アイドル雑誌の撮影日。
翔太は喉に違和感があるのか、朝から何度も咳払いしてる。
「……んんっ……」
「おーい、翔太。声、カッスカスだけどどうした?」
ふと隣を見れば、珍しく疲れた顔で雑誌のページをめくってる。動きも、いつもよりちょっと緩い。
「んー……寝起きだから?」
「嘘つけ、いつも寝起きの声そんなカスカスじゃないじゃん」
ジト目を送ると、翔太は面倒くさそうに肩をすくめた。おいおい、バレてないとでも思ってんのか?
「さっきから腰もさすってるし」
「……あー……うん、ちょっと張ってるから」
「さては、昨日ヤったな?」
「……」
「あー、やったなこれ。絶対やったろ。あーあーあー」
翔太の耳が、ほんの少し赤くなってる。図星かよ。
「気をつけろよ、ほんと。女の人って、匂わせとかしちゃうし。アクセサリーとか、鏡に写った背景とかさ。週刊誌に撮られでもしたら、終わり……だぞ?」
声をひそめて注意しながら、ちらっと翔太のスマホ画面を見ると、すぐにトーク画面が閉じられた。そつない奴め。
「……で、誰?」
「……」
沈黙。
なんだ、いつもなら何かしら言い返してくるのに。
今日は本当におかしいな。
「翔太、まじで誰?言っとくけど、マネージャーには言わねーし、俺口固いじゃん。一応俺にだけ言っといてくれたら、バレた時対応しやすいし、」
「ふっか……ほんと、なんもねーから」
「嘘つけ、だってさ。声はカスカス、腰も痛い。しかも今日めっちゃ静か。おかしいもん」
ここまで言っても白状しない翔太に、俺はちょっとイラッとした。でも、それ以上に――
(……なんか、違和感)
翔太の襟元。
小さな、ひっかき傷のような跡。肌が白いから、余計に目立つ。それになんで翔太の方が腰痛いんだよ、。
「……いや待てよ。まさか相手女の人じゃないとか?」
ふと、昨日の夜。
翔太が連絡取ってた相手。
俺の記憶が正しければ、電話の相手は――
「……え、ちょっと待て。まさか……」
翔太は無言で雑誌に目を戻す。でも、耳が、さっきよりもっと赤くなってる。
「翔太、お前……アイツとヤったの……?」
「……」
「……」
「……ああ、もうそうだよ!ふっかのそういうとこまじで嫌い、!」
小さく呟いた翔太の言葉に、俺は目を見開いた。
……マジか。
思わず翔太とヤったと思われるアイツの方を見ると、顔が赤くなった翔太を優しい目で見つめていた。
(相手はご想像にお任せします)
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ダンスの大会期間のため、投稿できてませんでした、、
まだ大会期間終わってないので、これからも投稿できない日が続くと思います、!
コメント
2件
ふっかさん以外ということしかわからんのね!!気になるー!!
ぐわー、相手気になるw