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翌日の6日、午後1時。
久しぶりに野遊び部の全員が揃った。
美洋さんと未亜さんが帰ってきた訳だ。
「今朝の新幹線で帰ってきました。実家は行事ばかりで、疲れましたわ」
「5日まで色々行事が詰まっていたのですよ。やっと逃げてきたのです」
古い名家だと、色々あるようだ。
「なら今日は、休んでいた方が良かったんじゃないか」
「とんでもないのです!」
未亜さんが、そう強く言う。
「そうでなくても、スマホから楽しそうな活動が色々流れてきたのです」
「せめて冬休みの最後の行事くらいは、参加したいですから」
美洋さんも同意見の模様。
そんな訳で、全員で七草探しが始まる。
学校前の林道を、川に沿って歩く。
簡単なのがナズナ、つまりペンペン草だ。
形が特徴的だし、あちこちに生えている。
「今回採るのは、七草限定?」
「食べられるものは、何でも採った方が面白いかな」
「なら、このタンポポも採るのだ」
早くも脱線したが、まあいいか。
僕はそう思ったのだけれど。
「甘いな。実はそれ、こそホトケノザことタビラコだ。同じキク科だし、広がった葉っぱも一見似ているけれどさ。
よく見ると、葉っぱの切れ込みが丸くて深いだろ。まあ、花があればもっとわかりやすいんだけれどさ」
そんな感じで、早くも2種目目。
さらに。
「この白っぽいのは、ハハコグサだよね」
彩香さんが発見。
これはわかりやすいな。
ちょっと緑色が白っぽくて、柔らかそうな感じだ。
付近のナズナ、タビラコをそこそこの量キープして、次へ。
「悔しいから、本物のタンポポも採るのだ」
違うものを1種類追加。
「あとはセリとハコベか。セリはこの先に生えているな。水の中だけれどさ」
その後、しばらくは日陰で、いまいちな場所が続く。
そして道路の橋をくぐった先、ちょっと日の当たる草地っぽいところへ。
ここは色々と生えているので、採取しまくる。
そして、ついに斜面際のところで、探している小さな葉っぱを発見。
「ハコベ発見! 結構あります」
「容赦なくキープしよう。この辺は雑草扱いだし、問題ないだろ」
という訳で、色々合わせて、スーパーの大きい白い袋、半分位になった。
「さて、セリを採るか。あれはこの辺だったよな」
先輩は、川の方へ歩いて行く。
やはり日が当たって、川がちょっと蛇行している辺り。
それらしい草が、確かに生えていた。
「さて問題。ここにはセリとドクゼリ、両方が生えている。違いがわかるかな」
「うーん、大きくて食べ応えありそうな、こっちなのだ!」
亜里砂さんが1本採る。
ちょっと水面に、油のようなものが浮いたのが見えた。
そういう事は。
「ブブー。亜里砂は中毒だな。正解はこっち。葉っぱと茎の関係を、よく見てみればわかるだろ。
葉柄の長い方が食べちゃダメな奴だ。ここは両方生えているから、よく見て違いを憶えておけばいい」
そんな訳で、有り難く自然のセリをいただく。
「流石に、水が冷たいね」
「ほどほど程度に採って、残しておこう」
いくつか採取して終了。
あとは、大根とカブを含めて、買い出しだ。
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