられない」
だが、命令された以上、やり遂げるしか無いだろう。
部屋に戻ると、内容が内容だったからか、すぐに眠くなってしまった。明日は作戦だ、、気を引き締めよう、、、
次の日、作戦の為に地下機密実験室に呼ばれた俺たちは、信じられないような光景を目にすることになる。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます😭
文章におかしいところなどありましたら、コメントで教えてください!修正します!(時間帯によっては気づかない事もあります。ご了承ください。)
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