私が指し示す先に、躊躇なく歩みを進める中条太一にただ身を預ける。
冷えた身体が大げさに感じ取るのは触れ合ったところから伝わる熱で、それがやけにリアルで、醒めていく頭とは反対にドクドクと鼓動が大きくなるのを感じて、身体が強張った。
「寒い?」
勘違いしている中条太一は心配そうに言って、より一層、私の身体をしっかりと抱き上げた。
違うと否定しようにも、本当の理由を話せるはずもなく押し黙る。
そして足を止めた中条太一はお姫様抱っこという恥ずかしい状態から私を解放した。だけど心臓は一向に落ち着きを取り戻すことはなく、見慣れた自分の家の浴室にごくりと喉がなった。
「大丈夫?」
それはどの状態を示す大丈夫?だろうかと、私は混乱した。
ずぶ濡れになった男女がバスルームで二人きり。彼の言う大丈夫がこのまま先に進んでしまう事の最終確認だとしたら、私は――
「……大丈夫、じゃない」
だって*****
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