設定
ナカム
得意な魔法属性は氷。
リーダーに憧れを抱いていてリーダーのように先陣を切って動くこともあるが、やらかすことも多く、頼れるリーダーにはなれていない。
みんなが頼れるリーダーを求めていると思っているため自己評価が低く、たまに暗い考えに囚われてしまうことも。
ぼーっとしているときはただ集中していないだけか、あえて何も考えないようにしているかどっちか。
普段は元気で活発。みんなを引っ張る力は備わっている。
昔から座学(勉強)が苦手で、方程式に囚われない魔法に熱心に取り組んでいたため、様々な魔法を一応使うことができる。
その中でも一番性に合っているのは母や父が使う氷魔法だった。
親は有名な魔導士というわけでもなく、そんじょそこらの一般人。
金持ちでも貧乏でもなく、ごくごく普通の家庭。
厳しくも優しい両親からきちんと愛を受けて育った。
ブルーク
得意な魔法属性は火。外国人で身長が高い。
多くの偽りの愛を受けそれに飽き、質のいい愛を求めている。
第3王子で、周りの人間が媚を売ってくることに嫌悪感を抱いているため、気を使われたり表情を見られたりすることが苦手。
目を合わせて話そうとせず、いつも会話相手の額辺りを見ている。
御家柄のこともあり若くして婚約相手がいるが、相手には別に好きな男がおり、それを知っていて心置きなく家を出る(脱走)。
自国の情報が自分の元に一切入ってこないようにしているため、捜索されていることを知らない。
王族特有の堅苦しい雰囲気と関係が苦手で基本的にフラットな関係を好んでいる。
ドレスコードより下町に出てから知ったシャツやパーカーが好き。
王家は代々火属性で、勉学も魔法も優秀。でも勉強は嫌い。
主に遠距離系のエイムと集中力が必要とされるものを得意としている。
シャークん
得意な魔法属性は風。
スラム街出身で、生きるか死ぬかの生活を強いられていた。
人を傷つけることも盗みをはたらくことも当たり前で、それによって街の大人に躾として酷い目に合わされることも多く、ある時防衛反応で魔法が発動。
それを気に独学で魔法を学ぶ。
魔力量はそれほど多くないがセンスは一級品である。
ある時街外れに敷かれている線路を見つけ、それを辿り朝から遠くまで探検に出たところ、夕方にごく普通の村に辿り着く。
その村は温かい雰囲気で、各々の家から漏れ出る明かりが、やけに浮くボロボロな格好の彼を出迎えた。
初めて見る綺麗な家々に驚き放心していると後ろから声がかかる。
そこからナカムの家にお邪魔することになった。
子供の頃の環境が良くなかった故にところどころ抜けているが、ナカムや彼の両親のお陰で優しい心を持つ。
きんとき
得意な魔法属性は回復、水。
明るい母親の元で育ち、窮屈な生活ながらも幸せに過ごしていた。
母親が夫の兄に無理やりされてできた子供。
夫に相談するも、妊娠してしまってという一言目で浮気だと跳ね除けられ、離婚。
小さな命を潰せず、そのまま生んだという災難な経緯で生まれてきた。
容姿は母親に似ており、気づかいができる善良な子。
育ててくれた母に感謝しながら毎日生きている。
家を出る気は一切なく、60代に差し掛かろうとしている母親に尽くそうと考えていたが、母親に
「私ばっかりに構ってたら良い出会いも見逃すよ。大丈夫。あなたの助けが必要になったら呼ぶから、その時は帰ってきてね。」
と諭され、母の言う出会いを求めて旅に出る。
週一で仕送りを送っている。
スマイル
得意な魔法属性は闇。
赤ん坊の頃に孤児施設に保護された。
元々の出身である集落で語り継がれていた魔女に祖母が酷似しており、そのいざこざもあって、両親をなくしている。
魔女とは災いを呼び起こす存在で、闇魔法の使い手。
豪雨、流行り病、干ばつなど、起こることすべてが魔女の仕業だと言われており、祖母は闇魔法を取得した瞬間から目をつけられていた。
子供を産んだ瞬間に息絶えてしまったが、集落の人間は魔女が死んだと喜んだ。
だがそこから30年後また災いが増え始め、子孫であるスマイルの母が殺されることに。
夜中にスマイルを抱え夫と逃げ出したが、途中で地震が起きたことによって土砂崩れに巻き込まれてしまった。
スマイルだけは無事だった。
そのことは一切知らない。
勉強も魔法も施設では一番できた賢い子。
自分がどうして、何があって生まれてきたのか、分からないまま日々を過ごしている。
きりやん
得意な魔法属性は光。祖母が魔女の妹である。
スマイルと親戚に位置しているが、スマイルが魔女のことを知らないためお互いに認知することはない。
集落から離れた街で、優しく、おおらかな性格の父の元で育った。
母はきりやんが3歳の頃に持病の悪化で亡くなった。
きりやんは自分に似た女性がうっすらと残っている記憶を大切にしており、忘れてはならないと6歳頃から毎日「おいで」と微笑む女性の姿を思い返している。
昔によくギルド活動をしていた父にやってみたらどうだ誘われ、何気なく役所に行きギルド勧誘のチラシを見ていると
今は5人!まだあとちょっと募集中!!
と書かれた紙に目がいった。場所は少し遠いが、ここに貼られてるということはこれくらいの距離なら許容範囲なのだろうと思いながら、とりあえずそのギルドの本拠地へ向かった。
ギルドでは依頼、金銭の管理をしている。
サブリーダー的立ち位置。
ナカムとシャークん
ベッドに寝転んで布団を頭まで被る。
どうせ意味もないであろう思考がぐるぐると回り続けて非常に不快だった。
(何も考えるな…俺はうまくやってる)
そう思っても留まることを知らない自分への嫌悪感は存在意義を疑わせるものにまで膨れ上がった。
(考えるな考えるな考えるな)
自分に言い聞かせるかのように念じ、膝を抱え込むようにして身体を丸めた。
(大丈夫…俺は、大丈夫だ)
「ナカム」
何度も聴いた、心地よい低い声が鼓膜を揺らす。
「手、出して」
そう言われ、布団の中から手を伸ばした。
冬の少し冷たい空気に指先から凍らされていくような感覚がする。
すると突然、ヒヤリと冷たい少し柔らかいものに手が包まれる。
「手あったかいな。俺の手は冷たいから…羨ましい。」
どうやらシャケが俺の手を両手で包んでいるようだ。
さらさらと少し乾いた音が耳に入る。
摩擦によって生まれる熱が元から温かい俺の手をさらに温めた。
「いつもありがとな…」
なんていう些細な言葉に涙腺を緩める。
あまりにも今の俺が欲していた言葉そのものだったので、耐えきれなくて、見られていないことをいいことにみっともなく泣いてしまった。
「…ナカム」
名前を呼ばれる。
丸めていた身体が布団越しに感覚を拾う。俺はいま、抱きしめられている。
「お前はすごいよ」
耳元でそんなことを言うものだから、あまりに恥ずかしくて、もういいよ…。と呟いた。
ブルークときんとき初対面
「え、第3…」
「あれぇ?分かっちゃうもんなの?」
「いやそりゃあ分かりますよ。行方不明って報道で言ってましたけど…大丈夫なんですか」
「大丈夫〜、家出だから」
「だいぶ大々的に捜索されてますよ貴方…こんなところに居るなんて分からないでしょうけど…」
目の前でへらへらと笑うのは俺が住んでいたところの支配権を持っている国の第3王子だ。
一度だけ村を訪れて来たのでなんとなく覚えているが、こんなに緩い雰囲気ではなかったはずだ。
「ナカムのギルド入るんでしょ?僕先輩になっちゃうねぇ〜」
「まぁ、そうですね」
「ていうか敬語やめてよ!ブルークって呼んでくれて大丈夫だから!」
「えっ…じゃあ、ブルーク…」
「うん!」
名前を呼ぶと嬉しそうに、にへっと笑いを溢す。
今じゃパーカーを着ているが昔はもっとカッチリとしたシワ一つない王族様の象徴のような服を纏っていた。
髪も丁寧に固められ、睨みつけるような目が、サバサバとした言動が、酷く冷たいものに見えて、正直苦手だった。
(俺が知ってる第3王子じゃない…)
そう思いながらブルークの目を見つめると、すぐにフイと視線をずらされた。
「そうだ、君の名前は?教えてよ」
要件を思い出した様にこちらを向き直してそう言った。
不思議と目は合わなかった。
お互いちゃんと見ているはずなのに、変な感じだ。
「俺はきんとき。水と回復が得意なんだ、よろしく。」
「へぇーきんときね!よろしく!」
サッと手が差し出される。
これは握手を求めているのだろう。
手をそうっと出すとぱっと握られてしまった。
俺より少し冷たい手はとても綺麗だった。
それこそ男っぽく骨ばっているわけでもなく、細い透明感のある手だった。
あまりにも男のものとは思えないもので魅入っていると、ブルークの手がじんわりと温かくなっていく。
「き、きんとき…?」
ハッとして前を見ると恥ずかしそうに頬を赤らめたブルークが斜め下を向いていた。
「あ、ごめん…つい…。綺麗だったから」
ぱっと手を離すと、ブルークは力なくへにゃりと笑った。
「そんなこと言われたの初めてだよ…。」
ブルークは両手を顔の前に持ってきてまじまじと眺め始めると、暫くした後俺の手を取った。
背の高いブルークが俺の手を目の前に持っていくので腕を持ち上げられる。
「きんときの手は漢って感じがする。…皮膚厚いね。」
にぎにぎと手を触られて観察される。確かにこれはそこそこ恥ずかしいかもしれない。
「俺は自分の手そんなに好きじゃないんだけど…」
「そうなの?働き者の手って感じでカッコいいけどなぁ~」
「…ありがとう」
真正面から褒められてしまってどう返せばいいのか分からなかった。
俺がそう言ってからは会話がなくて、それでもブルークは俺の手をずっと触っていた。
嫌ではないし、なにか急ぎの用事があるわけではなかったので、手が痺れてくるまではそのまま暫く好きにさせることにした。
ブルークは俺の手をずっと見ていてこちらのことは気にも留めていないようだった。
…ブルークは美人だ。
水晶のような、美しくも儚い透明感がある。
まつげは長いし肌は程よく白い。
昔と違ってふわふわとしている髪が風に揺らされている。
ふと触りたいなと思った。が、思いのままにできる身長ではなかった。
…今度触らせて貰おう。
コメント
2件
なんか面白そうな設定ですね〜!あさんの書く設定めっちゃ好きです!