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???「では、本日から作戦を決行する。」???「はいはい!」
???「はい!」
とうとう「兎白」が『無法地帯』潜入撃破作戦を始めた。それぞれ闘いに向けて準備をしている。もう終わらせているのは「紫雲雨花」(骨折は体の治癒力を集中させて痛みは伴うが歩ける程度まで治ったため、松葉杖とギブスは置いてきた)と「瑠璃人」である。
兎白「作戦は大きく分けて三つ。町は四つから構成されており、その内の一つは雨花が保護済み。よって、あと三つの町を攻撃する。しかし、一気に行くと全滅は免れないため、一つずつ町を救うことにする。前衛は俺と補佐として雨花と第一部隊で。後衛のリーダーは瑠璃人でそれ以外の組員は第二部隊から第十部隊で構成する。」
瑠璃人「あの、妖怪の長はどうなるんですか?」
兎白「妖怪の長は今まで目撃情報がなく、闇に包まれている。まずは、町長たちを全員倒してから体制を立て直そう……全員武運を祈る。」
「「はい!」」
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雨花「まず一番近い町を目指そう。こっちだよ」
兎白「分かった。瑠璃人。門の方はどうだ?」
瑠璃人を無線で呼ぶ。『無法地帯』は妖術が散乱しているため、神通力が使えなくなるため、無線で伝言する。
瑠璃人「ダメですね。雨花が侵入したから警備が厳重になってます」
兎白「まぁ予想通りだな。よし……」
「「あれを放て」」
瑠璃人「分かりました」
「あっそれからあのことだが」「それも分かってます」
兎白「よし、入れたな」
雨花「橙ちゃんのお手製妖術睡眠玉……すごい効果。妖術やっぱりわたしたちの中でもピカイチなの橙ちゃんだね!マジでしびあこ!」
兎白「潜入には成功。瑠璃人は門の前を注意しつつ、「例のあれ」をしてくれ。」
瑠璃人「分かりました。兎白さんもご武運を」
一度、瑠璃人との無線を切って、兎白たちは町長の塔を目指す。
兎白「良いかお前たち。ここからあそこの町まで建物に隠れながら……」
「兎白さん。あの……」
兎白「何だ?」
「雨花さんが……」
兎白「え?」
組員の視線の先には、明らかに武装している妖怪の後ろを付けてる雨花がいた。
「『こ・い・つ・ぜ・ん・ぜ・ん・き・づ・い・て・な・い・ま・じ・で・く・さ』と言っています!」
兎白「雨花!早く戻れ!」
「『と・い・れ・?』と言っています」
兎白「雨花」
雨花「はいすみません」
やっとふざけるのを終えた雨花はとぼとぼ戻ってきた。
兎白「お前……危ないことはするな?良いな?」
雨花「はいはい」
兎白「頼むぞ?全く……早く町へ向かうぞ」
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兎白「ここが町か。本当に寂れているな」
「知らない奴らが俺たちの町に入ってきたぞ!」
「お前たち何者だ!……その制服……死神組だな!」
「神なんかが俺たちに何の用だ!」
「その血を吸わせろ!そして、死んじまえ!俺たちは高尚な生き物なんだ。危害を与えることはしてもされる筋合いは無い!」
兎白「…………」
兎白と組員たちは言葉を失った。
雨花「ぷっははは!おじさんめちゃくちゃ面白いこと言うね!あなたたちが高尚な生き物?こんな寂れた薄ら寒いところに住んでるくせに?自己顕示欲だけは一丁前なんだね。しかも自分勝手と来たもんだ。そんなに溜まってんなら……」
「「わたしとあなたたちが競争して負けた方がサンドバッグとしてストレス発散される……ってのはどう??」」
「!」
雨花は汗が止まらなくなり、息が乱れるほどの不気味さを放った。
「な、何だお前!」
「も、もしかして、俺たちが間違ってるって言いたいのか?!」
雨花「間違いとか正解とかどうでも良い。わたしはあんたらの親分に用があるの。」
「ま、まさか町長に会うつもりか……?」
「や、やめろ!あいつには手を出すな!」
雨花「どうして?」
「あいつは俺たちに献上金を求めてる。前に払えなかっただけの奴が殺されたんだ!」
「あいつには逆らわない方が……」
雨花「あなたたち、さっきのいい加減さはどうしたの?あなたたち本来ならもっと勝手な生き方をして、それを貫く生き物でしょ?わたしもそこまで来ると羨ましくなる。そういう生き方はわたしにはできないから。まぁだからこそ踏み潰したくなるんだけど?あはははは」
「ひぃ」
雨花「あなたたちにはあなたたちの生き方をして欲しい。だから町長について知ってることぜーんぶ教えて?教えてくれたらあなたたちを保護できる。……ね?兎白くん?」
兎白「え?あ、あぁ。俺たちはそのために来たんだからな」
「なんかさっきの発言でドン引きしちまったせいでよく覚えてないが……」
「でも、兎白さんの言う通りだ!」
兎白、死神組組員たちも同じ考えを持っている。
「…………良いだろう。教えてやろう」
「じ、爺さん!でも……」
「そこの少し恐いお嬢さん」
雨花「ん?何です?」
「お前が隣町の町長を倒したのじゃな?」
「「えぇぇぇぇ!?!?」」
「こ、こいつが?本当か!爺さん!」
「あぁ、さっきの独特な雰囲気。間違いない。お前「黒い彼岸花」じゃろう?」
雨花「……その名前で呼ばれるの多いなぁ」
「ここですぐ、「そうです」と言わないのも「黒い彼岸花」らしい。」
雨花「それで?教えて頂けるんですね?お爺さん」
「ああ、実はな……」
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兎白「なるほど、大砲か。」
雨花「きっと妖術がたんまり込められてるじゃない?」
お爺さんの話では、この町の町長は、大きな大砲を持っているようで、どんな大砲かは分からないが、とにかくとても恐ろしい大砲なのだとか。
「わしが知っているのはここまでじゃ」
雨花「いえいえ。とても参考になりました」
兎白「これで情報収集はできたな。」
「じゃ」
雨花「行きますか!」
兎白「おい。その前に作戦を考えるぞ」
雨花「えぇ……大砲くらいわたしたちならどうとでもなるじゃん」
兎白「組員を放っておけるか。ちゃんとこいつらの生存の可能性を取っておかないと」
雨花「……兎白くんらしいね。けど、町長はわたしたちじゃないと倒せない。その他の部下は組員の人たちでも充分倒せる力しか持ってない。」
兎白「し、しかし……」
雨花が兎白の耳元で囁く。
雨花「兎白くん。「例のあれ」は後衛にいる瑠璃くんにしか頼めない。わたしたちが時間を食ってると後衛が潰れる。早く倒さなきゃいけないの。時間が無い。早く行かなきゃいけないの。作戦を考える暇は無い。」
兎白「……分かった」
兎白は部下たちに向き直る。
兎白「では、これから町長の塔への潜入及び、撃破を開始する!」
「「おぉぉぉぉ!!!!」」
雨花「造りは前のと一緒みたいだね」
兎白「お前たち、油断するな」
「はい」
シュルルルンッ!
「ひっ!もう少しで掠るとこだった!」
投げられたのは、手裏剣だった。刃先には液体が塗ってある。
雨花「どれどれ……うん。猛毒だね。ほんの少し掠っただけでも意識不明の重体になる。」
兎白「おい。お前ならみただけでも分かるだろ。何故舐める」
雨花「よく言うじゃん。見た目で判断しちゃダメだって〜」
兎白「それは人に限っての話だろ。お前じゃなかったらな……」
雨花「あはは……ごめ……」
「あのお二人とも!もう突進で向かってくる妖怪がいますよ?!」
二人に向かって走ってくる妖怪は、ぬりかべだった。どんどん近づいてくる。しかし……
兎白「やられてたぞ」
雨花「ごめんごめん」
二人はもう突進してくる妖怪を人差し指で止めていた。
「す、すげぇ……」
「さすが、兎白さんと雨花さん……!」
二人はまだ会話している。
妖怪は力を増して突進してくる。
雨花「わたし橙ちゃんと怪我しないって約束したから怪我する可能性少しでもあるならやりたくないなぁ」
兎白「じゃあ俺がやる」
雨花「よろ〜」
そういうと兎白はその場から消えて、そして、
兎白「じゃあな」
妖怪は、細かく斬撃を入れられ、倒された。
雨花「はい、お疲れ様〜」
兎白「早く進むぞ」
「「はい!!」」
雨花「どんどん敵の数が増えてきたね」
兎白「そうだな。あとこの廊下を渡れば町長室なんだが」
兎白の背中を借りてバク転して倒したり、雨花に兎白が飛ばされることで斬撃を空中でばらまいたりなど、様々な戦法で闘う雨花と兎白。まだまだ余裕はあるが、数が徐々に増えてきている。
雨花「あれやるしかないか。」
兎白「待て。お前怪我するかもしれないんだぞ?一気に駆け抜けるつもりなんだろ……」
雨花「大丈夫。わたし闘えない闘いはしないから!」
「部下のみんなは町長室の外で足止めお願いします!」
「はい!」
そう言うと、雨花は傘を構え、一気に廊下を渡り、町長の部屋まで行くことが出来た。
雨花「ふぅ……怪我はしてないみたいだね」
兎白「大丈夫か?雨花」
「待ってたぞ。「黒い彼岸花」!」
雨花・兎白「!」
座っていたのは、天狗の妖怪だった。
「私がこの塔の町長だ!!あの下々のヤツらが私のことを喋ったんだろ?余計なことをしてくれたなぁ」
雨花「…………」
兎白「あの人たちは献上金について嫌がっていた!お前のこともとても恐がっていた!あんなに強い妖怪たちなのに……上から圧を与えればどこかで苦痛が零れでる。そうやって人々に八つ当たりして負のループが出てくるんだ!だからその原因の一つであるお前も倒す!」
「ふん!やれるものならやってみよ」
すると、町長は例の大砲を出してきた。
「この大砲はこの塔に眠っていた大砲で、とても強い神通力を持っている!お前ら神にはもってこいな代物だ!」
雨花「……え?」
兎白「今何て言った?」
「だからこの塔に眠っていた……」
雨花「違うその後……」
「お前らにはもってこいの代物だと」
雨花「行き過ぎ行き過ぎ」
「とても強い神通力を持っていると言った」
雨花・兎白「…………」
「な、何故黙る?!」
兎白「……馬鹿だな」
「な、何!?」
雨花「わたしたちに神通力が効くってことは、わたしたち自身も神通力を持ってるってこと。つまり、神通力で作られた大砲ならいくら打たれても操作できる」
「あ」
兎白「何しに来たんだこの妖怪」
雨花「しかも妖術の気に長い時間触れていたんだから……」
雨花はニヤリと笑う。
兎白「なるほど、神通力でも妖怪を倒せるってことだな」
「や、やめ、やめろ!」
雨花「じゃあね間抜けな天狗さん!」
こうして、町長は大砲でぶっ飛ばされた。
雨花「何なの!?あの間抜けさ!?あっはははは!!!!」
橙「全妖怪がそうだと良いんですけどね……ふふっ」
桃時「本当よ。うふふっ」
「不山橙」、「桃時」は、雨花にお疲れ様会(ひとまず)を行っていた。
雨花「ハラミ美味!牛タン美味!」
橙「何よりあなたが無事で……って正確には全然無事じゃないですけど、怪我なくて良かったです。」
桃時「これ以上怪我が悪化したら大変なことになるわよ。やっと松葉杖とギブスが取れたんだから」
雨花「あはは!あれは不自由だったな〜」
橙「あははじゃなくてこれからの闘いも怪我なんてしないで下さいね!絶対に!」
雨花「はいはい……ほら橙ちゃんあーんして!」
橙「え?ちょ……あついあつい……ふぉっふぉっ!美味しい!」
雨花「あはは!橙ちゃん可愛い!」
「あ、そうだ。桃時ちゃん」と桃時を呼び出す。それが何か察したのか、桃時も雨花について行く。
雨花「「例のあれ」ちゃんと起動できてる?」
桃時「えぇ大丈夫よ。瑠璃人が上手く隠したみたい」
「二人とも〜どこ行ったんです?」
橙が呼んでいる声がする。雨花たち二人はそれに応じる。
果たして、「例のあれ」とは何なのか。
そして、残りの町長と妖怪の長を倒すことが出来るのか。