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泣きました。 保存必須 1000まで押し上げときました笑
血の匂い、とてもとても憎い匂い。
香ばしくもなく、たとえ俺を救うこともない。
火が俺を包む、炎が俺を燃やす。
燃えていって、燃えていって…
あいつ、あの人だけは、人を救いにいった。それを、ネットに書き込むのが俺の仕事。
屋上、ある建物の屋上に犯罪者たちが飛び立つ。警察の気配、殺気。そして大量のヘリとパトカーの音。
俺たちは大犯罪者。犯罪をして金を手に入れること。
………じゃあ、今は?
俺は、警察。
本当に、警察?
もう一度、あの人に会いたい。だけど、会えない。いや、言えない。
あの青い彼が院長でもあり、ボスでもあったことは知っている、だが、言えない。
言ったら、この世界が壊れてしまいそうだから。俺が、壊れてしまうから。
「…らっだぁ、また話したい」
壺浦匠は、今日も人を救う。
『 特殊刑事課、壺浦匠…on duty 』
『ナイスデューティー』
アオセンと、一緒に。
『赤城煉、退勤します。お疲れ様でした』
『お疲れ様~!』
『お疲れ様です』
『お休みなさーい』
警察が次々と退勤していく。だが、俺は人を救う。
もう夜中。だが、大犯罪者がこんな夜に犯罪をする。
空気を吸って、吐いて。
うしっ、と声を出しながら銀行強盗に向かう。実際は眠いが。
「ん…?なんだあいつら」
途中の路地裏に怪しい奴らがいた。
どうやら酒をのんでいる、酔っぱらってるもんな。
「一応声かけるか…すみませーん! 」
「…でさーw 」
「いや、そうだよなw」
聞こえてないのか…?
「すみま」
「所詮、ギャングも救急隊も警察も…
無能しかいねぇよなぁw」
「それはそうwギャングはただなんも考えずに犯罪して、救急は人救うっていってもただ怪我治すだけが仕事。警察なんてほぼお遊びだろw」
“無能“
__すみません、救急でーす。とろさん通知行ってもらっていい?
__はいっ!いんちょー、行ってきます!
__いやあ、やっぱ大変だ…救急
院長
__ぼすー!
__今日は大型やろう!ここの番地はぐちつぼね
__了解っす!
__警察きた警察きた
__きゅぴさん回収!全員撤退!
__ないす~~!!!
ボス
「…おい」
「あ?んだよ?」
「なんだこいつw」
ブシャ。
「ッ、でぇえぇ…!!ぐぁっ!!!」
ボキッ
「骨、ほね、がァ!!あ”あ”あ”」
「な、なんだこいつ…!」
「黙れよ」
「は…?」
「なんも知らねぇくせに」
「は、」
ボキッ、ボキ…
「あ、あ”あ “あ”あ”あ”あ”!!!!」
「なんも知らねぇくせによォ!!!!!」
「…つぼ浦?」
「に、逃げるぞ…!!」
「逃がさねぇよ」
「つぼ浦ァ、お前何してんだ?警察のくせに市民に手を出すとか、ほんとに特殊はアホだなぁ」
「ヴァンダーマー、黙れ」
「あ?もとはお前が」
「黙れよ!!!!!!!」
「ッ」
無能じゃない
あの人は、いつもワンオペして
みんなを救ってた
無能なんかじゃない
あの人は、いつもお父さんみたいで
ボスで、ヘリも、上手くて
犯罪を成功させてきた
「テメェに、何がわかんだよ!!」
「つぼーら」
優しい声、青い仮面、鬼の仮面。
「アオセン、だってこいつらがっ」
「…だけど、ヴァンさんはなんもしてない。止めようとしてくれてたよ?なのになんでそんな怒鳴るの?」
「それ、はっ」
「らだおくん…、」
「すみません、ヴァンさん。うちのつぼー らが」
「いえいえ…」
「アオセ」
「つぼ浦」
「えっ」
「市民には手を出すな」
…やっぱ、か。
違うもんな、アオセンは。
院長でもない、ボスでもない。今は警察の青井らだおだから。
俺が悪いもんな。
「…だっ、て」
「何?まだ言い訳?」
「らだおくん、反省してくれてますし」
「いや、反省してないっすよ」
「だって」
「……」
「ら、ぁ…
らっだぁはッ、」
「…は?」
「らっだぁ、はっ、人救ってて、ワンオペもしてて、好かれてて、院長で、
ボスはッ、お父さんみたいで、優しくて、犯罪はなんども成功させてきて
バカにしてたんだ、あいつら。ギャングとか救急とか、それでッ」
ああ、言ってしまった。
きっと、もう…
「…ぐちつぼ」
「ぁ、」
「ごめんな。つらかったな」
「ぁ、あぁああぁぁ…は、あ…はやく、気づけよばかっ」
「ごめん」
「うあ、ああ…っ」
「ごめんな、ごめん」
涙が止まらない。
らっだぁだったんだ、アオセンは。
アオセンはらっだぁなんだっ
「あのー…え??」
「あー…実は」
「前世と来世。なるほど…」
「まあつぼーら今寝てるからいいますけど、結構なんか尊敬してくれてて。それで嫌み言ってるやつらにキレた感じですね、たぶん」
「ほう…そうなんですね」
「ま、ひとつだけ言います」
「なんです?」
「つぼ浦…まあぐちつぼには、優しくしてやってください。前世とか来世に関することはあんまり言わないでほしいっす」
「…わかってますよ」
「ありがとうございます。じゃ、あとは…」
「ひっ、」
「このグズどもですね、クソ市民」
「あ、あ…」
__あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!
次の日
「市民は殺したよ」
「さすが歩く暴力犯罪…w」