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28 - tnem

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2024年10月23日

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皆さん好きな季節はいつでしょうか?

作者はダントツ秋ですね!

台風とかは勘弁して欲しいですけどそれ以外は100点満点です。紅葉綺麗ですよね。

春も好きなんですけど何かと忙しかったりもうちょいで夏が来ると思うと憂鬱になるんですよ。

夏は論外です(夏生まれ)


今回は最近急に寒くなったなって事で、冬が苦手な書記長と冬が好きな参謀長のお話です。




では、どうぞ……











































tnem【あたたかな冬】



昔から冬が苦手だった。


だって冬は…寒さは全てを奪ってしまうから。


雪崩に家をのみ込まれて、家と同時に父も失った。

辛うじて俺と母は生き残ったが、体が弱かった母は冬の寒さに耐えられず命を落とした。



冬は俺の大切なモノも

全部、ぜんぶ

奪ってしまう。



もしかしたら

『アイツ』も…


















ハッと、目が覚めた。

心臓の音が五月蝿い。汗で服が身体に張り付いて気持ちが悪い。

最近寒くなって来たから、あんな夢を見たんだろう。


時計の針は真上と右下を指している。



汗を拭おうとして、自分の腕の中に何かがあることに気付く。

少し目線を落とせば、サラサラとした亜麻色の髪が目に入った。


嗚呼……そう言えば昨日、三徹キメてたのを見抜かれて散々渋った末に一緒に寝たんだった。



腕の中ですぅすぅと寝息を立て眠っている恋人…エーミールを見た途端、何となく安心して、ぎゅう…と抱き締めてみる。





「……ん…」


「…ふはっ……警戒心無さすぎやろ…」





















エーミールは冬が好きだと言っていた。



冬の澄み切った空気が好き

冬の高い宙が好き

冬の一等輝く月や星が好き

冬の寒い日に飲む珈琲や紅茶が好き



冬に、こうして俺とくっついて眠るのが好き




そう言っていた。









「ぬくいなぁ…エミさんは……」









エミさんが軍に来た年の冬、徹夜続きで疲れ果てていた俺を、エミさんが天体観測に連れ出してくれた事があった。



その時初めて

冬の宙の高さを知った。

月や星があんなに輝く事を知った。


思わず魅入っていたら、エーミールが





「ね、綺麗でしょう?」





と言って笑った。





その時のエーミールの笑顔が、宙に輝く月や星よりも、ずっと眩しくて…綺麗で


はぐれないようにと繋いでいたエーミールの手が、泣きそうなくらい……あたたかくて





「……うん…きれい」


「…めっちゃ…綺麗やわ……」





あんなに苦手だった雪が降っても、全く気にならない程に


俺はその輝に夢中だった。






「…なつかしいなぁ……」





思い出していたら、急に眠たくなってきた。


もう少し寝てしまおう。


しばらくすればきっと、エーミールが起こしてくれるだろうから























もうすぐ、苦手だった冬が来る。


でも、アイツと過ごす冬なら

何よりも愛おしい時間になるから



だから、もう


大丈夫。












絶対に

奪わせなんてしないから































はい。いかがでしたでしょうか。


最近ちょっとネタ切れ気味なので、なんかしらリクエストあればコメントよろしくお願いします!

今まで書いてるcpとかでも全部大丈夫なので。




それでは、また次の作品で……






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