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コメント
4件
あぁん🥺
あーんラウかわいそうーー
💚「うん、だいたいこんな感じでまとめればいいと思うよ。あとは参考になりそうな本を図書館で探そう」
🤍「一緒に行ってくれるんですか?」
💚「うん。俺もちょうど明日図書館に用あるし。その後バイトも一緒だろ。付き合うよ」
阿部先輩の家で、レポートの相談に乗ってもらいながら、俺はまた次に会える約束ができたことが嬉しくて心が弾んだ。
宮舘店長様様だな、と思う。どういうつもりかわからないが、バイトを始めてから、俺と阿部先輩はほとんどシフトが被っているのだ。これだけ学校でもプライベートでも一緒にいたらお互い飽きそうなものなのに、それもない。一緒に過ごす時間が増えていけばいくほど、俺は阿部先輩に惹かれている自分に気がついていた。
あの新歓コンパから3か月。
そろそろ夏休みが近づこうとしている。3年生の夏は就職活動もあるだろうけど、2人でどこかに遊びに行きたいと俺は思っていた。いつ誘おう。どこへ誘おう。東京は慣れてないし、それでもカッコ悪いと思われないようなお洒落な場所に2人で…。
💚「村上」
🤍「はい?」
お茶を出しながら、阿部先輩が何とはなしに言った。
💚「夏休みなんだけどさ」
🤍「はい!」
💚「うわっ、元気だな。どうかした?」
🤍「いや、あの、夏休みは俺と…」
💚「俺、ちょっと田舎に帰るんだ。だからバイトも休む。しばらく会えなくなると思う」
阿部先輩は、その一言で俺の初めての楽しい夏休みをいとも簡単に打ち砕いた。