最近、目黒の様子がおかしい…
前は、向こうから誘って来る事もあったのに…
この頃は俺が誘っても【仕事が忙しい…】と言って断って来る
『アイツの仕事が忙しいのは、今に始まった事じゃ無いだろうに…』
以前【俺に覚えていて欲しいと】告げたのは、やはり…その場の雰囲気に流されただけだったのか…?
ついに飽きられたのかと…覚悟していた筈なのに、胸の奥がズキリと痛む…
『俺って、単純…』
自分の愚かさに笑いが込み上げて来て、俺は向井を誘ってホテルへ向かった
◇◆◇◆
「ねぇ、しょっぴー…ちゃんと俺に集中してよ…」
不満そうな声が、聞こえて来る
「………」
いくら集中しようとしてみても、何故だか目黒の事が頭をよぎり離れない…
『俺が、何かやらかしたのか?』
その理由が何か分からない以上、改善したくても何をすれば良いのかが分からず
ただ悶々と、悩み続ける事しか出来なかった…
「あっ…悪い。他事考えてた…」
隠してもしょうがないと、渡辺は素直に謝罪した
「そんなん嫌や…」
「嫌やって、言われても…」
「だって、俺達付き合うてるんやろ?」
向井の言葉に耳を疑う…
どうして、そんな事になっているのか?
一度話し合う必要があると、渡辺は考え始めていた
◇◆◇◆
「なぁ康二…俺達は付き合ってない」
向井の家で事を済ませた後、コーヒーを飲みながら話をする…
「えっ!キスもしたし…SEXだってしたやろ?」
向井の中では【体の関係がある🟰付き合っている】という構図が出来上がっていたらしい…
確かに一般の恋愛においては…体の繋がりが先行しなければ、それが一般の認識なのかも知れない
けれど俺達がしているのは、ただのストレス発散で…
「身体だけの関係?」
「そう」
「それってセフレってやつ?」
【セックスフレンド】そう言われれば、その言葉が1番しっくりと来るのかも知れない…
今まで、この関係に名前を付け様と思った事が無く…
改めて考えてみると、他に当てはまる言葉も出て来ない
「え〜俺、しょっぴーの事好きやったのに…」
ガッカリした顔をする向井に
「誤解させてたみたいで悪いけど…。辛いなら、この関係は…やめた方が良いと思う」
お互いに楽しむ為のモノなのに…それが負担になっては元も子もない
「それも嫌や…。俺、しょっぴーに触りたいもん…」
そう言った向井は、渡辺に抱き付き
「なぁ…もう一回、しよ…」
甘える様に囁いて、渡辺を床に組み敷きキスをした
「全く…」
どうして俺は、この男に弱いのか…
求められると強くも言えず、渡辺はもう一度…向井を受け入れたのだった
コメント
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本当に好きです😍毎回読んでいてお礼を言わずにはいられないです!
