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帰り道
雨が降っていた
でも今日は
傘をさす気にもなれなかった。
“また倒れたいの?”
アリンの言葉が、
頭から離れない。
ソア
「……何なの。」
知らないことばっかりだ。
テオのこと、
少し分かった気でいたのに。
ピコン
スマホが震える。
【テオ】
その名前だけで、
胸が苦しくなる。
少し迷って、
メッセージを開いた。
テオ
『風邪ひく。』
ソア
『……。』
テオ
『傘。』
次の瞬間。
ブーブーッ
電話がかかってきた。
ソア
「もしもし…。」
テオ
『どこ。』
ソア
「帰ってる。」
テオ
『迎え行く。』
ソア
「来なくていい。」
少し沈黙。
雨音が混ざる。
テオ
『怒ってる。』
ソア
「……当たり前じゃん。」
テオ
『……。』
ソア
「好きになるなとか言っといて、
急に秘密ばっかり増えるし。」
声が震える。
本当は怒りたいんじゃない。
怖いんだ。
この人が、
急にいなくなりそうで。
ソア
「倒れるって何。」
「なんで隠すの。」
その時。
テオ
『……病気なんだよ。』
ソア
「え…?」
テオ
『だから。』
『お前は俺を好きになるな。』
電話の向こうで、
苦しそうに息を吐く音がした。
ソアは何も言えなかった。
ただ、
胸が痛かった。
好きになったらダメって、
言われるほど。
もっと、
好きになってしまうのに。