テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
〔第3章〕
〔ここまで来てみろよ〜!〕
〔おーい ! 足早いって !笑笑〕
外では男子がふざけ合う声が響く 。
そんな声が聞こえる中 .私はただ
部屋でじっとしているだけ
近隣に小学校があり 、
私と依穏〈いより〉の母校でもあるので
顔見知りの先生に見掛けられるたび
声かけられることが多い 。
〔ねぇ 、 夏穏〈かおん〉。〕
どこからか聞こえた母の声に微かに体震わせて
母の方へと顔を向ける 。
目が見えないので
おそらく位置は違うだろうけど。
〔進路、どうするの?〕
「…盲学校じゃなくて 、
普通の同じ高校に行きたい 。」
盲学校とは、
私のような盲目を持った人が通う学校 。
私は 、目が見えなくても
普通の学校には行けるから 。
母にはそう言い続けてきた
母はちょっと困ってたみたいだけれど
依穏〈いより〉とは離れたくない
そんな思いがあまりにも強かった
そう 、自分でも驚くくらいに
とても、強かった 。
母が私に叱る時は
少し胸が苦しくなってるような 、
少しだけしんどい思いしてるような 、
そんな声色だ 。
なぜ人間には必ず不幸が訪れるのか 。
なぜ人には幸せが存在しないのか
毎日毎日夫婦喧嘩を聞いて
私はなんで辛くないのか
自分でもわかっている 。
〝聞き慣れた〟からだ 。
私はもう平気
私はもう聞き慣れた
そう自分に言い聞かせ続けたからだ
依穏〈いより〉にはもちろん心配されるが
これは幸せな事だと思って
我慢し無理やり耳に入れた 。
〈どうしてあなたは …!〉
〈うるせぇ ! そもそもなんであいつらを産んだんだよ !〉
〈仕方ないじゃない 、!せっかく出来た子供なんだもの !!〉
なんていう喧嘩を毎日のように耳に入れてる
息苦しくて
たまらない 。
なぜ、人には
必ず幸せが訪れないのだろうか
そもそも誰が決めたのだろうか
総理大臣 ?
国民 ?
それとも 、関係すらない人 ?
私には難しくて
嫌になる
神様 、お願い
どうか 、どうか 。
人に幸せが訪れるように
〝この国〟 を変えてください
お願い 。
みんなが幸せと思える世界を
みんなが幸せと思える時代を
誰もが不幸を感じない世界へ
変えてください 。
〈3章end _ 4章へと続く〉
コメント
3件
お父さんが思ったよりダメそう その、目が見えなくてコミュニケーションが上手く取れずすれ違いが重なった結果なのかなと思ったんだけど複数形ってことは妹さんも邪険にしてるのかな。いかんせんずっとこれ聞いてるであろう妹さんもしんどいし勿論夏穏さんもしんどいし お母様も浮かばれないね
ほんとに投稿するの早いし凄すぎるよッ…🫶 親の喧嘩に慣れたというよりそう言い聞かせてるって感じ辛😭 けど最高✨️ 続きまってるね!!
もうね、こんな頻度であげれるってすごいと思うのあたし とにかく好き もう お願いだからそこの姉妹は幸せになってくれ お母さんも幸せになってくれ 父親は地獄に落ちてくれ