⚠️二次創作物です⚠️ご本人様には、一切関係ありません
おんりー視点
毎日毎日。家では殴られて蹴られて、身体が痛い。
毎日毎日。小学校ではイジメられて笑われて、心が痛い。
誰か助けてと願いながら、家というなの寝床に向かう。足元の石をけりながら。
ふと、顔を下から上にあげる。
うるさいぐらいになっていた車の走行音が、いつの間にかきえていた。
そのことにも驚いたけど、目の前の光景が、信じられなかった。
人1人通るのでさえギリギリなほどに狭い道が真っ直ぐ進んでおり、なによりも、両サイドには、お店のような建物が、並んでいた。
隙間なく、どこまでも続いている。
足を動かして、先に進んでみたけど、風景はかわらない。両サイドのお店と、道があるだけ。
不思議なことに、看板はあるのに、店名が書かれていない。
かわりに、赤、紫、ピンクなどの、一色だけが、ベタ塗りされている。
だんだんと、自分が置かれている状況に怖くなってきた。
元々ホラーがダメなのに、リアルはもっと無理。いや、そもそも、これは夢では?
ためしにほっぺでもつねようと足を止めたとき、自分の身長ほどの高さの位置に、看板があった。他のところはもっと高いのに、この看板だけは、俺に気づかせるように、低かった。
看板がついているお店を見てみると、看板は水色なのに、黄色い壁のお店だった。
気になってみていると、不意に。
ドアが開いた。
そして中から、人が出てきた。
雪のように白い髪と、海のように深く暖かい瞳を持っている、美男子だった。
人がでてきたこと。出てきたのが美男子だったこと。
色々と混ざって、呆然と立ち尽くしてしまった。
突っ立っている俺を不思議に思ったのか、いきなり手を引っ張って、中に引き込まれた。
お店に入るなり、美男子が奥の方に消えていった。
お店の中は、水がメインの家具が置いてある。そういえば、看板も、水色だったっけ。
また、ドアの近くに立っていたら、美男子が、マグカップを両手に持って、戻ってきた。
「何しとるん?そこ、寒いやろ?こっちのソファー座り。あったかいココア入れたから、飲み」
優しく、落ち着く声で、声をかけてくれた。
言われたまま、ソファーに腰掛ける。
美男子は、目の前の机にマグカップを置き、向いのソファーに、腰掛けた。
「それ、飲んでもええんやで」
そう言われたから、また。自然と、マグカップを手に取っていた。
一口。口をつけると、暖かくて甘いココアに、心が落ち着いてきた。
「そんなに喜んでもらえたら、こってもうれしいなぁ」
自然と笑っていたのか、そう言われるまで、きづかなかった。
「そーいえば、名前なに?俺はおらふ」
「おんりー。ここのお店、おらふくんのお店なの?」
体格と声からして、同い年ぐらいだと思ったのか、初対面なのに、タメ口で話していた。
「そーやで。おんりーこそ、なんでここにおんの?」
「学校から帰ってたら、ここに来てた。ここってさ、どこなの?」
俺が答えると、おらふくんは、顔をしかめてから、
「そっか、、、おんりーさ、なんか悩んでること、ない?」
悩んでること、、、あるとすれば、やっぱり家と学校のことだよね。
でも、初対面で話すことではないし、言ったところで、どうすることもないし。
下を向き、答えに困っていたら、おらふくんが慌てて、説明口調で話してきた。
「えっちょ、そこまで深く考えないでいいから!あんね、俺願い屋やっとんよ。ほら、この店でさ。だから、なんとなく、おんりーの顔見てから、なんかあったんかな〜って、だけだからさ!」
「願い屋?」
「そうそう!相手の願い聞いて、願いをかなえる。で、それに見合ったほーしゅーをもらうんよ」
あたふたと、早口で話すおらふくんを見て、なんだか可笑しくなってきた。
どうしてそこまで、慌てるのか、自分にはわからない。
「おんりーが、悲しそーな顔しとったからさぁ」
自分のことのように悲しんでくれるおらふくんを見ていたら、なんとなく。おらふくんになら、話してもいいかな、なんて思えた。
「俺さ、学校でイジメられてるの」
それから、ポツポツと話していった。
途中、何度か言葉が詰まったりしたけど、おらふくんは、何度も合槌をうって、最後まで、聞いてくれた。
話し終えると、おらふくんは、置いていたマグカップを取り、奥に行ってから、すぐに戻ってきた。
マグカップからは、暖かいココアらしく、湯気がのぼっていた。
「ココア、好きなだけのんでええよ。おんりーが飲みたいだけ、いれたるから」
そう言ってから、自分も飲み始めた。
俺も、チビチビと飲む。
おらふくんがいれたからなのか、わからないけど、このココアは、暖かくておいしい。
大分落ち着いてきたころ、おらふくんが、ゆったりと話し出した。
いつの間にか、2000字をゆうに超えてました。
なんか長くなったので、一旦切ります!!!
次回は、いつになるかはわかりません。