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梶橋龍彦は、元は有名商社である三石商事に籍を置く、営業成績トップのセールスマンだった。

しかし、トップになる為に、かなり悪どい事にも手を染めており、お世辞にも善人とは言い難い人物であった。

梶橋が在籍していた時には、売上金が盗まれてしまうという事件も起きており、警察の調査によって梶橋へ疑いの目が向けられたが、証拠不十分により不起訴になっている。

そんな梶橋が三石商事を退社した後に行った事、それは、トップセールスマンにまで上り詰めた、その巧みな話術を用いて人を騙し、金を巻き上げる詐欺師だった。

主に女性をターゲットにした結婚詐欺を得意としており、その被害総額は数億円にものぼると言われ、警察によってマークされていた。

そんな梶橋はここ数年は表舞台からは姿を消して息を潜めていたが、最近になってまたその姿を確認されるようになった。

今はバーRAMのオーナーとして通っているが、裏では本番行為を前提とした、いわゆる裏風俗で行われている売春行為の斡旋を行っている。

その裏風俗での売春に加担している、または半強制的に加担させられているとの疑いがあるのが、行方知れずとなっていた金森梓の母こずえである。

実際にこずえは消費者金融からかなりの額を借金しており、それを梶橋が全額肩代わりして返金している。

それを理由に加担している可能性は大いにある。

ブランド物の衣服も梶橋から買い与えられている様で、無関係とは言い難いだろう。


一通りおさらいを終えた一同は頭を抱える。

「でもやっぱり、すぐに向かうべきじゃないですかね?警察からマークされてるようなヤツが、ずっと同じ場所で大人しくしているとは考えにくくないですか?」

駿の問いかけに探偵は悩んでいる様子で考え込む。

「でもそうなると先生が危なくない?」梓が駿に不安な眼差しを向ける。

「そうだよ!そんなヤバいヤツが居る場所に駿くんが1人で行くなんて!ヤ○ザみたいな人だって居たよ?」

「そうそう!まじで危ないって!」聖奈と沙月も梓同様に駿を心配する。

「皆川さんがひとりで・・・」探偵は何かを考え込む様に書類を眺める。するとおもむろに立ち上がる。

「少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか?皆川さん!」

「ええ・・かまいませんけど、どうかされたんですか?」

「もしかしたらですが、警察に協力を要請できるかもしれません」

「え?警察!?」駿は驚いた様に目を見開く。

「この梶橋のファイルを提供していただいた警察関係者は、長年梶橋を追っている方でして、事情を話せば協力をあおげるかもしれません」

探偵からの思わぬ提案に歓喜に沸く一同。

「本当ですか!?」駿は立ち上がって目を見開く。

「でも大丈夫なんですか?警察が動くってなると、この梶橋はもちろん逮捕でしょうし、そうなれば金森さんのお母さんも只では済まないんじゃないでしょうか?」つかさは頭で考えている不安を口にする。

「た、確かに・・それはマズいですよね」

駿はつかはの言葉で冷静になり、再び考え込む。

「だったら駿くんに1人で行かせるの?」沙月が皆に言う。

「それは危険です!」探偵が口を開く。

すると聖奈が「別にいいんじゃない?警察に協力してもらえるんなら、こんな良い事ないよ」と口を開く。

「話聞いてた?聖奈!警察が動けば、梓のお母さんだって無事じゃ済まないんだってば!」沙月が聖奈に詰め寄る。

「まだ梓のお母さんが関わってるって決まったわけじゃないじゃん?それに、やらしい話になるけど、仮に協力してたとしても

警察に無理矢理やらされてました!って警察に言えば信じてもらえるでしょ?警察って女性には寛大で甘いから」

風刺に切り込む聖奈の言葉を皆が黙って聞く。

さらに聖奈は

「痴漢の冤罪だって似た様なもんじゃん?相手がいくらやってないって言ったって、女が触られたって言っただけで男の人は逮捕されるじゃん?

今回の件だって、全てこの梶橋って人に全責任を擦りつけて、被害者に徹すればいいんだよ

警察だって善良な一般市民と、前科だらけの元詐欺師を天秤にかけたら、梓のお母さんの事を信じるでしょ?

おっさんの犯罪歴をうまい具合に利用しなきゃね」と続け出されたお茶をすする。

そして聖奈の発言を聞いた皆は、空いた口が塞がらないと言った様子で聖奈を見つめる。

「あれ?私・・なんかヤバい事言っちゃったかな?」聖奈は冷や汗をかく。

「最近の高校生って末恐ろしいわ・・そんな事考えてるの?」つかさが引き攣った顔で言う。

「ち、違うからね?私だって、駿くんみたいに人が良い人にはしないよ?でもこのおっさんは違う!

結婚詐欺なんかやって散々女性を泣かせてきたんでしょ?それに今だって売春なんかやって、女性を利用してお金稼いでるんでしょ?

こんなやばいやつ野放しにしてる方がヤバいじゃん!問答無用で牢屋にぶち込まなきゃ!でしょ?」

聖奈は焦った様子で弁解する。

「ま、まぁ、警察の方には、金森こずえさんは被害者だと予め伝えておく事も可能ですし」

探偵は苦笑いをしながら聖奈をフォローする。

「それを先に言ってくださいよ・・私がヤバい奴みたいになっちゃったじゃん・・」

聖奈は不貞腐れた様子でうつむく。

「わかってるよ聖奈!聖奈がそんな人じゃないって事くらい!私の為に言ってくれたんでしょ?ありがとう聖奈!」梓が微笑みながら聖奈の手を握る。

「あ゛ずざぁーー(泣)」聖奈は梓に抱きつく。

しかし駿は内心「風俗から出てくるところを見られるたのが秋根だったら・・俺どうなってたんだ?」と恐怖していた。

「皆川先生?どうかされました?顔色悪いですよ?」つかさがそんな駿に心配する素振りを見せる。

「あ、いや、なんでもないです・・あはは」 駿は皆に悟られない様にハンカチで溢れ出る汗を拭う。



それから探偵により警察に出された協力要請は見事に受理され、後ほど合流した刑事2名と打ち合わせをする。

そして伝えられた作戦からするに、駿たちに警察が協力するというより、梶橋を逮捕したい警察の潜入捜査に駿が協力するという方が正しいだろう。

刑事が提案した作戦の主な概要はこうだ。

まずRAMに、金森こずえが来店してくると思われる22前後に駿がひとりで普通の客として入る。

警察が動いていると梶橋に悟られてしまうと、逃げられる危険性が高まる為、刑事は離れた箇所で

、駿に予め装備させているワイヤレスイヤホンで刑事が逐一指示を出す。

しかし、ワイヤレスイヤホンだけでは駿から刑事への会話は出来ない為、ポケットに忍ばせた無線機でRAM内部の情報を駿から警察へ伝達する。

そして金森こずえが来店してきたら、駿が教師である事を伝え、外へ連れ出す。

その瞬間に刑事がRAMに突入し一斉摘発する。

しかし、潜入捜査がバレないと言う保証はない。

したがって、駿に危険が及ぶと刑事が判断した場合は、問答無用で突入する。こういった流れだ。


「でもそれじゃ・・皆川先生が危険な事には変わりないんじゃないですか?」つかさは刑事に不安な表情で言う。

「しかし我々はあくまでも梶橋逮捕の為に協力しているんです!梶橋を逃してしまっては元も子もない!皆川さんには危ない橋を渡ってもらう事にはなりますが、我々も皆川さんに危険が及ばない様に尽力いたします」

刑事はつかさに深々と頭を下げる。

「で、でも・・・」刑事の言葉を聞いた梓はうつむく。

「大丈夫だよ!元々1人で行くつもりだったんだ!お母さんをアソコから救い出して、梶橋を逮捕する為にはこうするのが最善なんだよ!」駿は梓の頭を撫でながら言う。

「でも・・私は嫌だよ・・何かあったら・・」

「安心してください!皆川さんは我々が責任を持ってお護ります!」刑事は梓の目をまっすぐ 見て言う。

「本当なんですか?先生が危ない目に遭ったりしないんですか?大丈夫なんですか?」

梓は涙目になりながら刑事を問いただす。

「大丈夫です!決して先生に危害が及ぶ事の無いようにサポートします!ですので我々に任せてもらえませんか?お願いします!」

2人の刑事は梓に深々と頭を下げる。

しばらく黙り込む梓だったが「わ、わかりました・・先生を・・先生をよろしくお願いします!」と涙を流しながら頭を下げる。

そんな梓を聖奈と沙月、つかさは黙ってみるめる。

恋心を抱く意中の相手に危険が迫っているという状況は梓にとって、胸が張り裂けるほどに辛い状況だが、梓はそんな自分の気持ちを押し殺して刑事の作戦を受け入れる。

そんな梓の恋心を理解している3人だからこそ、ここは踏ん張って梓を見守る道を選んだ。

一番辛いはずの梓が耐えているのだから、我々も耐えるしか無い。耐えなければならない。

それから時間は過ぎ、ついに作戦を決行する時がやって来た。


Forbidden Love(ノベル版)

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