テラーノベル
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8話目もよろしくお願いします!
スタートヽ(*^ω^*)ノ
その日から、二人の距離はぐっと縮まった。
カーテン越しの会話も増え、キヨの冗談にレトルトが小さく笑うことも増えていった。
声も、以前より明るく、優しい色を帯びているのがわかる。
夜になると、カーテンの隙間からそっと伸びるレトルトの手。
細く白いその手は、キヨの手や肩、時には頬に触れ、そっと温もりを伝える。
触れられた瞬間、キヨの心臓は跳ね上がり、身体中に柔らかな熱が広がった。
『…レトさん..』
思わず呟く声に、レトルトは答えず手の動きで返した。
その静かなやり取りの中で、二人は互いの存在を確かめ合っていた。
レトルトの手は、ただ優しいだけではなかった。
時折、怯えるように震えながらも、どこか妖艶な、艶めかしい動きでキヨの肌に触れる。
その指先の感触に、キヨの全身がゾクゾクと震え、心臓は高鳴った。
『っ、はぁ……レト…さん…』
思わず吐き出した声に、レトルトはカーテンの向こうで小さく息を漏らすだけ。
その沈黙と手の動きだけで、二人の間には言葉以上の熱が流れた。
ただ優しいだけじゃない。
レトルトの気持ちが今は自分に向けられているのだと思うとキヨはゾクゾクと震える気持ちを抑えられなかった。
昼間は友達のように笑い合い、はしゃぎ回る。
けれど夜になると、二人の距離は一変する。
カーテンの隙間から、レトルトの細く白い手がキヨに触れる――まるで愛おしい人を触るように、じんわりと温もりを伝えながら。
キヨはその時間を待ち焦がれていた。
レトルトの手の柔らかさ、指先から伝わる微かな震え。
その一瞬一瞬に、自分の心も体も溺れていくような感覚を覚えた。
『はぁ…早く夜になんねえかなぁ』
思わず漏れる小さな声。
その声に、レトルトは静かに笑っていた。
夜の病室は、昼間の賑やかさとはまるで別世界だった。
静まり返った空間に、二人の呼吸だけが響く。
キヨの頬 にそっと差し伸べられるレトルトの手は、昼間の無口な彼とはまるで別人のように、妖艶で柔らかく、触れるだけで胸が高鳴る。
『……レトさん……』
震える声で呼ぶキヨ。
レトルトの手は優しく、でもどこか怯えるように、時折微かに震えながらキヨの頬を包む。
その指先が伝える温もりに、キヨの体は自然と反応してしまい、ゾクゾクと全身を貫く。
昼間は友達のように笑い、互いの距離を保つ。
夜は恋人のように、触れ合いながら言葉よりも強く想いを交わす。
その二面性に、キヨの心はますますレトルトに惹かれていく。
『……俺、もう……我慢できないかも……』
そう呟くキヨに、レトルトはそっと応えるようにキヨの手を取り指先を少し強く絡めた。
触れるだけのはずなのに、そこには確かな愛情が手の温度と共に伝わってきた。
キヨは、夜が来るたびに胸を高鳴らせながら、レトルトの手の温もりに溺れていった。
カーテンの向こう側で、昼は友達、夜は恋人のように。
二つの世界が混ざり合い、キヨは完全にレトルトに惹かれていた。
そして、夜ごとに増すその依存心と独占欲に、心の奥が甘く切なく疼くのを感じていた。
続く
コメント
2件
喜んで貰えて嬉しいです😊 この二人はどの話でも依存しあって欲しいという私の願い🥹笑
依存と独占欲、、ありがとうございます、、もうほんと最高ですぅ、、