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『私が彼氏を愛する理由と別れる1つの理由』
1月14日。
わたしはネットで大阪の人と知り合った。
知り合ったきっかけは、
いわゆる相手の欲を満たす為。
1月15日。
わたしは大阪の人、ユウくんに告白をされた。
わたしは最初、無理だと断った。
その理由は、
“好きじゃないから”
“男性恐怖症だから”
“遠距離だから”
理由なんて、ほんとちっぽけかもしれない。
だけど、”男性恐怖症”の理由だけは
わたしが治したくても治せないものだ。
だから、無理だと断った。
でも、ユウくんは理解してくれた。
『そうなんだね。でも大丈夫だよ』
『不安にさせないし、寂しくもさせない』
と、優しく理解してくれた。
そんな彼の優しさを断るのは
とても胸が痛かった。
だからわたしは、告白をOKした。
次の日からは毎日のように話し、
話さない日なんて一度もなかった。
話す度に、彼の事情、彼の仕草、
彼の好きなこと、色んなことを知れた。
でもわたしは好きになれなかった。
2月1日。
ユウくんが、こっちまで会いに来てくれた。
でも、わたしは最低なことをした。
最初は良かったんだ。
好きじゃないけど、愛してもないけど、
甘えることができたんだ。
でも、わたしは突然に男性恐怖症の発作が起きた。
冷静にもなれなく、
わたしはユウくんから離れた。
離れたのに、怖くて、怖かった。
やっぱりわたしは男性恐怖症だったんだ。
そんなこと、考えることもできなかった。
ただただ、怖くて、
怖さに戦うのに必死。
だが、わたしはその怖さを抑えられなかった。
抑えられなかったんだ。
わたしはユウくんを警察に突き出した。
最低なことをした。
ユウくんは悪くなかった。
いや、どこも、何も悪くない。
そんなユウくんを、警察に連絡し、
警察に突き出した。
わたしが冷静になれなかったせいだ。
わたしが障害者だったせいだ。
わたしが男性恐怖症だったせいだ。
わたしがパニックになったせいだ。
わたしが、わたしが…。
全て悪いんだ。
事情聴取は長く、夜の23時まで続いた。
なぜなら、その理由は知ってる。
わたしが、冷静になれないせいで
わたしが、上手く喋れないせいで
事情聴取が長くなったんだ。
わたしが、警察署に行っても
ずっとパニックのせいで、
冷静になれないせいで…。
ユウくんのお母さんも
わざわざ警察署まで来てくれたそうだ。
もちろん、遠い大阪からここまで。
ほんとに、ほんとにわたしは、
馬鹿なのだろう。
なぜ、学校の友達が自殺をする時に
わたしも連れて行ってくれなかったのだろうと、
不思議に思ったくらいだ。
わたしの母親も、ユウくんの母親も、
もちろん激怒。
だって、ユウくんは悪くないのに
わたしが男性恐怖症のせいで
突然警察を呼んだから。
わたしがこの事をきちんと理解したのは
家に帰って、寝る前で布団に入った時のことだ。
警察に電話したこと、親に怒られたこと、
ユウくんとしたこと、
布団に入った時に思い出された。
わたしはパニックで、
どうして警察署にいるのかすら、
理解してなかった。
布団に入って、わたしは我に返り、
全てのことを理解し、思い出した。
まるで意識が戻るかのように。
そしてわたしは涙が溢れた。
わたしが、悪かったのだと。
わたしは、最低なことをしたのだと。
わたしが、罪を犯したのだと。
『う”ぁ”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!!!!』
泣き叫んだ。
叫んでしまったんだ。
後悔と同時に、わたしは睡眠薬を飲む。
その薬の数は異常な数。
いわゆるオーバードーズ。
わたしの手は止められなかった。
初めてのオーバードーズ。
いけないこと、ダメなこと、どうなるか、
そのくらいわかってた。
死を争うことくらいも、わかってた。
でも、わたしは死ぬために、楽になるために、
罪を償うために、睡眠 薬を飲んだ。
大量摂取をした。
だが、わたしは死ねなかった。
罪を償えなかった。
その日からわたしは、
オーバードーズを繰り返すようになった。
ユウくんとは連絡を取り合い、
何度も謝った。
でも、わたしの気持ちが晴れることはない。
わたしが彼氏を愛する理由と別れる1つの理由。
わたしはユウくんと別れた。
その1つの理由は、
“罪を償いたいから”
愛する理由なんて、いくらでもあった。
でも、別れる1つの理由が勝った。
勝負に、別れる理由が勝ったんだ。
だからわたしは、 罪を償うために、
わたしはユウくんの幸せを願い、
オーバードーズを続ける。
〜完結〜
1話だけのお話。