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教祖死刑囚と看守さん

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教祖死刑囚と看守さん

1 - 教祖死刑囚と看守さん

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2023年07月09日

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※カラマリFD柳ルートネタバレあり


星野たちに捕まったあと俺はとある刑務所に入れられた


一応裁判待ちだが俺自身の死刑はほぼ確定だろうなとは予想はしていた


そして俺の死刑が執行するまで俺に特別な看守がつけられることになった


その看守はとても不思議な人間だった

いろんな感情を同調してきた俺だったが

なぜか看守の感情だけは一切同調ができなかったからだ


最初は14番……白石景之のような人間かと思ったが…


一切笑わないので違うタイプの人間だと思った


まぁこの際どうでもいいや

星野は俺のところには来てくれなかったし

仕方ないから死刑執行されるまではこの看守さんと話してみるか

____________________________

【看守さんは縛られない】


冴木「なぁ…看守さん…?看守の仕事についてから何年たつんだ?」

看守「……多分3年」

冴木「案外あっさりしてるな……じゃあ次の質問…俺が実行していたXday事件についてなにか思ったことはある?」

看守「あぁ…沢山人死んだなとしか」

冴木「すごく楽観的なんだな」

看守「別に…僕はあのままXdayが来ようが正直いつかは死ぬんだからどうでもいいかなって」

冴木「……看守さん自身って貫きたい正義的なのないのか?」

看守「多分ない」

看守さんは即決で答えた

あぁこの人はなにもないんだなとふと内心思ってしまった

_________________________

【看守さんは感じない】


ぐぅぅう

冴木「いまの音…看守さん?」

看守「……あぁ、空腹…だったみたい」

看守さんはポケットからコッペパンをだして食べ始めた

冴木「ちょっ、いくら受刑者のまえで普通食べますか?」

看守「腹の音消すためだから別に……」

俺のことなどお構いなしにコッペパンを頬張る看守さん

冴木「……コッペパンになにもつけずに食べるって味気なくないですか?」

看守「僕は医者に重度の失感情症と診断されている…味覚も5歳のときから感じなくなった…だから問題はない」


失感情症

自分自身の感情を認知したり言葉で表現するのが難しくなる障害の一つ

重度となるとおそらく味覚にまで影響を及ぼしてる可能性まで高い


なるほど、看守さんの感情に同調できなかった理由がなんとなく理解できた気がした

この人は自分の感情もわからないんだと


_______________________

【教祖死刑囚は生まれ変われるか?】

冴木「看守さんは生まれ変わりとか信じますか?」

看守「ない」

冴木「即決ですね」

看守「根拠がない」

冴木「……あー、俺死刑が執行されて死んだらどうなるんだろうな…なにもないとは思いすけど」

看守「コッペパンにでもなったら?」

冴木「コッペパンはさすがに…ひどくないですか…確かに殺人とか色々やりましたけど…」

看守「もし君がコッペパンになったら…僕が食べてあげるよ…もしだけど」


____________________

【教祖死刑囚は理解されなかった?】

星野が面会にきた

星野は俺がどこまでが真実でどこまでが嘘かと訪ねてきた

けど[警察官の俺]も[アドニス教祖の俺]も

[名もなき子供の俺]も全部

[真実の俺]なことには代わりないと星野に話しても納得はしてくれなかった

それでも星野は俺を信じようとするから

星野にはもう来ないように伝えた

激しく絶望してどうしようもなくなってまだ俺が生きてたら会いに来てなんて言ったけど

多分星野はもうここには来ない


冴木「あっ、看守さん…」

看守「面会…もういいの?」

冴木「……もういいんです」

看守「……あっそ……」

冴木「相変わらずですね……看守さん」



看守「……あのさ」

短い沈黙を破るように声をだした看守さん

看守「話…聞いたんだけど…君は見方を変えただけで全部本当の自分だって…言ったよね」

冴木「あっ……はい」

看守「じゃあ…ここで僕と他愛ない会話をしている君も……本当の君ってことでいいんだよね?」

冴木「そうなります…ね」

看守「そっか……それを確認したかったんだ」

冴木「…そう……ですか…」



__________________

【死刑前日】


冴木「明日で、看守さんともお別れですね」

看守「そうなるね」

冴木「相変わらず素っ気ないですね」

看守「…どうでもいいからね」

冴木「俺は看守さんとこうして話してて結構楽しかったですけど」

看守「……ふぅん」

冴木「……ねぇ看守さん…看守さんからみた俺って…看守さんにも理解できない人間に見えますか?」

看守「失感情症の僕にそれ聞いてどうするの?」

冴木「……なんとなく…」

看守「……僕は…アドニスの教祖である君のことも警察官だった君のことも資料でしか知らないけど………多分君は……可哀想な人……なんだと思う……よくわからないけど」

冴木「っ……そうですか…」


自分の母親や他の奴らを可哀想と感じたことはあるが

まさか俺自身も母親みたいな立場にたたされるとはな……

_____________________

【死刑当日】


あ~あ

結局俺はこのまま死ぬのか

理解者になってくれると信じていた星野は結局俺の手を取らなかったしな

あっ、でも


あの看守さんともう少しだけ他愛ない話をしてたかったな


そうだもしも生まれ変われるなら

看守さんの食べるコッペパンになろうかな

そしたら

俺は…看守さんと一緒にいられる気がするから


__________________

【死刑執行後:看守sid】


本日アドニス教祖でXday事件の首謀者

冴木弓弦の死刑が執行された


冴木はとても不思議な奴だった

だいたいの死刑囚は途中で未練などの感情で死ぬのが多少恐くなるものだ


けれど彼にはそれらしい気配はなかったと

刑を執行した執行者が話してくれた


冴木弓弦は資料によると他者の感情に同調[してるだけ]だったらしい


つまりはそこに自分の感情ってものはあまり存在してなかったのかと僕は頭で考えた


まぁ今さら僕が考えたことで彼の考えを理解する術ももうない


僕はコッペパンの袋を破り

コッペパンを口にした


看守「あれ……いつぶりだろうか…しょっぱいと感じたのは……」



【教祖死刑囚と看守さん】

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