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次の日、教室に入るとすぐにイレブンとセーニャはお互いを見つけ、にっこりと微笑んだ。ランドセルから交換日記を取り出し、そっと渡し合う。いつもは普通に話せるのに、日記の交換となると、二人はなぜか少し照れてしまう。
「セーニャちゃん、昨日何を書いたんだろう?」イレブンは日記を受け取ると、期待と少しの緊張で心臓が速くなるのを感じた。
「それは…帰ってからのお楽しみです。」セーニャは少し照れた様子で微笑むと、小さな声でつぶやいた。「でも、イレブンくんが喜んでくれたらいいなって思いながら、書いたんですよ。」
授業中も、二人の頭の中には交換日記のことが離れない。早く家に帰って、お互いの気持ちを知りたいと思いながら、時計の針が進むのを待っていた。そして放課後、いつものように二人で並んで帰りながら、また公園で少し遊んでから家に帰ることにした。
家に帰ると、イレブンはランドセルから交換日記を取り出し、ドキドキしながらページを開いた。そこには、セーニャの小さくて綺麗な字が並んでいた。
「イレブンくんへ」
イレブンくん、昨日も楽しかったですね。公園でお城を作ったのも、イレブンくんと一緒だったから、すごく素敵な思い出になりました。
イレブンくんといると、なんだか心がぽかぽかします。いつも一緒にいてくれてありがとう。これからも、ずっとお友達でいてくださいね。
セーニャより
読み終わったイレブンは、心がじんわりと温かくなった。セーニャの言葉が嬉しくて、自然と笑顔になっていた。
「セーニャちゃんも、僕と一緒にいると楽しいんだ…」イレブンは少し恥ずかしくなりながらも、彼女に何かお返しの言葉を書きたいと思った。彼もまた、ランドセルからペンを取り出して、返事を書くことにした。
「セーニャちゃんへ」
セーニャちゃん、日記ありがとう!僕もセーニャちゃんといると、なんだか楽しくて、安心するよ。
昨日、公園でお城を作っている時も、本当に楽しかった。セーニャちゃんといると、時間があっという間に過ぎちゃうね。
僕も、これからずっとセーニャちゃんと一緒にいられたらいいなって思ってるよ。毎日ありがとう。
イレブンより
交換日記を通して少しずつお互いの気持ちを伝え合うイレブンとセーニャ。彼らは、日記を書く度に二人の間に小さな絆が生まれていくのを感じていた。
次回は、イレブンとセーニャが初めて「二人だけの秘密」を共有するお話。どうぞお楽しみに!