テラーノベル
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『秘密兵器を買ったぞ!』
千歳(朝霧の忌み子のすがた)がAmazonからの箱を受け取って、浮かれている。
「どうしたの?」
『ハンドブレンダー買った。これでポタージュとかスムージーとかいろいろ作れる』
え、毎日のご飯絡みの品か。千歳だけにお金出させるの悪いな。
「半分出そうか? いくら?」
そう聞いたが、千歳は首を横に振った。
『いや、ワシがいろいろ作ってみたかっただけだからいい。とりあえず、じゃがいもの冷製ポタージュ作る』
「ヴィシソワーズってやつ? おいしそう」
『結構いろんなのでポタージュ作れるから、食いたいのあったら作ってやる』
「え、どうしようかな……かぼちゃポタージュ好きだし……にんじんポタージュもおいしそうだし……」
どっちも給食で知った味だ。どっちも大好きだったんだよな、まあ俺横浜育ちだから、小学校までしか給食なかったんだけどさ。
千歳は笑った。
『じゃ、その辺もそのうち作ってやる。あと、カレーも、玉ねぎとかトマトとか粉砕して作ったらうまいらしいから、それもそのうち作る』
「わー、ありがとう」
そんなこんなで、ヴィシソワーズが夕飯に出た。コクがあって、でも口の中でサラッと溶けるポタージュを口にして、俺は驚いた。
「なんか、じゃがいもの香りが濃くておいしい! 作りたてってこんな違うんだ!」
インスタントスープくらいでしかじゃがいもポタージュなんて食べたことないからなあ、手作りの作りたてってぜんぜん違うんだ。
『ワシ、まあまあやるだろ?』
千歳は得意げにした。
「本当においしい、千歳にブレンダーって、鬼に金棒だね」
『ガスパチョっていうのもうまいらしいんだよな』
「どんなスープ?」
『トマトとキュウリとピーマンと玉ねぎをあわせて細かくした冷たいスープ』
「おー、夏によさそう」
『星野さんに夏野菜よくもらうから、これも作るか』
「楽しみにしてる」
俺はまたヴィシソワーズを口にした。こんな豊かな食生活を毎日送れてる男もそういないだろうな。ありがたいな……。
千歳と毎日こんなふうに、穏やかに過ごせればそれが一番なんだけど、千歳の願いは違うんだよね。どうすればいいのか。こんな人と一緒に暮らしてたら、もう他の人と結婚して子供作るとか、できないよ、俺。
#幽霊
凛道桜嵐 新
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がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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コメント
1件
うわあ、めっちゃほっこりしました……🥀🤍 ヴィシソワーズ、作りたてってこんなに違うんだって、主人公が驚くところ、すごく伝わってきた。千歳が得意げなのも可愛いし、最後の「もう他の人と結婚できない」っていう独白が、穏やかな日常の裏にある切なさを一気に引き締めてて…。 美味しそうなスープに、じんわりくる感情の温度差がたまらなかったです。また続き読みたいな。