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第2話
あれから1週間がたった
特に病気になることも無く、本人も健康体で
いつもの筋トレをしていたが
俺はある事に気づき、兄に聞いてみた
「なぁ…兄さん…花の色…少しピンクっぽくないか?」
そう、兄の片目に咲いた花は日に日に薄い色になっているのだ
最初は真っ赤だったのに、今じゃピンクのグラデーションがかかっている
「なんだこれ!?かっけぇぇ!」
鏡を急いで見に行った兄は変わらずいつものままだ
「なぁ、ヴェスト!これ坊ちゃんにも自慢してやろうぜ!」
「やめとけ…気味悪がられて終わりだ」
そう言う兄に俺は冷たく返す
いつもの会話のはずなのに
兄の片目の花が気になってしょうがない
「兄さん」
「…ん?どうした、ヴェスト?」
勇気を出し、兄に言ってみることにした
「検査…してみないか?」
「原因不明…?」
嫌々言う兄を無理やり連れてきたのに
医者から告げられたのはこれだけだった
「原因がないなら、なぜこんな事になるんだ!?」
俺はつい、大声を出し、怒鳴って、医者の胸ぐらを掴んでしまった
「ヴェスト…少し落ち着けよ、俺様は元気だって言ってんだろ?」
すぐに兄が止めてくれたが、俺は心配でたまらなく、色んな病院を回った
なのにどこも
なぜ、分からない?なぜ何処にも載ってない?
なぜ誰も助けようとしない?
でも俺は何もしてやれない
今までしてくれてきた兄に
なんにも恩返しができない
「ヴェスト…もういいぜ?俺…元気だからよ?」
元気とかじゃない
その片目に咲いてるのはどんどん色が変わってる
なぁ、兄さん、俺頑張るから
頑張って見つけるから
死なないでくれ