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もちろん、学内だけではなく、他校からもファンが押し寄せ、電車や道端で何度も告白され、モデルなどのスカウトもしょっちゅうで……その人気はとどまるところを知らなかった。
高校を卒業してからは、みんな大学がバラバラになったけれど、月に1度は必ずバスケ部の仲の良いメンバーで集まっていた。
高校時代に拍車をかけて、会うたびに男性としての魅力を増していく龍聖君。その変化を間近で見て、いつも1人でドキドキしていた。
髪型は、基本、緩めのパーマがアンニュイな雰囲気を醸し出すクラウドマッシュ。前髪が少し長めなのがまたセクシーだ。たまに少しウェットなオールバック風にする時は、クールで男っぽく、ワイルドな感じになる。
どんな時も、何をしていても、その魅力はこぼれ落ちそうなくらいに溢れ出していて、いつだってとても眩しくて輝いていた。
そして、龍聖君のもう1つのアピールポイントは、世界中に最高級ホテルを展開する鳳条グループの御曹司であるということ――
「ホテル リベルテ」
その名を知らない人は、世界中、どこにもいないだろう。
「ホテル リベルテ 東京」「ホテル リベルテ シンガポール」「ホテル リベルテ パリ」など、様々な主要都市でその豪華な姿を見せつけていて、世界中の要人や有名芸能人も愛用するホテルだ。
「リベルテ」とはフランス語で「自由」という意味らしく、「自由に優雅な時間と空間を使っていただきたい」……との思いが込められていると龍聖君に聞いたことがある。
鳳条グループといえば、今やホテル経営だけじゃなく、幅広い業種に携わっている超巨大企業だ。そんなすごい家系に生まれても、龍聖君は自分からそれをアピールするわけではなく、騒ぐのはいつも周りにいる人達だった。
誰と比べてもレベル違いの龍聖君なのに、女子にモテても、スカウトされても、それらを全て断っていた。それがなぜだか知る由もなかったけれど、私はただ、龍聖君と一緒にいるだけで、心の底から楽しくて、嬉しかった。