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第11話:縮まる人数
戦場は瓦礫に覆われた高架下だった。
崩れた道路、折れ曲がった鉄骨、火花を散らす電線。響くのは遠くの爆発音と、かすかなうめき声。
生き残りは、もう十人だけ。
協力派――蓮、凛、翔、玲央、瑠衣。
野心派――西園寺、堂島。
謎派――八坂、霧島、氷室。
三つ巴の均衡は、今にも崩れようとしていた。
相原 凛は、水色のシャツに血が滲み、茶色のショートボブを乱して仲間の傍に立っていた。包帯はすでに赤く染まり、呼吸も荒い。
「まだ……動ける……みんなを守らなきゃ……」
高城 翔は腫れ上がった拳を握りしめ、汗に濡れたTシャツを破りながら仁王立ち。
「無理するな、凛!」
だが返答する暇もなく、堂島 龍一が吠えながら突進してきた。
金髪リーゼントの巨体、革ジャンの背が鉄骨をなぎ倒す。
「てめぇらまとめて潰すッ!」
翔が拳で迎え撃つ。肉と肉がぶつかり合い、骨がきしむ音。互いに血を吐きながら、拳を止めない。
その隙を狙うように、西園寺 豪が刃を閃かせる。
スーツの袖を破り、鋭い短剣を握りしめた。
「勝つのは私だ。力任せの獣どもに任せていられるか!」
玲央が叫ぶ。「瑠衣、行け!」
森下 瑠衣が黒いスポーツウェアに泥を飛ばし、影のように背後へ回る。蹴りが西園寺の顎を狙う。だが直前で幻影が割り込む。
「……甘い」
現れたのは霧島 静。長い黒髪と紫のワンピースが揺れ、幻覚が複数の「西園寺」を作り出す。
刃が光り、現実と幻の境界が消えていく。
混乱の中、凛が不意に叫んだ。
「……後ろ!」
次の瞬間、鋭い銃声。氷室 蘭が装置を構え、凛の胸を撃ち抜いた。
ドクターコートの袖口が火薬で焦げ、眼鏡の奥で氷のような視線が光る。
「実験体としては……十分だ」
凛の体が後方に弾かれ、地面に叩きつけられる。血が口から溢れ、彼女の水色のシャツを真紅に染める。
「凛ッ!」蓮が駆け寄り、震える手で彼女を抱き起こす。
茶色の髪が頬に貼りつき、彼女の瞳は薄れゆく光を必死に繋ぎとめていた。
「まだ……終わらせないで……」
戦場は叫びと血飛沫に包まれた。
協力派・野心派・謎派――三勢力の衝突は、もう誰にも止められなかった。