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※この物語はフィクションです。

実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。


〈File68:完全なる死〉

「千景さんは大量のガソリンをかけられたようだ」

――ガソリンを、かけられた?

あの廃墟で嗅いだ、脳を揺らすように強烈な臭いが鼻の奥で蘇る。

あれを、かけられた。

なんのために、と考えるまでもなく、残酷な光景が頭をよぎってしまう。

「もしかして、火をつけようと……」

振り絞るように言葉にすると、許せないという気持ちが更に募った。

もしそうだとすれば、千景さんは生きたまま焼かれそうだったということになるんだろうか。

体中の血液が心臓に集まったように、胸の中だけが熱くなる。

智世は曖昧に首を捻り、そして「火をつけようとしたかはわからないが……」と前置いた。

「千景さんは嘔吐しているが、気道には詰まっていないようだ。だから誤嚥性の窒息死ではない。た******************

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君の背骨に棲みたい

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