「じゃあ、くじ引いてけ〜」
ゾロゾロと教室の中に列が出来る。私もテキトーなところに並ぶか、とゆったりと列の後ろに並んだ。先に引いた女子達が、「やった!めっちゃいい席!」とか騒いでいた。私も”いい席”になれないかな?期待を膨らませながら私の順番が来るのをワクワクしながら待った。
やっと順番が来て、少し緊張した手つきでくじを引く。何となくこれな気がした、と思ったものを掴み引き出す。真ん中の窓側。悪くないかも,,,あとは蒼が隣になるかだけ。私は蒼をちらっと見る。蒼はちょうどくじを引いていて、緊張してるように見えない。まるで何か分かっているかのような手つきだった。私は蒼が、くじを引き終わるのを緊張した、心で待った。
「莉奈!?席どうだった?」
蒼がワクワクと私のところにやってくる。席はどうだったのか、私も気になって仕方なかったんだよね!
「えと、ここ。」
私は、自分の席を指差す。目の前の席。外の景色がよく見れて、ひなたぼっこもできる。授業中寝ちゃいそう、不安だなぁ。なんて呑気なこと考えながら蒼の返事を待つ。
「え、ほんと!?俺、莉奈の隣の席!!」
「えぇ!!」
まさか、そんなことが起きるだなんて!✨漫画みたいな展開に私たちは驚きを隠せなかった。蒼は急いで自分の荷物を持ってきた。私は蒼が荷物を持ってくるまでに、何か起きるのではないか?もしかして私今日死んじゃうの!?なんて考えてた。それくらい自分達の願いが叶うとは思わなかったから。
「俺、莉奈の隣の席になりたかったんだよね!」
「わ、私も!!」
席に座ったあとは、とことん話した。次から一緒に授業も受けれるね!とか、なんの授業好き?とか。明日からの学校が自分の中でもっと楽しくなっていくのがわかった。幸せ。私は大切な気持ちを噛み締めながら、心の中に幸せの種を植えた。
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