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午後4時半、何とか亜里砂さんの宿題は片付いた。
「今日は流石に疲れたのだ」
おやつのライスプディングを食べながら、亜里砂さんがそうぼやく。
「でも亜里砂、彩香と悠には感謝しておけよ。休み1日潰して、宿題に付き合わせたんだから」
「自分の復習にもなるから、いいですけれどね」
A組は宿題がないから、自分の見直しのためにも、いい機会だったかもしれない。
「それに亜里砂、だいぶ出来るようになってるよ。これなら1月から2月にかけての、色々なテストも安心だね」
それは僕も感じた。
確かに夏頃に比べると、段違いに出来るようになっている。
「ふふふふふ、私も進化しているのだ」
「努力しないとアウトらしいけれどな。おみくじによると」
川俣先輩が、さらっと釘を刺した。
でも大丈夫。
「どうせ、試験休みで未亜さんが勉強会をやると思うよ」
僕の思っていた事を、彩香さんが言う。
試験休みとは、この学校の入試に伴う休みのことだ。
成人の日がある1週間は、入試のため学校は休み。
教室がある校舎への立ち入りも、生徒は禁止。
ただ図書館とか厚生棟はやっている、という状態だ。
「ところで明日の午前中には、美洋と未亜が帰ってくるそうだ。だから七草採取は、明日のお昼過ぎから実施予定だ」
「鬼が帰ってくる前に、間に合ったのだ」
おいおい、亜里砂さん。
冗談で鬼と言っているのはわかるけれど。
「ところで明日は、どんな所を探すんですか」
「セリはまあ、川の上流方向にいくらでも生えている。他は学校前の川端で、日の当たる場所を探していく事になるかな。本当は田んぼの畦道なんかが、栄養価も高くていいらしいけれど、この辺、田んぼはないしな」
「あと、粥だけでは寂しいので、持ち寄り用おかずを買いに行くのだ」
「そうだな。メインは粥だから、それに合ったおかずを各自用意しよう」
粥に合うおかずか。
難しいな。
「さて、そろそろ片付けるか。午後5時終了だし」
そんな訳で、勉強道具一式や、紙皿やコップ等を片付ける。
「本当は試験休みで、この前の雪山みたいなところに行きたいけれどね」
「先生は試験休みでも仕事だから、無理だよな」
試験期間中の先生は、忙しいらしいし。
「でも釣りには寒いし、ポタリングには風が強いしなのだ」
確かに、そうなんだよな。
「まあ、その時はその時で何か考えよう。ん、待てよ」
先輩が、何か思いついたようだ。
「そう言えば、亜里砂がキャンプ道具を色々揃えたらしいけれど、試していないよな」
そう言えば、色々もらったとは聞いたな。
「そうなのだ。いずれ、どこかでデビュー戦をしたいのだ」
「その前に、休みを使って試し運用をしてみないか。テントからバーナーから、色々あるらしいし」
「望むところなのだ!」
即答。
「まあ、まずは学校が始まったら、放課後に準備室に持ってきて、先生に一通り確認してもらおう。それから、どんな活動が出来るか考えてみればいい」
なるほど。
先生の装備とはまた違う方向のようだし、楽しみだ。