テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

死んだ颯真は『死者面談室』に通された。

真っ白な部屋を予想していたが、明るくてカラフルな部屋だった。


(目がチカチカするなぁ。威厳が無いで)

(そやけど、急に胸が苦しなって、あっというまに死ぬなんて)

(香帆もビックリしたやろなぁ。泣いてるやろなぁ)

いろいろ考えながら待っていると、


「お待たせしました」

スタッフが現れた。

天使を予想していたが、事務服を着た30歳くらいの女性だった。

「もう、銀行員やん」


「三途川《さずかわ》と申します。先日は御愁傷様でした」

三途川は深く頭を下げたあと、にっこり笑って颯真を見た。


「おめでとうございます」

「は?」


「佐山颯真さんの天国行きが決定しました」

「あ、そうなんや」

「天国に行ける人は、67%です」

「案外多いやん」

「いえいえ、三人に一人は地獄行きですから」

「あぁ、そうか」

「天国行きの方には特典がございます。1つお選びください」


特典①は、生まれ変わる『もの』を指定できる権利。

「一番人気は人間ですが、パンダとコアラも希望者が多いです」


特典②は、生まれ変わらないこと、を希望する権利。

「人間社会に愛想を尽かして、ずっと天国に居たい人が希望します」


特典③は、死ぬ直前の30分を動画で観る権利。

「自分がどう死んだか知りたい。家族の姿や様子を見たい人が希望します」


颯真は質問した。

「③を選んだら、生まれ変わりはどうなんの?」


「いつ、何に、生まれ変わるか未定です」

「明日、蛇に、とかもあり?」

「十分ありえます」

「それは嫌やなぁ」

「ですが前世の記憶はありませんから、蛇として普通に生きられます」

「ふ~ん……」


何に生まれ変わっても、今の記憶は無くなる。

佐山颯真という人間は消える。ということは……、


「俺③にするわ。めっちゃ呆気のう死んだし、香帆の顔も見たいし」


「はい。かしこまりました。動画の準備を致します」

床からリクライニング・チェアーが出てきた。

颯真が座ると、目の前に50インチのモニターが現れた。


「あ、あの店や」

颯真が倒れたカフェが映った。


動画には音声もある。店のBGMまで聞こえる。

懐かしそうに観ていた颯真だが、


「え? なんや?」


颯真は、食い入るように動画を睨んだ。

loading

この作品はいかがでしたか?

32

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚