コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「皇様、俺がやったんじゃない。」
リプライを送った瞬間、心の中で何かが崩れた気がした。でも、今思えば、それが俺の最も愚かな選択だったのかもしれない。
最初は何も気にしていなかった。一言を送っただけで、誰にもバレないと思っていたから。すぐに分かった。俺の考えが甘かったことを。
あの日、Twitterのリプライ欄で見かけた「あいつが犯人だと思う」という書き込みが、他のファンの目にも留まっていたことに気づいた。俺は誤解を解こうと、あの言葉を送ったんだ。誤解を招かないように、ただ「違う」と言いたかった。それだけだった。
だが、その一言が、致命的だった。
数時間後、俺のスマホに不穏な通知が届いた。最初は、ただのフォロワーからの反応だと思ったが、画面を見て血の気が引いた。
「このアカウント…もしかして?」
俺の名前が、リプライ欄でちょっとした話題になっていた。それが広がっていくのは、あっという間だった。最初は「皇様のファンが犯人か?」という軽い噂だったけど、徐々にそれが具体的になり、誰もが気づき始めた。
俺のリプライが、みんなの注意を引いたんだ。
「もしかして犯人?」
「これ、分かってるよな?」
やがて、数人のフォロワーが気づき始めた。どこかで見覚えがあるアカウント名。いや、もっと言えば、俺のアイコンや過去のツイートの内容。それがバレてしまった。
何の前触れもなく、ただ一言送っただけで、ついに自分のアカウントを「晒す」ことになった。
「待って、待ってくれ…」
俺は何度も自分に言い聞かせたが、もう手遅れだった。リプライ欄はどんどん盛り上がっていき、ついには、「犯人じゃないの?」というコメントが俺のアカウント名に直接結びつき始めた。
その中には、俺が過去に送った他のツイートも含まれていた。どんな些細な内容でも、今となっては意味を成す。何もかもが一貫して、怪しく見えてしまう。
他のファンがリツイートし、誰かが「お前のツイート見たけど、これもしかして…」と指摘する。リプライは増えていき、俺のアカウントは完全に浮き彫りになった。
そして、俺が送った「皇様、俺がやったんじゃない。」のリプライが、火に油を注ぐ結果になった。ツイートのタイムラインが一気に加速し、すぐに拡散された。
「このアカウントは、どう考えても怪しすぎる」
「自分で自白してるじゃん」
「いや、これ絶対おかしいだろ」
その時、俺は完全に自分が追い詰められたことを理解した。自分のアカウントが「バレた」瞬間、逃げる術がないことに気づく。
ツイートに埋め込まれた位置情報、過去のリツイート内容、すべてが追跡されていた。全てが繋がって、俺という存在が明らかにされていく。
「どうしよう…」
震える手でスマホを握りしめ、俺は急いでアカウントを閉じようとした。しかし、時既に遅し。俺がアカウントを消す前に、他のファンたちがすでに拡散していた。
どこからか聞こえてきた言葉があった。
「こいつが犯人だろ。アカウント晒して、追い詰めるぞ。」
その声を、俺はただ無力に聞いていることしかできなかった。
そして、リプライがさらに激しくなった。
「#犯人はこいつ」
「見つけたぞ、お前が犯人だろ?」
その言葉が俺の心臓を締めつけ、苦しめた。
俺はもう、逃げられない。
これで完全に、俺は特定されてしまった。どれだけ頑張っても、アカウントが暴かれてしまえば、逃げられるはずがない。
今、俺はどうすればいいのかも分からない。逃げる場所すら、もう残っていないのかもしれない。
「もう…終わりだ。」
俺は、ただ呆然と画面を見つめることしかできなかった。