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依然として母さんの具合は良くなっていない。父さんは僕の前では気丈に振る舞ってくれているが、母さんのことを心配していることは伝わってくる。
この日僕は父さんと一緒に母さんの病院へ見舞いに来ていた。母さんは前より痩せこけており、元気がなさそうだ。
「心配かけてごめんね和也。早く元気になって和也に母さんの料理でご馳走させてあげたいのに。」
「僕も早く母さんの手料理が食べたい。だから早く元気になってよ。」
いまだに母さんの病気の原因は分からなかった。心配そうにしている僕と父さんの横で、病室にあるモニターに映るキャスターがニュース速報を告げる。
「-30分前に東京にある国際交流センタービルが爆破されました。防衛省によりますと爆破したのは爆弾を抱えたロボットであると言うことです。そして今、新しいニュースが入ってきました。A国にある軍事施設が何者かによって攻撃を受けているとのことです。繰り返しお伝え…-」
父さんが僕をみる。
「和也。これって…」
モニターには世界中の破壊されようとしている重要な施設が映っている。僕はモニターから目を逸らすことができなくなっていた。しかし僕がやらなければいけないことを思い出して我に帰った。
「父さん。母さん。もしかしたらもう会えないかもしれない。今までありがとう。これからも元気に暮らしてね。」
そう言い残すと僕は病室を飛び出してeveのいる研究室へと向かった。