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最近、よく夢を見る。俺が人を、殺す夢を
朝日が部屋に差込み、ふたつの銀色のブレスレットが光る。その反射にウトウトとしながら目を覚ます。頑張って眠気に抗い、身支度を済ませる。
「行ってきまーす」
いつも通り、親と何気ない会話を終え家を出る。
皆さん、こんにちは。僕は多分、ここの主人公「山田翔太」ごくごく普通の高校1年生。身長も、成績も人並み程度…これといって得意
なものや趣味もない。
何故主人公だと思うか?それは僕が勝手に思ってるだけ、きっとこの独り言も誰にも聞かれてない。ちょっと厨二病くさいかも知れないが別にいいだろ?心の中で言ってるだけだし誰にも迷惑はかけてない。
そんな事を思いながらとぼとぼと学校へ向かう。学校からは歩いて20分ほど。遠くも近くもない。
「おーい!!山田ー!!」
元気で明るく少し不快になるこの声…絶対遥だ…
この高身長イケメンは「御剣遥」。名前からしてイケメンだ。昔から僕から色々と物を取ったり、ねだったり、まるで奴隷扱いだ。本当に嫌になる。
「おはよ!なー、今月ピンチなのよ〜、頼むからお金貸してくんね?」
またか…どうせ女の子にでも使ったのだろう。こいつはいつも金がないって言うくせに自分からバイトをしたりしようとはしない。正直言ってクズだ。
「俺と山田の仲だろ?」
今日に始まったことでは無い、、、無いのだが何故か今はいつも以上にこいつが不快だった。ただそれだけなのだ。
「おーい?山田?聞いてるー?」
なんでこんなにも不快なのだろう。なぜ、?
「今度女紹介してやるからさ?な?」
今までこんな気持ちになった事があるだろうか?
「山田…?」
『死ねばいいのに!』
それは本心だった。心から出た言葉だった。多分、言ってしまった時、僕は笑っていた。満面の笑みだっただろう。だがなんだかスッキリした。今までに感じたことの無いすごい快感が押し寄せる。
「は…?やま」
ドォォォォォォ━ォォォォォォン!!
すごい音と共に前から遥が消えた。あれ?どこ行った…?
周りを見回すと車がお店にぶつかっていた。そういえば、ここは交差点だったな。自分でも信じられないくらい冷静だった。周りから悲鳴が少し聞こえる。いつもならパニック状態のはずだ。なのに、なのに…なんだ?ニヤけが止まらない。なんなんだ?この快感…あれは確かに遥だ。恐らく死んでしまうだろう。あんなにぺちゃんこになっているし。そんな事より早く顔を元に戻さなければ…あぁ、ダメだ。ニヤけが止まらない。気持ちいい…
僕は初めて神なんてものに感謝した。そうか…僕は主人公だったんだ。なぜだかそんな気がしたのだ。自分が言ったことが現実になったのだ。そりゃあそう思って仕方ないだろ?はは、そうか。僕が…
朝日がまるで山田を照らしているようだ。周りの人は事故に目が釘付けだ。うるさい声がわんさか聞こえる。意識が、途切れそうだ。俺はこんなところで死ぬのか…?
「あぁ、あいつに、、もあんな顔ができたのか…。」