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548
榎本くもり
6,007
すみじお
41
音舞 澪彩

790
宮殿内の奥へ進む。
中庭にはヤツの姿がなかった。
ということは……この先か!
更に進むと、王の間のような広い部屋があった。この中にトルクァートがいるはずだ。
扉を開けると……そこには。
玉座のような椅子に座るトルクァートと、その隣にウェディングドレスを着たスコルの姿があった。
「スコル……!!」
名前を叫んでもスコルの反応がなかった。くそっ、なにかしらの魔法をかけられているようだ。
「おやおや、ラスティさんではありませんか。よく生きていましたね」
「トルクァート、てめぇ! スコルに何をしやがった!」
「ただの暗示ですよ。私と結婚するようにと」
「ふざけんな!!」
「ふざけてなどいない。聖者と聖女の結婚ですよ、なんとめでたいことか!」
自身満々にトルクァートは手を広げて、そう声高らかに言った。なにが聖者だ……! 怒りに震えていると、仲間のエルフたちが反論してくれた。
「トルクァート!! お前は僕達を騙していたんだな!!」
「お前のせいでオークがやってきて街がメチャクチャだ!!」
「家族が殺された!! 絶対に許さん!」
「この詐欺野郎!! お前はダークエルフなんだろうが!!」
「ボロディンはお前の国ではない! 我々の国だ!」
「そうだ、そうだ!」
「今こそ取り返す時だ!」
9人のエルフが突撃していくが、トルクァートが闇の力を使って吹き飛ばしていた。もう隠すつもりもないらしい。これでダークエルフであると確証を得た。
「みんな、大丈夫か!!」
「ラスティ様、我々は大丈夫です。どうか、スコル様を……」
ウソだろ、あの一撃で全員が気絶してしまっていた。
「フフフ、所詮は雑魚エルフ。私の敵ではないのですよ」
「そうか、そりゃ良かったな」
俺は一瞬でトルクァートの背後を取り、ヴェラチュールを振るう。
「……!」
しかし、トルクァートはギリギリのところでスコルを盾にしやがった。俺は動きを止めるものの、野郎の魔法攻撃によって吹き飛ばされた。
「ぐああああああああ!!」
「油断したな、ラスティ。そう、お前の弱点は彼女です」
だが、俺はなんとか姿勢を立て直すことに成功した。
不意打ちではダメだ。
スコルを盾にされる可能性もある。
どうやって戦えばいい……!!
「トルクァート……!」
「土下座して私を認めれば許してやらんでもないのですが」
「寝言は寝てから言え」
「そうですか、残念ですよ。ラスティ、お前はここで死ぬがよい」
闇属性魔法が飛んでくる。
くっ、しまった。
至近距離すぎる!!
俺はまたどこかへ飛ばされるか、それとも大ダメージをこうむってしまうのか……。いや、だからといって諦めるつもりはない。
そうだ、俺にはまだ切り札が――。
魔力を全開にしようとしたが、なにかが接近してきてトルクァートの闇を押し返した。
な、なんだこの光は!?
「……誰だ?」
「お待たせしました、ラスティ様。僕です!」
「セイン!? お前、どこにいたんだよ!?」
「すみません、ラスティ様が消えた後に、僕もあのトルクァートによってどこかへ転移させられていたのです」
「マジか!」
「そこである人と出会い、僕は力を覚醒させました」
剣を掲げるセイン。
それは黄金色に輝き、莫大な魔力をまとっていた。
な、なんだこりゃ……!
「セイン、お前はいったい……」
「僕はどうやら“聖者”だったみたいです」
「へ……なんだって?」
「自部でも驚きましたよ。でも、本当の聖者は僕なんです!」
なにぃぃぃぃぃ!?
セインが聖者だってー!?
コメント
1件
え、セインが聖者!? いやまさか伏線だったのか…! トルクァートのクズっぷりには腹立つけど、スコルを盾にされちゃうラスティの葛藤も伝わってきてハラハラしたよ。 でもここでセイン覚醒とか熱すぎる展開だね!次がめっちゃ気になる!🤍