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学年一の優等生様には
才能がないらしい。
# prsk夢小説注意
# 魔法学園パロ
2024-01-27
________
「…ん………」
目を覚ますと、明るい光が一番に
目に入ってきた。
目を閉じる前の記憶を思い出し、
天国かな。
そんなことを思った。
そして、重い鉛のような
体を無理矢理起こした。
制服自体はそんなに
重くは無い(むしろ軽い)。
では何故体がこんなに重いのか。
昨夜のことを考えると、筋肉痛に
でもなって体がこんなに重いのだろうか?
「…あー……身体中痛い…」
「…あれ?」
起きたばかりで、どこもかしこも
ぼやけている辺りを見渡した。
すると、そこにあったのは
いつもの朝の風景。
見慣れた僕の部屋だった。
普段カーテンを開けないからか、
ベット横の窓からは埃が舞っている。
大きい窓から見えるのも、毎朝教室から
見ていた朝の街の景色。
鳥が鳴き、信号が光り、
車が走っていた。
机に置いた沢山の本も、
一昨日の夜見たまんまだった。
栞の位置もずれていない。
部屋は紺色や黒のような
シックな色合いで統一。
れっきとした、僕の部屋。
「…あれ…?なんで僕、ベットで…」
「というか、なんで僕生きて…」
コンコン
「わっ…、!?」
「…あ、…おはようございます。
星乃です。起きてますか?」
モニタから流れる聞き慣れた声。
「…あぁ、星乃さん?どうぞ。
今、鍵開けるね。」
部屋の中から扉に触れ、
カチャっと解錠の音が聞こえた。
「白月さん!起きたのね!」
「あれ、日野森さん?どうしたの?」
「えっと…咲希が…」
「…………………..」
「…あ…天馬さん?どうしたの?」
「…っ…ぐす……」
「えっ、!?天馬さん…!?」
「ごめんなさい、っ…白月先輩、…
生きててよかっ…た…ぅぁ…」
「ちょちょちょ!とりあえず入って!」
直ぐに天馬さんを自室に入れ、
椅子に座らせてティッシュを持ってくる。
「星乃さん…これはどういう…?」
「あ…えっと、…」
「…白月さんは丸三日寝込んでまして、」
「…え?」
「それを自分のせいだと咲希が…」
「…えぇ??」
「…ひぐっ、…だ、だって…っ」
「あの時、アタシが白月先輩のことを…っ」
「あー、とりあえず涙拭いてよ」
「…ぅ……は、はい…」
その後、天馬さん、星乃さん、
日野森さんから聞いた話によると、
あの後、僕は倒れ、天馬さんはかなりの
やばさの魔力切れを起こし僕と天馬さんは
死にかけたらしい。
その時、中々僕が生徒会専用寮に
戻ってこないと心配した星乃さんが
一般生徒寮の入口に行ったところ、
寮は燃えてるわ僕と天馬さんは
血流して倒れてるわで、
パニックになったらしい。
そこに生徒会室へと忘れ物を取りに行った
日野森さんが気づき、星乃さんと
協力し急いで僕と天馬さんを保険医の
所に連れていった。
天馬さんはその数時間後…早朝に
起きたらしいが(事件が起きたのは夜中)、
僕があまりにも起きなかった為
自分のせいだと部屋に閉じこもっていた。
そして、今日僕が起きて…
そこからはお分かりの通りだ。
「白月先輩ぃ……ごめんなさい…」
「いやいや、大丈夫だよ。全然大丈夫。
怪我とかしてる子も居なかったんでしょ?」
洗面所でタオルやハンドソープの
手入れをしながら僕は聞いた。
「えぇ。星乃さんが急いでみんなに
出るように伝えてくれたから。」
「いや…私はただ日野森さんが
言った通りにしただけで…」
否定しながらも、星乃さんは
照れながら俯いていた。
「…それにしても、よく白月さんの
魔法受けて生きてたね。咲希。」
「えっ?あー、
『スピアー・ポイズン』のこと?」
「うん。白月さんの魔法って、
結構強かったはずだけど…」
「…あぁ、あれは殆ど無意識だったから。
力もあんまり込めてないし、」
「殺意なんてもってのほか。
だから受けても平気なんだよ。」
「あぁ、だから毒魔法なのに
毒が殆ど無かったのね」
「白月さんの杖の先端が紫に
染まってたから、咲希に
解毒魔法を使ってたけど、」
「結構早く毒が全て抜けたんですよね、
そういう事だったんだ」
「うん。あれは本能的に
防御したみたいなものだから。」
そもそも天馬さんは下級生だしね。
下級生相手に本気出したら僕がやばいって。
「…それにしても、天馬さん…….」
「?」
「あの程度の魔法で魔力切れを
起こすなんて、珍しいね。」
別に、馬鹿にしてるという訳では無い。
だけど、僕は疑問だった。
普段あの程度の魔法を
連続して7発6発打てる天馬さんが、
なぜ僕に打った、たった一発で
魔力切れを起こしたのか。
寮を魔法で燃やしたにしても、
あの程度、天馬さんなら一発で行けるはず。
「…!」
珍しいね、と言った数秒後、
天馬さんの重心がぐらついた。
「…咲希?」
「あ…ううん。大丈夫だよ、いっちゃん」
「…天馬さん、手、貸してくれる?」
「手?いいですけど、…?」
「…『体温調整』」
「?白月さん、今、何したの?」
「今したのは、天馬さんの
体温を測らせてもらったんだよ。」
「アタシの…体温?」
「うん。それで結果が…」
「38.2。」
「えっ…!?」
「………………」
「天馬さん、ベット
貸すから横たわってて。」
「え…でも…」
「いいから。お願い。」
「…分かりました。」
僕がお願いすると、
天馬さんは渋々ながら
僕のベットに横たわってくれた。
…あ、ちゃんと綺麗にはしてるよ?
ちゃんと消臭もしてるし。
けれど、僕の部屋は殆ど
紺色や黒で統一している。
ベットも例に漏れず、しっかり紺色。
だから、天馬さんの綺麗な黄色とピンクの
グラデーションの髪が凄く浮いていた。
というかCGみたいだった。
「咲希、なんで体調が悪いってこと…」
「星乃さん。今は天馬さんに
寄り添ってあげて。」
「…はい。」
ポカリや濡れタオルを準備している間、
星乃さんは天馬さんの傍にいてくれた。
「日野森さん。」
「なにかしら、白月さん。」
「全生徒会役員に、今日は
星乃さんは欠席と伝えておいて。」
「えぇ、分かったわ。」
「えっ、でも私_」
「星乃さん。」
「…分かりました。」
「はい、これ。
ポカリと濡れタオルと、すり林檎…
があったら良かったんだけど、」
「生憎今僕の部屋にはないから、
今から買ってくるね。」
「日野森さんは2人と一緒にいて。」
「えぇ。」
「あ、天馬さん。」
「はい…、?」
「僕から先生に今日は
欠席だって伝えておくね。」
「..ありがとう…ございます」
「ふふ。じゃあ行ってくるね。」
寮の扉を開け、僕は
寮内のコンビニへと向かった。
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