テラーノベル
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なんとか家に帰り、急いでドアを開けて鍵をかけ、靴を履いたまま部屋に入り窓の鍵とカーテンを閉める。変な汗が止まらない。玄関に戻り靴を脱いで、部屋を見渡す。電気のついていない部屋に、散らかったゴミと、雑に投げられた毛布。いつもと変わらない、空気と、部屋。思わず嬉しくなった。
ああそういえば、飯を買うのを忘れてしまった。近くにコンビニがあるが、今となってはどうでもよかった。一日くらい平気だろう。とりあえず、服を洗濯に出して風呂に入ろう。温まったあとは、冷蔵庫で冷えているはずの缶ビールを片手にテレビを見て、眠くなったら寝る。
ある程度の計画が練り上がり、風呂場の電気をつけて服を脱ぐ。洗濯機のボタンを操作して開始する。明日にでも干そう、と思いながら風呂の扉を開けて、悲鳴をあげて、尻もちをついた。
死んだ女がそこにあった。浴槽に入り、顔を上に向けている。何故、ここにまで。どうして。
気味が悪くてそれの腕を掴み辺りに放り投げる。それは抵抗も何もなく理に従うようにドンッと鈍い音を響かせて壁にぶつかる。
まだここが、山の中であればどれだけ良かったか。それならまだ埋められたはずだ。だというのに、こんな、こんな家の中にまで。
どうしたら、どうすればいい。隠す?いや、誰か来たときに面倒だし一生これと人生を共にしたくない。またどこか遠くに埋めに行く?もうきっとそれは無意味だろう。疲れ切った脳をこれでもかと回す。思考を巡らせる。
震える手で洗面所に置いたスマートフォンを握り、ラインの画面を開く。そして、画面に映る一番上の奴のトークをタップして、こう送った。
「なぁ、死体処理って、どうしたらいい。」
数分も経たずに既読がつく。相手から返信がくるのに、十年、百年の長さを感じた。
「今からそっち行く」
相手は、友人は、ただそれだけをトークの中に残した。
コメント
1件
うわっ第3話、めっちゃゾクゾクした…!!家に帰ってきたときの「いつもと変わらない部屋」にホッとする描写、そこからの風呂場の死体!ギャップがエグすぎる😭💦 「死体処理ってどうしたらいい」のライン、直球すぎて笑ったけどめっちゃ不気味だし、友達の「今から行く」が何もかも含んでて続き気になりすぎる…!!
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羽海汐遠
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