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???「そういえば私たちが入学する前、人間と妖怪の間で派閥があったんですよね?」???「あぁ〜アタシたちが、一年生の時の話でしょ?」

???「あの時は、雨花が「黒い彼岸花」って言われてた時だな」

???「あぁ……やっぱりあいつ荒れてた時期あったんだ……」


ここは、生徒会室。「橙」、「桃時」、「兎白」、「瑠璃人」は雨花の昔話をしていた。


瑠璃人「雨花って一年生の途中から編入してきたんすよね?」

兎白「そうだ。あの時の雨花は……」


兎白は回想にはいる。


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「や、やめてくれ」

???「悪いけど、わたし学校嫌いなの。あなたたち妖怪を倒せば学校をやめられることに繋がるから」

「けっ!無駄話が仇になったな!お前は挟み撃ちだ!」


黒髪の少女は妖怪に挟まれた。


???「…………」

「今だ!」

???「やっぱり頭悪いね。あなたたち」


少女は妖怪たちが襲ってくる瞬間、後ろに下がった。


「ぶ、ふつかる!?」

「あぁーー!?!?」


妖怪たちは顔面衝突して、気絶してしまった。


???「……はぁ」

???「お前そんなに学校嫌なのか?」


「「雨花」」


雨花「…………兎白くん」


「雨花」の目の前にいるのは、「兎白」だった。


兎白「妖怪たちの派閥と闘ったら、大きな溝を生むぞ。」

雨花「そんなのどうでもいい。そもそもわたしの目的の場所にたまたま妖怪たちがいて、どいて欲しいって言ったら闘いを挑んでくるから闘ってるだけ」

兎白「お前にとって……妖怪は何なんだ?」

雨花「…………」


「わたしにとって妖怪は……」


「「ただの障害物」」


雨花は「何も映っていない目」で兎白の方に顔だけ向けてそう告げた。


兎白「……そうか」


「でも……」


兎白「俺にお前は話しかけてくれた。それは独りが淋しいことを知ってるからだろ?そんな奴が妖怪を障害物としか想ってないなんてことないと俺は想う」

雨花「…………はぁ……」

兎白「とにかく怪我を処置するぞ。雫さんの所へ行こう。本当は保健室に行きたいが、保健室の先生に言ったらどうして怪我したか聞かれて、答えなきゃいけなくなるだろ?そしたら……」

雨花「停学させられる。だから……でしょ?」

兎白「分かってるなら怪我しないようにしろよ。そして心配かけないようにしろ」

雨花「…………」

兎白「ていうか学校行くのは嫌なのに停学は嫌なのか?」

雨花「自主退学とかズル休みは良いけど、停学はみんなが学校行ってる中、自分の失態で行けてないんだと想うと罪悪感を感じるから嫌だ」

兎白「妖怪には罪悪感感じないのか?」

雨花「あの人たちは、自分からも挑んできたから何にも感じない」

兎白「お前なぁ……」


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???「雨花。顔にはガーゼで、腕には包帯……怪我だらけじゃないか」

雨花「…………」


雨花の処置をしているのは、「雫」である。ここは、空き教室。


雫「…………雨花。今、君にとって「学校」という場所は、自分を痛めつけるだけの存在で、自分自身の後悔を呼び起こし続けるだけの存在なんだろう?」

雨花「…………」

雫「雨花には、学校を楽しんで欲しい。ちゃんと「生きる」ということを楽しんで欲しいんだ」

雨花「…………生きるなんてものは「命」についてるおまけみたいなものですよ」


雨花は開いていた窓枠に立った。


雫「あ、あめ……!」

雨花「生きることに意味は無いけど死ぬことには意味はある。生きるには、まず「命」が産まれないといけない。その後、人生というものが始まる。ただ人を傷つけて、傷つけられて、笑って、泣いて、怒って、憎んで、絶望して、それの繰り返し。その行為に意味を見い出すのならその行為ほど、愚辱な行為はないですよ。だって、感情や心なんてものに意味を見い出すなんて、ただの自己満足でしかないんだから。それが自分の気持ちなら尚更。私はそんな乱雑な不安定さを持つ「生きる」に意味も価値もないと想う。」

雫「…………」

雨花「でも、死ぬということには意味がある。

だって、人間の感情がなくなるから。精神的な意味じゃなく、物理的な意味で。「何かが無くなる」ということには意味が生まれる。無駄死になんてない。死ぬ事でまた、人に影響を与える。心に響きを与える。死ぬという行為にはみんなが影響される。それは興奮だったり、絶望だったり、憎しみだったり、安堵かもしれない。人の心を突き動かす力を「死ぬ」は持っている。だから意味がある。」


「だから、」


「「わたしは「生きれない」」」


雨花は「何も映っていない目」で微笑み、雫をみつめる。


雫「…………雨花に幸せになって欲しいと私はそれでも願うよ」

雨花「…………」


窓から風が入る。その風は二人のうちどちらの味方をするのか。それか、味方にも敵にもならないのか。

少なくとも今は誰にも分からない。


兎白「雨花……」


兎白はドア越しに二人の会話を聴いていた。


兎白「あいつの気持ちをもっとほぐしていけたら良いんだけどな……」


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兎白「……ってことがあったな」

橙・桃時・瑠璃人「…………」

兎白「ん?どうしたんだ?」

橙「雨花さんには……一体何が……あったんでしょう」

瑠璃人「そうだな……なんか常闇って感じがする」

桃時「あいつはずっと「黒い彼岸花」って言われてた。数々の妖怪たちが雨花に挑み、負けた。潰された派閥もあったはずよ。……今のあいつは妖怪についてどう想ってるのかしら」

兎白「昔のあいつは「障害物」って言ってたな。今は……」

???「わたしたちに似てるめんどくさいけど、ほっとけないって想ってるよ。……多分」

橙「雨花さん……!」


生徒会室に入ってきたのは、雨花だった。


桃時「どうだか〜アタシたちにまだ隠してることあるでしょ?それに、気心も知らないそんな奴の胡散臭い綺麗事なんて信じられないし、瑠璃人の言ったようにあんたは常闇なんだから、そういう綺麗事のセリフ嫌いでしょ?嫌いなセリフを言ってるなら尚更信じられないわ」

雨花「あはは!ごめんごめん!自分でもよく分からないんだよね〜」

橙「まぁ話はそこそこにして仕事しましょう」

瑠璃人「真面目だな〜橙は〜可愛いなぁ〜」

兎白「よし、橙の言う通りだ。やろう」


生徒会メンバーは仕事に戻り、帰って行った。四月の風がはらりと鳴き、帰る生徒たちの間を通り抜けていった。

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