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「皇様、俺がやったんじゃない。」

リプライを送った瞬間、心の中で何かが崩れた気がした。でも、今思えば、それが俺の最も愚かな選択だったのかもしれない。

最初は何も気にしていなかった。一言を送っただけで、誰にもバレないと思っていたから。すぐに分かった。俺の考えが甘かったことを。

あの日、Twitterのリプライ欄で見かけた「あいつが犯人だと思う」という書き込みが、他のファンの目にも留まっていたことに気づいた。俺は誤解を解こうと、あの言葉を送ったんだ。誤解を招かないように、ただ「違う」と言いたかった。それだけだった。

だが、その一言が、致命的だった。

数時間後、俺のスマホに不穏な通知が届いた。最初は、ただのフォロワーからの反応だと思ったが、画面を見て血の気が引いた。

「このアカウント…もしかして?」

俺の名前が、リプライ欄でちょっとした話題になっていた。それが広がっていくのは、あっという間だった。最初は「皇様のファンが犯人か?」という軽い噂だったけど、徐々にそれが具体的になり、誰もが気づき始めた。

俺のリプライが、みんなの注意を引いたんだ。

「もしかして犯人?」

「これ、分かってるよな?」

やがて、数人のフォロワーが気づき始めた。どこかで見覚えがあるアカウント名。いや、もっと言えば、俺のアイコンや過去のツイートの内容。それがバレてしまった。

何の前触れもなく、ただ一言送っただけで、ついに自分のアカウントを「晒す」ことになった。

「待って、待ってくれ…」

俺は何度も自分に言い聞かせたが、もう手遅れだった。リプライ欄はどんどん盛り上がっていき、ついには、「犯人じゃないの?」というコメントが俺のアカウント名に直接結びつき始めた。

その中には、俺が過去に送った他のツイートも含まれていた。どんな些細な内容でも、今となっては意味を成す。何もかもが一貫して、怪しく見えてしまう。

他のファンがリツイートし、誰かが「お前のツイート見たけど、これもしかして…」と指摘する。リプライは増えていき、俺のアカウントは完全に浮き彫りになった。

そして、俺が送った「皇様、俺がやったんじゃない。」のリプライが、火に油を注ぐ結果になった。ツイートのタイムラインが一気に加速し、すぐに拡散された。

「このアカウントは、どう考えても怪しすぎる」

「自分で自白してるじゃん」

「いや、これ絶対おかしいだろ」

その時、俺は完全に自分が追い詰められたことを理解した。自分のアカウントが「バレた」瞬間、逃げる術がないことに気づく。

ツイートに埋め込まれた位置情報、過去のリツイート内容、すべてが追跡されていた。全てが繋がって、俺という存在が明らかにされていく。

「どうしよう…」

震える手でスマホを握りしめ、俺は急いでアカウントを閉じようとした。しかし、時既に遅し。俺がアカウントを消す前に、他のファンたちがすでに拡散していた。

どこからか聞こえてきた言葉があった。

「こいつが犯人だろ。アカウント晒して、追い詰めるぞ。」

その声を、俺はただ無力に聞いていることしかできなかった。

そして、リプライがさらに激しくなった。

「#犯人はこいつ」

「見つけたぞ、お前が犯人だろ?」

その言葉が俺の心臓を締めつけ、苦しめた。

俺はもう、逃げられない。

これで完全に、俺は特定されてしまった。どれだけ頑張っても、アカウントが暴かれてしまえば、逃げられるはずがない。

今、俺はどうすればいいのかも分からない。逃げる場所すら、もう残っていないのかもしれない。

「もう…終わりだ。」

俺は、ただ呆然と画面を見つめることしかできなかった。

なんでお前が推しなんだよ

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