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「私は働いてるよ。お休みは週末とか…いわゆるカレンダー通り、だね。で、最近は21時くらいから大体1時間くらいここにいるかな」
「それって何をしてるんですか?」
「う〜ん、それが…まぁちょっと困ったことがあって…」
「困ったこと?俺でよかったら力になります!」
「ありがとう。もしかしたら本当に助けてもらうかもしれないな(笑)」
「助けますよ、俺!」
「うん。その時はお願い」
その時は…。まだってことか。
「さて、今日はもう帰ろうかな」
えっ、もう?
「もういいんですか?」
「うん、今日はきみと会えたから」
「そう…ですか」
「また次に会えるのを楽しみにしてるからさ」
「あっはい!ぜひ」
お姉さんが立ち上がったので自分も立ち上がる。
「じゃあまたね」
軽く手を振りながらお姉さんは団地に向かって歩いていく。
「また!」
俺はお姉さんの背中に向かって言い、少し見ていたが、振り返られて見ているのに気付かれたら恥ずかしいので、自転車に跨ると家に向かってペダルを踏み込んだ。
知り合えた。いつも見ていたお姉さん。
やっぱり年上だった。同学年の女子たちとははっきりと違って見えたもんな。
次の日、 講義を受けながら考える。
今日も会いに行こうか。でも昨日の今日じゃ焦って仲良くなろうとしてるって思われるか?
いろいろ考えてみたが、明日はバイトがあるからその帰りに会える。今日もバイト帰りで…と会う方が自然だと思った。
がっつく気持ちを抑え、明日、会えることを楽しみにうちに帰った。
さて、今日はバイトだ。
今日こそバイト帰りに会いに行こう。
講義中もバイト中も、お姉さんのことを考えてしまい、自分でも浮かれているのがわかった。
バイトが終わり、自転車に飛び乗る。
お姉さん!…あれ?いない。あれほど毎回いたお姉さんの姿がない。
また会えるのを、と言ってくれたのは社交辞令だったのか…
がっかりした気持ちになったが、自転車を停め、 お姉さんがいたベンチに座ってみる。
今日は何か用事でもあったのかもしれない。
仕方ない、また次回会えると信じ、今日は帰るか…
突然、後ろから目を押さえられる。
!?
「だ〜れだ?」
「…お姉さん、当てたい気持ちはあるんですが、俺、お姉さんの名前を知らなくて…」
「あ、そういえば…ごめんごめん。こういうのもやってみたいって言うから一度、 試しにね」
やってみたい?
「私はそうだな…アユって呼んでよ」
アユさんか。
「じゃあ俺のことはトモって呼んでください」
「ん、トモくんね。ごめんね、遅くなって。待っててくれたんだね」
「はい、でももう少し遅かったら帰ろうかと思ってました」
「あぁごめんね。私がいなかったらすぐ帰っちゃうか、待つのかって見させてもらってたんだ」
「え?アユさんも人が悪いな」
「ほんとごめん!これも仲良くなるためだと思って?」
「で、どうだったんですか?俺は合格ですか?」
「合格とかないけど…約束もしてないのに待っててくれたからね。いいと思う」
まさか試されていたとはね。
すぐ帰らなくてよかった。
コメント
1件
あーもうほんと尊い…!!!😭💕 第1話から続くベンチでの出会い、いい感じに進んでるね〜!「だ〜れだ?」って後ろから目隠しするところ、アユさん茶目っ気あるじゃん!しかもわざと遅れて様子見てたとか、二人の距離縮めたい気持ちが伝わってきてニヤニヤが止まらん! 名前呼び合うようになって「トモくん」「アユさん」って…ああもう青春の香り!笑 次はもっと深い話聞けるのかな?気になる〜🌸✨
#オリキャラ