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ak「……そんな笑う?」
照れ隠しみたいに言うと、彼は「だって」と肩を揺らした。
pr「名前呼んだだけでそんな反応されたら、嬉しくなるやん」
ak「慣れてないんだって」
pr「俺もやけど?」
ak「でもそっちは余裕そう」
pr「全然ない」
即答だった。
彼は少し視線を逸らして、繋いだ手を軽く握り直す。
pr「正直、今もずっと緊張しとる」
pr「好きなやつが目の前おるって、こんなやばいんやな」
夜風が吹く。
静かな住宅街に、二人の声だけが小さく響いていた。
彼は少し迷うように唇を動かしてから、小さく笑う。
pr「……今日、一生忘れへんかも」
その言葉が胸に残る。
ak「俺も」
答えると、彼はまた照れたように目を細めた。
しばらく何も言わずに立っていたけれど、不思議と沈黙は苦じゃなかった。
むしろ、この時間が終わってほしくない。
でも時計を見ると、もうかなり遅い。
pr「……ほんまに帰らなあかんな」
ak「だね」
名残惜しそうに笑い合う。
それでも、どっちもなかなか手を離せない。
彼は少しだけ屈むようにして、こちらの顔を覗き込んだ。
pr「明日、学校で会ったらちゃんと話しかけてな」
ak「そっちこそ」
pr「俺、緊張で変な挨拶するかもしれへん」
ak「想像つく」
pr「ひど!」
また二人で笑う。
そのあと、彼はゆっくり指をほどいた。
急に手が軽くなって、少し寂しい。
ak「……おやすみ」
pr「おやすみ」
そう言ったのに、彼はすぐには帰らなかった。
数歩離れてから振り返って、少し照れた顔で言う。
pr「……好きやで」
不意打ちだった。
返事をする前に、彼は「じゃ、おやすみ!」と逃げるみたいに走り出す。
ak「ちょ、待っ──」
街灯の向こうへ消えていく背中。
でもその耳が真っ赤なのが見えて、思わず笑ってしまった。
胸が苦しいくらい温かい。
“明日が楽しみ”なんて、
初めて思ったかもしれない。