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学年一の優等生様には
才能がないらしい。
# prsk夢小説注意
# 魔法学園パロ
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廊下を早歩きし、
階段を素早く上がる。
朝だからか人気はほとんどなく、
聞こえるのは僕の走る音と息遣い、
そして窓の外にいる鳥の声だ。
ここ、ナイト・マジック学園では、
1F~3Fまでが教室、4Fが家庭科室や
音楽室などの移動教室。
そして、最上階の5Fがコンビニなどの
娯楽(?)施設が集まっている。
もちろん、コンビニだけではなく、
カラオケ・ゲームセンター・
服屋・武器屋など…
まぁ、娯楽施設ってよりかは、
娯楽施設兼生活必需品がある階。
あ、武器屋って言ってもあれだよ?
授業で使う杖とかナイフとか銃だけだから!
しかも、なんとここの学園には、
屋上まであって、
この前朝比奈さんに会ったのが
西校舎の屋上、
その他にも各校舎の屋上がある。
ちなみにエレベーターもある。
…改めて見るとえげつないなここ。
しかも、それプラス
小中学校が学園校門から見て
東の方角に隣接している。
それも足したら、もう敷地は
どのくらいあるのか分からなくなる。
「…ま、小中学校もここと
似たような感じだけど。」
違う点と言えば、小中学校は
3階建てなのと、中庭が少し狭いこと。
まぁ、狭い代わりにめちゃくちゃ
自然豊かで、手入れも
細かな所まですごく行き届いている。
初めて高校来た時は「広!!」って
なったのを覚えている。
「っと…もうすぐ着くかな」
自分の足にブレーキを掛け、
歩きですぐ近くのコンビニに行く
「…あれ?」
そこでふと、違和感に気づく。
「鍵が空いてる…?」
通常、コンビニの鍵は僕か生徒会役員
(委員長・部長を含まない)が持っていて、
持っている人が来ないと、
鍵は開かず、コンビニも閉まったまま。
なのに、空いてる…?
それに、よく見ると
スタッフルームから光が出てる。
僕は意を決して、声をかけた。
「あの。誰ですか?」
「…あれっ?白月先輩?」
光の先から聞こえるのは、元気な
聞き覚えのある声。
「!花里さん?何してるの?」
「わたし、昨日から雫ちゃんと各店の
経済状況を見て回ってるんです。」
「だから、少しコンビニの
金銭管理を見てました!」
「あぁ、なるほど。そういうことか。」
「白月先輩もコンビニに用が?」
「うん。ちょっと天馬さんが
体調を崩しちゃってね。簡単に食べれる物か
飲める物でも買ってこようかなって。」
「あ、それならこっちにありますよ」
「えっと…たしかここに…」
「これです!梨の飲み物!」
「…えっと、なんで梨?」
しかもジュース…
梨が発熱したときに水分で
熱を下げるらしくて、
風邪の時にいいのは僕も勉強したけど、
ジュースってのが予想外だな。
「はい!梨は風邪の時に良いらしいんです!
それに加え歯を使うそのままよりも
ジュースにして飲みやすくした方がいいと、
開発部の方からリクエストがありまして。」
「だからジュースか、いいね。」
「ありがとうございますっ!」
「あと、あれあるかな…」
「?あれって…」
「ヨーグルトとか、栄養補給ゼリーとか。
あと風邪薬も欲しいかな」
「ヨーグルトと栄養補給ゼリーは
あるかもですが、風邪薬は薬局の方が
いいかもですね…コンビニでは
簡易的なものしか無いので…」
「そうだよね…
じゃあ僕は薬局に行こうかな。
教えてくれてありがとね」
生徒会役員はコンビニとかでも
お金を払わなくてもいいらしいので、
僕はそのまま立ち上がった。
「はい!分かりました!
こちらこそです」
「花里さんも、お仕事頑張ってね。」
「はい!白月先輩も!」
花里さんに挨拶を済ませ、
僕は薬局へと向かった。
「薬局到着ー!」
「…えーっと、確か
風邪薬はこの棚だったはず…」
「……あ、あったあった。」
「よし、早く部屋に戻らなきゃ」
薬局に行ってから薬を探すまで
そんなに時間はかからなかったので、
比較的スムーズに僕は部屋へ
戻ることが出来た。
「天馬さーん、大丈夫?」
僕が自室に帰ると、
行く前と変わらず3人の姿が見えた。
「あ…白月さん。薬、ありましたか?」
「うん。錠剤と粉と、あとゼリーと…
ヨーグルト、栄養補給の飲み物
とか買ってきたんだけど、食べれる?」
「…はい」
少しの沈黙があったあと、
天馬さんは静かにそう答えた。
「天馬さん、辛いかもだけど
少し起き上がれる?」
僕がヨーグルトの蓋を
開けて準備している間に、天馬さんは
ふらっとなりつつも、
ちゃんと起き上がってくれた。
「…えっと、待ってて、
スプーン持ってくるから。」
キッチンの方から
スプーンを取り出し、天馬さんに手渡す。
「…咲希、どう?」
「おいしいよ。」
星乃さんが聞くと、
天馬さんは短い文を返した。
「白月さん。」
その間に、僕の隣にいた
日野森さんが話しかけてきた。
「ん?どうしたの?」
「咲希ちゃんが異常な速さで魔力切れ、
しかもかなり危険な状態に
なったのって、もしかして_」
「そう。」
「”突発的魔力減少症候群”。」
突発的魔力減少症候群。
それは、ある時突然に魔力が減り、
魔力切れを起こしやすくなる病気。
本当に突然起こるもので、
体調はいいが魔力が無くなり全く魔法が
使えない状態の人もいれば、
天馬さんのように、魔力切れを起こし
体調も悪くなるという状態になる人もいる。
特に、天馬さんの家系は
かなり複雑というか、こんな感じの
病にかかる人が多くて…
天馬さんのお兄さん…天馬司さんは、
天馬さん(妹)とは真逆で、
逆に魔力が溢れすぎる
“突発的魔力過多症候群”にかかっている。
この病のせいで司さんは小学校の時
グラウンドをかなり抉り、
砂嵐を起こさせたという。
兄妹揃ってえげつないなといつも思う。
「…咲希ちゃん、苦しそうね…」
日野森さんがベットに横たわっている
天馬さんを見て、そう呟いた。
「うん…変わってあげたいなんて
言えないけど、せめて苦しみを
軽減するぐらいなら…したい。」
日野森さんとそう話していると、
朝のチャイムがなり、僕も日野森さんも
生徒会室へ向かわなければ
行けない時間になっていた。
「…あ、僕、生徒会室行かなくちゃ」
「私もね…星乃さん、看病頑張ってね」
「はい。白月先輩も雫先輩も
授業頑張ってください」
「何かあったらいつでも
呼んでくれていいから。それじゃ」
そして、僕は日野森さんと
生徒会室へ向かった。
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