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Anti Wonderland✴︎by Alice
【導きの章✴︎第4話】
Beta−Key…試作品の鍵。我ながらピッタリな言葉を見つけたと調子を戻していく「アリス」。ただ、問題は終わったわけじゃない。次はBetaに合う頭文字の色を創色しなくては。
BはBlueだろう。Yもyellowだったし、一旦ね。と自信あり気。先ほどの名推理で調子に乗っているようだ。
E、T、Aの色…。母音が二つ必要だけど、今あるのはオーカーのOしかない。なんだかちょっとずつ惜しいものばかり。残りのナニカの薄い赤も白ウサギのチョッキの色と似てるのに、あとちょっとの所で噛み合わない。
「どーせ謎解きするなら紫やピンク、白とかオーロラ…、もっと宝石に使われるキラキラした色だったら気分上がるのにね。」
文句からころっと表情を変えて、ターコイズ、サファイア、金剛石、ルビー、パール、琥珀、パール、トパーズ、それからさっきのエメラルド!と知ってる宝石を並べてく。話題がそっちのけになってることに気づかないまま。
ありゃありゃそりゃありゃ。どーも白ウサギです、まったく。え?怒ってそう?そらそう起こってるんですよ、「アリス」がこの調子なので問題が進まない問題が。
これじゃあ物語が…ではなくて、読者の皆さんが退屈してしまうので先にお伝えしておきましょう。
今出てきた宝石の中に、水色のターコイズ、黄土色の琥珀があるのですよ。し・か・も、ターコイズ=turquoise、琥珀…アンバー=amberと、それぞれT・Aから始まる宝石でもあり、色でもあります。
つまりお分かりですね?残りはEさえ見つかれば答え合わせというわけで。
まぁ「アリス」がこれに気づくのは当分あとのお話しですが…。
ありゃりゃ?私介入のご都合展開、これすら退屈だってぇ?ならばどーやらこーにか時間を先飛ばしいたしましょうか。普段からひとときばかりの短き動画をすわいぷし、あれよあれよと画面を動かす皆様のために。こちらも時間を済wipeですね、ヨホホホホッ!
あらっ?とナニカを扉の光で透かしてみると、今の今まで話してた宝石のようにキラリと光った。その光を捕らえて、ターコイズだぁ!と「アリス」の瞳も煌っていく。
TやAに気づくやいなや最後の色を睨みつけ、
「最後はあなたよpale red。もう一つEが必要なの。お一つ芸でも見せてくださらない?」
と貴婦人の真似して丁寧に問いただす。まるで自分が最高裁に出席する偉い人かのように。
ただ、罪を犯してない淡い赤は権利を貫くように黙り込む。というかモノが話すわけないのだけど。
「ねぇ白ウサギさん、どっかにいるんでしょ?」
「ヨヨ?あぁ少し未来の「アリス」!今時間と遊んでいた所でしたのに!」
「え?まぁいいか…。この色って貴方のチョッキと同じよね?」
「同じはどこからみてオナジですか?カラーコード、作られた年代、それとも漂う雰囲気?」
白ウサギは時々言葉がめんどくさい。ただわざとではなさそうだから、そういう職業かもしれないよねって自分を納得させる。
「パッと見の色合いよ」
「ならそうですね!ご一緒です!私のチョッキ、花咲く歌姫手掛けた特注品!彼女のようなユーカリ色ですから!」
「ゆーかり…?それって植物のなまえでしょ?反対色じゃない。」
「いーえ!ユーカリ色は明度の強い淡い赤のことですよ。まぁ表記は植物と一緒ですがね」
「アリス」はそんな色無いだろうと思いながら、 不思議な出来事が続く今日ならありえるかもと飲み込んだ。ユーカリ=eucalyptus。丁度Eなんだけど…飲み込んだものが喉につっかえそうになりながら状況整理を始める。
ナニカを順番通りに並べて、さぁこれで小瓶の上文が終了。
あとは正しい時間だけ。
10時の方向にわざわざわざとらしく今の扉が置いてあるということは、3時か9時の方向にずらして床の位置にってことだろうか。
「ここに来てからも何時間か経ってるけど…扉が動いてるようには見えないわね。寝てないから?」
眠るを条件だと考えた「アリス」はゆっくりと目を閉じる。迫り来る水から逃げたこともあり、どっしりと疲れが足に乗ってるような感覚。
「本当にこのまま眠ってしまいたいわ。」
けれども、もしかしたら今から開ける扉の中にふっかふかの上質なベッドがあるかもしれない。そのとき寝ればいいわよねと考えを続ける。
この大広間において、時速だの秒速だの、夜空が時計回りか半時計かなんて大切じゃ無い。だって重要なのは“時間だけ”なのだから。それに、指定があったら書いてあるはずよね…『ただし、摩擦や空気抵抗は考えないものとする』みたいに。
「アリス」は催眠をかけるように自己解釈を声に出した。大きく息を吸い…「アリス」は時間を刻み始める。
…1
、2
3、
4…
…5!
勢いよくまぶたを持ち上げる。
まず気づいたのは手元の小瓶が鍵に変わっていたこと。ナニカが消えた代わりに出てきた鍵…つまりそれって、ベータじゃくて製品版?なんておふざけしながら…ゆっくりと扉を確認する。
「ヨホホ!「アリス」ご名答!景品は…この白ウサギ!!」
「…ほんとに移動しちゃった。」
胡散臭いクイズショーの司会者のような掛け声とともに、リングの扉…正確にはそれ以外の輪郭上にいた扉もぐるっと回転していた。なんなら金のリングは先ほどより磨きがかかっている。
「たった15歳の名推理!あらあらワタクシもぉー感動!輪から内のみんなに伝えなければっ!!」
白ウサギは調子良くドアや窓を移動して歓喜をあらわにしながら扉の奥へと姿を消した。
「あ、ちょ!ちょっとッ!…なんなのよ!捕まって鬼ごっこが終わるかもしれないっていうのになんであんなウッキウキなわけ!?」
他に考えてる余裕もなく「アリス」は鍵穴に鍵を躊躇なくさした。
「いつになったらこのアトラクションは終わるのよっ!」
答えの存在しない問いをかき消すように、扉の先には煙突つきの小ぎれいな小さき家が「アリス」を待っていた。
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