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朝起きて
目が覚めて
歯を磨いて
朝食を食べて
学校に行って
授業を受けて
塾に行って
家に帰って
勉強して
そして死ぬ
繰り返し繰り返し
絶えることなく続けている
苦しみからも絶望からも拒絶されたセカイ
喜びも悲しみも
怒りも叫びも
全てこのセカイでは無意味
だってみんな死んでるから
俺だってそう
みんな死んでいる
なんでかって?
それは自分で考えてみてよ
気がつくと朝だった
また悪夢を見た
毎日毎日同じ夢を繰り返している
正直気味が悪い
ふらふらとおぼつかない足取りでリビングに行き味のしない朝食を頬張る
制服に着替えて学校に行く
歩いていたその時だった
雨が降ってきた
最悪だ
バッグを開くが傘なんてあるわけがない
仕方なく雨が強まる中走る
俺は自分がどれだけ運動が出来ないかを把握していなかったようだ
俺は走っていたから思いっきり躓いた
しかもそのままバランスを崩して今地面に向かって落下している
最悪だ
受け身もろくにとれないので俺は目を瞑った
はぁ……
今日も残業か………
最近徹夜しかしてないや……
まともな睡眠とったのっていつだっけ…?
あぁ5日前か
あの日は3時間も寝れたんだよな
上司 これもやっといて
そう言われて渡されたのは書類の山
今日も家には帰れないかな…
上司 返事は?
「はいわかりました今日もお疲れ様です上司」
上司 あぁ
上司がオフィスを離れた後俺は自分のデスクに座り目の前に高くつまれた山々を見てまた溜息を吐いた
いつになったらこの生活を辞められるんだろうな…
俺は自分の頬を両手で叩き気合を入れ直してからまた書類とpcを睨みつけ仕事を再開した
何時間経っただろうか
気がついた時には俺は天井を見上げていた
どうやら寝ていたようだ
まだ仕事が残ってるか早くやらないと…
あれ?
体が動かないな
だんだんと瞼を開くことにも疲れてきた
目の前が暗くなって
音が聞こえなくなって
だんだんと無になっていき
俺は意識を手放してしまった
カチッカチカチッ
マウスのクリック音が一つの部屋に鳴り響く
暗い部屋に一つの大きな画面から出る光が部屋の淡く照らしている
画面には大きくwinnerと表示されていた
忙しくマウスを操作していた人は机に置かれている飲みかけのエナドリを口に含みまたpcを見ている
するとどうしたのだろうか
急に彼は動かなくなった
アレ…
ナンデコンナニ息ヲスルノガ苦シイノ………?
「ハァッカハッハアァッ…」
彼の浅い呼吸音が部屋に小さくこだまする
そして彼は椅子から滑り落ち床に伏せた
彼は肩を大きく上げ下げし呼吸を取り戻そうとするがその努力は無意味だった
さらに悪化していく呼吸に混乱している彼は気がついた時には自分がすでに冷たくなっていた
熱い…
熱いっ
お母さん!
お父さん!!
家が燃えてるよ!!
なんでお母さんもお父さんもどこ!
ねぇ!!!だれかお母さんとお父さんと僕を助けて!!
熱いよ…苦しいよ………
体が溶けちゃうそうなくらい熱くて苦しくて僕は倒れた
どんどんと床が崩れ落ち僕の足元にも火が迫ってきている
僕は目の前の赤を最期まで見続けていた
物心ついたときには人を殺していた
俺は孤児で引き取ってくれた親が殺し屋だった
だから俺も殺し屋になった
そう教育させられた
人のために人を殺す
最初は依頼者には感謝をされていた
だが最期の俺に向けられたのは人殺しという称号と死刑という罪状だった
俺はまだ死にたくないので脱獄した
死刑囚が脱獄したため今頃刑務所は大騒ぎだろうな
走って走って走って
ようやく安全な場所に辿り着いた
そう思った
それは俺の思い込みだった
急に気分が悪くなって俺は吐いた
吐瀉物には大量の血が入り混じっていた
喉の奥が焼けるように痛い
体中刺されているような痛みが走る
俺は痛みで立っていられなくなり倒れた
そしてそのまま毒に侵され俺は意識を失った
倒れたはずなのに体が衝撃を感じていない
どういうことなんだ?
まぁいいや
俺は恐る恐る目を開くと森の中に倒れていた
急いで体を起こすと空は晴れていて森は薄らと光輝いていた
どこだ……ここ…………
動揺する俺は仕方ないのでとりあえず探索をすることにした
森の中をしばらく歩いていると急に辺りが開けた
何かの跡地なのか瓦礫の残骸が至る所に転がっている不気味な場所に出た
瓦礫の痕跡から推測するにこれは数日前とかいう次元のものじゃない…数100年とか経ってそうな感じの瓦礫
まぁこんな風に言ったって伝わんないと思うけど
廃墟なのかわからないが建物らしき残骸や井戸などの名残りなのか至る所に生活したていた痕跡が残っているがそれら全ては草と苔に覆われて埋もれている
跡地は大きな草原になっていて石レンガや木の屋根などが時折顔を出している
俺は草原を歩く
ひたすら歩く
足元を見るとぎりぎり道みたいなところがあるのでとりあえずそれに沿って歩いている
空は青く風は涼しい
ふと大きな建物が目に入った
周りは瓦礫ばかりなのにその建造物だけは原型を保っていた
俺は誘われたかのように中へと足を進めた
中はボロボロだった
家具と見られるものが残されているが全て色褪せている
昔は豪華だったであろうカーテンも今ではただの布切れとなっている
俺は迷う事なく探索をした
その時に2階へと続く階段を見つけた
だいぶ木が腐っているようで俺が歩いた瞬間ミシミシと軋んだ
2階の一角
ある部屋から太陽光ではない光が漏れ出ている
俺は人がいるかもしれないと言うわずかな希望を見出しそこに走っていった
その瞬間
ミシミシッギシッ……
ガラガラガラッ
足場が崩れ俺は頭から落ちた
突然の出来事に俺は声を出すことも出来ず
死を自覚した
あぁこれ死んだ
俺の人生短かったなぁ…
ゆっくりと降下する体と共に俺は瞼を閉じた
? おい生きとるか?
声が頭上から聞こえ俺は恐る恐る眼を開いた
黄色いパーカーに茶髪で頭には天使の輪っかのような物をつけている
らっだぁ 俺死んだ…?
? 死んどらんがなw
どうやらこの人に助けてもらったみたいだ
俺は彼の腕から地面に下りた
? お前さん危なかったな
らっだぁ 助けてくれてありがとう
? ええって
? でお前さん名前は?
らっだぁ あー俺の名前は”らっだぁ“
らっだぁ よろしく
? …
らっだぁ 君は?
? ……
らっだぁ ?
らっだぁ おーい?
? えっあぁ…すまん
? 俺の名前は
きょー 金豚きょーやよろしくならっだぁ
らっだぁ じゃあきょーさんだね
きょー !……
らっだぁ ん?どうかした?
きょー いや…なんでもない……
「……?」
俺はきょーさんに着いてこいと言われて後を着いて行った
大きな建物から離れて平原を歩く
しばらく沈黙続いた俺はきょーさんに気になったことを聞くことにした
らっだぁ あのさいくつか聞きたい事があるんだけど聞いてもいい?
きょー あぁええで
らっだぁ じゃあまず一つここはどこ?
きょー ここは見ての通りの国だったんやけど……今ここは廃墟になってしまったんや
きょー そこらじゅうに瓦礫が転がってるやろ?
まぁ確かに見渡す限り瓦礫がある
この瓦礫たちは昔の国の家の名残ってことだろうか
らっだぁ へぇ〜
きょー なんや興味なさそうやな
らっだぁ 別にぃー?
らっだぁ じゃあ二つ目質問するよ?
きょー おうなんでもいいで
らっだぁ きょーさんは…天使ですかね?
きょー あぁなんやそんなことやったか
きょー 俺は堕天使やな
きょー 数千年前に主人となる人物に仕えて天界から舞い降りたんや
数千年前って…いまいくつだよ
らっだぁ いまいくつ…?
きょー 数えんの飽きたからなぁざっと八千年くらいやないか?
八千年……
じj_____これ以上はやめておこう……
きょー 今失礼な事考えてたやろ?
らっだぁ いや?何も?
きょー きょどってんやないか
らっだぁ ww
そんなこんなでしばらく雑談して歩いていた時だった目の前に神殿のような真っ白い建物が見えてきた
らっだぁ ねぇあれなに?
きょー あぁあれは聖なる場所?
なんだその曖昧な答え方ww
俺たちはその聖なる場所に踏み入った
ふわりと風が俺の髪を撫でた
見た目とは裏腹にめっちゃひろい
らっだぁ わぉ
思わず声が漏れた
きょー まぁ驚くかw
らっだぁ きょーさんはここに住んでるの?
きょー まぁそんなとこやな
らっだぁ すげー
きょー ここは俺と数人で管理しとるんやが今はおらんみたいやな
らっだぁ へぇー
きょー お前さんの部屋でも案内行くか
らっだぁ え?俺ここ住んでいいの?
きょー え?
らっだぁ え?
きょー 嫌ならいいけど…
らっだぁ いやそう言う意味じゃなくて俺無一文だよ?
きょー 別に金とらんわ
らっだぁ 俺助けてもらった挙句家も貸してもらえんの…?
きょー あぁそうやけど?
らっだぁ 俺騙されてない?夜食い殺されるとかないよね…?
きょー そんなことせぇへんわww
さっき会ったばっかの人間に優しすぎないか?
と疑問を抱いたが彼と目が合った……その瞬間俺の疑問は晴れた
彼の瞳には悪意が感じ取れなかった
なのでその優しさに今は甘えておこうと思う
らっだぁ ありがとねきょーさん
きょー 全然ええよw
俺はきょーさんの連れられてこの聖なる場所?の案内をされた
キッチン、リビング、風呂場、トイレ、寝室……
最後に俺は自分の部屋に案内された
部屋は埃が一切無くとても綺麗な状態で保たれていた
それこそ俺がこの部屋を使うのが勿体無いくらいに
らっだぁ あのさ…
らっだぁ 本当に俺が使っちゃっていいの…?
きょー あぁええで
きょーさん俺にこの場所の簡単な説明をして部屋を出ようとした
きょー あぁそうやった
らっだぁ なに?
きょー 多分今日の夕方から夜にかけてみんな帰ってくると思うから
らっだぁ はーい
きょーさんが部屋を出ていき俺だけの空間が広がる
窓を開くと白色のカーテンが靡くと同時にそよ風が入ってきて部屋を埋め尽くす
草木の香りと懐かしい匂いに力んでいた体から力が抜け俺はベッドに座った
だんだんと暖かい陽気に俺は包まれて瞳を閉じた
涼しげな風が俺の頬を掠った
ひんやりとしていて気持ちいい
俺はゆっくりと瞼を開けて体を起こした
いつの間にか寝てしまっていたようだ
外はすっかり闇に包まれていて部屋は薄暗い
電気を探そうと立ち歩いた瞬間だった
足に何か暖かいものが触れた
なんだろう?と思い俺は見えていないそれを触る
俺が触るともぞもぞと動いた
そして俺の手を何かが握った
暗くても見えた
緑色の彼の笑顔が
俺は彼から離れてドアのとなりに付いているスイッチを上げた
電気がつき彼の顔がはっきりと見えるようになる
緑色の大きな魔女の帽子?に白く長いローブ、エメラルドグリーンの瞳が真っ直ぐ俺を見ていた
? オハヨ
らっだぁ うんおはよ
? オレノ事覚エテル?
覚えてる…?とは?
この人と俺って初対面じゃないっけ……
どっかで会った事あったっけなぁ?
必死に思考を巡らせるが答えは出ない
「緑色…」
らっだぁ どりみー
ぱっと頭に思い付いた言葉を口にした
彼は瞳を輝かせ俺に抱きついてきた
らっだぁ おぉっ…どうしたの?
緑 オカエリ!ラダオクン!!
「ふふっ…ただまいま」
その時どちらかのお腹が大きな音を立てて鳴った
緑 ゴハンレウサンが作ッテクレテルカラ食ベ二イコッカ
らっだぁ そうだね
俺と緑くんはリビングまで歩いて行った
緑 レウサンラダオクン呼ンデ来タヨ
? おーおかえりらっだぁ
らっだぁ うん…?
緑 ン…?
きょー おうらっだぁ起きたんか
緑 キョーサン……ラダオクンハ…?
きょー あぁ___________
? やっぱ…そうだよね
らっだぁ え?
よく聞こえなかったな
俺の名前言ってたし……なんの話してんだろ?
きょー この話はまた後でな
3人は話し終えたのか俺の方を見た
レウ えーっと自己紹介します!
レウ 俺はレウクラウド
レウ そっちは緑くん
らっだぁ じゃあ略してレウさんだね
レウ う…うん!
きょー ……
きょー そういやコンちゃんは?
緑 タブンソロソロ来ル
? 俺結構前からいたんだけど?
俺の背後から声が聞こえて驚きながらも振り返った
そこには顔に布…?をつけた青年が立っていた
? おっ!
らっだぁ えっっと……?
? あぁそっか
? 俺は
コン コンタミ
コン コンチャンダヨー
らっだぁ コンちゃん……
「相変わらず変わってないなぁw」
コンちゃんはレウに袋を渡した
レウ ありがと買ってきてくれて
コン 別にいいよ〜
レウは袋から食材を取り出し冷蔵庫へ入れていく
きょーさんに促され俺は席についた
全員が席につき食卓を囲んだ
きょー じゃあいただきます
緑 イタダキマス
コン いただきまーす
レウ いただきます
俺も手を合わせて
らっだぁ いただきます…
食事を終えた俺たちは自由時間をそれぞれ有意義に使っている
俺はなぜここにいるのか
なぜ戻れないのかなど
つまらない考察をしていた