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休日が終わり、月曜日になった。私はまだ布団の中のいる。布団の中で高校を休む方法を考える。
(「熱があったから」が一番定番だけど、絶対にバレるもんな。いじめられてることを伝えてみるのもいいかもしれない。…いや、ダメだ。私にはそんな勇気がない。)
黙々と考えていると、スワンがドアをノックした。
「マリー様、朝食ができました。」
「はい。」
私は返事をしてベッドから起き上がろうとした。しかし、身体が動かない。
「マリー様?」
「あ、えっと…。」
私は頭をフル回転させた。
「まだお腹空いてないみたいで…。」
「そうですか。では、お腹がすいたら降りてきてくださいね。」
そう言って、スワンは去っていった。私は深くため息をついた。どんどん時間が経っていく。
(どうしよう、もう高校行く時間になっちゃった…。 )
私がそう思っていた時、ドア越しで父が私の名前を優しく呼んだ。
「マリー、体調でも悪いのか。」
私はなにも言わなかった。いや、なにも言えなかった。喉がきつく締まり、声が出せなかった。
「マリー、鍵を開けてくれないか。」
私は布団の中で耳を塞いだ。
(ごめんなさい。ごめんなさい…。)
「…高校には電話しておくから、しっかり休みなさい。」
そう言って、父はドアから離れた。私は深くため息を着いた。罪悪感が私の身体を更に重くした。
「…あれ、今、何時だろう…。」
知らない間に眠っていた私は、スマホの電源をつけて時計を確認する。すると、午後の6時だった。
「う、嘘…っ。あ、頭痛い…。」
私は頭を抱えてベッドから起き上がる。暗い部屋に夕陽の光がふんわりと広がる。
(…明日は、行かなくちゃいけないよね。)
「マリー様、夕食ができましたよ。」
「あっ、…はい。」
私はスワンの声に気付き、ベッドから立ち上がる。階段をぺたぺたと降りていく。
(部屋から出たの久々な感じがする。)
食卓につくと、そこにはきつねうどんが置かれていた。
「ロワンソン様からマリー様の体調が悪いとお聞きしましたので、食べやすいうどんにしてみました。」
その言葉を聞いた瞬間、私の胸がきゅうっと痛む。
「あ、ありがとう。」
今日の夕飯は、味がしなかった。
ー続くー
ご視聴いただきありがとうございました。